安倍内閣不信任決議案提出/衆院本会議で志位委員長が賛成討論//自公維の反対多数で否決に

2019年06月26日

 

25日、午前国会内で5野党党首会談(日本共産党、立憲民主党、国民民主党、社会保障を立て直す国民会議、社民党)が開催されました。5党党首は、この間の安倍政権の国民無視の暴走政治に「ノー」の国民の声を背景に、安倍内閣不信任決議案を提出することを合意。各党の書記局長・幹事長が同席しました。

 

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党首会談の合意を受けて、5野党国対委員長が、大島理森衆院議長に「安倍内閣不信任決議案」を提出しました。

 

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写真上は、右から照屋寛徳(社民)、広田一(社保)、一人おいて原口一博(国民)、辻元清美(立憲)の各党国対委員長。大島理森衆院議長、

 

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提出後にその趣旨を会見で報告しました。

 

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25日の衆院本会議では、立憲民主党の枝野幸男代表が「安倍内閣不信任案」の趣旨説明を行い、長妻昭(立憲)、泉健太(国民)、志位和夫(日本共産党)、野田佳彦(社保国民会議)の各氏が賛成討論を行いました。

 

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志位和夫委員長が行った賛成討論の大要は以下の通りです。

私は、日本共産党を代表して、安倍内閣不信任案への賛成討論を行います。

発足から6年半を迎える安倍政権は、内政・外交のあらゆる面んで行き詰まり、国民の不信と批判が広がっています。もはやこの内閣に、わが国の国政を担う資格はありません。

国民の年金不安に対して無責任きわまりない態度

不信の第一の理由は、国民の年金不安に対して無責任きわまりない態度をとっていることであります。

公的年金だけでは「2000万円不足する」という金融庁の報告者が、老後への不安を広げています。ところが安倍政権は報告書の受け取りを「拒否」するという前代未聞の対応をとりました。自分に不都合な事実は隠蔽する。この姿勢が年金への不安をいっそう広げているという自覚はないのですか。この一点をもってしても不信任に値する暴挙といわなければなりません。

問題は、それだけにとどまりません。総理が、「マクロ経済スライド」という給付水準の引き下げ方針にしがみついていることでう。19日の党首討論で、私が「マクロ経済スライド」の廃止を求めたところ、総理は、「ばかげた案」だと拒否しつつ、同制度を廃止するには「7兆円の財源が必要」と答弁しました。この答弁はきわめて重大です。「マクロ経済スライド」で国民の年金を7兆円規模で奪うことを認めたのです。

総理は、その後、民放番組で、わが党が「マクロ経済スライド」を廃止するための財源を「まったく出していない」と攻撃しました。総理は、党首討論でいったい何を聞いていたのでしょうか。私は、あの場で、高額所得者優遇の保険料のあり方をただすことで1兆円の保険料収入を増やすという具体的提案をしたではありませんか。さらにわが党は、約200兆円の年金積立金を年金給付に活用すること、賃上げと正社員化を進めて保険料収入と加入者を増やすことを合わせて進めることによって、「減らない年金」にすることが可能だと提案しています。

今でさえ貧しい年金を、「マクロ経済スライド』を続けて、さらに貧しくする政策にしがみつく総理の姿勢こそ。総理失格の「ばがげた姿勢」といわねばなりません。

暮らしと経済を破綻に追い込む諸費税10%への増税強行をねらう

不信任の第二の理由は、暮らしと経済を破綻に追い込む消費税10%への増税を強行しようとしていることです。

14年の消費税8%を契機に、実質家計消費は年25万円も落ち込み、労働者の実質賃金も年10万円も落ち込んでいます。内閣府の景気動向指数は、6年5カ月ぶりに2カ月連続で「悪化」となりました。景気悪化の局面での増税の強行など、歴史的にも前例のない愚行というほかありません。

私が、予算委員会で、増税が日本経済にもたらす破滅的影響をただすと、総理は、「今回はいただいたものをすべてお返しする対策を行っていきたい」と答えました。しかしすべて返すくらいなら最初から増税をしなければよいではありませんか。

総理は、「消費税の使い道を変える」ー増税分を「高等教育の無償化」、「幼児教育・保育の無償化」にあてるという言い訳をしています。しかし「高等教育の無償化」と言いますが、その中身は、大学学費の値上げを容認し、学費免除の対象になるのは学生の1割に過ぎず、その財源は消費税増税です。これをもって「高等教育の無償化」とは、「看板に偽りあり」というほかありません。「幼児教育・保育の無償化」は必要ですが、財源を消費税増税に頼ったら、所得の少ない方には負担増だけにしかなりません。どれもこれも、消費税増税を押し付ける言い訳にはなりません。

総理は、大企業や富裕層への優遇税制をただすなど、「消費税に頼らない別の道」で財源をつくり、暮らしの充実にあてるというわが党の提案を、「信憑性がない」「経済がダメージを受ける」と悪罵を放って拒否しました。しかし、富裕層優遇の証券税制を是正することは、経済同友会やOECDも主張していることです。総理は、これらに対しても「信憑性がない」と悪態をつくつもりか。

景気悪化のもと、庶民には大増税を押し付け、大企業と富裕層優遇の税制には指一本触れようとしない。このような首相に、日本経済の舵取りも、国民の暮らしも、まかせるわけには断じていきません。

憲法9条改定によって、「海外で戦争する国」への暴走

不信任の第三の理由は、憲法9条改定によって、「海外で戦争する国」への暴走の道を突き進もうとしていることです。

安倍総理の改憲案のどこが問題か。それを自ら明らかにしているのが、自民党が取りまとめた9条改憲の条文案です。

条文案では、9条2項の後に、「前条の規定は、・・・・・・自衛の措置をとることを妨げない」として、自衛隊を明記するものとなっています。「前条の規定」は「妨げない」ということは、9条2項の制約が自衛隊に及ばなくなるということです。2項が残されていても立ち枯れとなり、死文化してしまいます。海外の武力行使への一切の制約がとりはらわれてしまいます。アジア諸国民と日本国民の甚大な犠牲のうえにつくられた日本国憲法9条を亡き者とし、米国と肩を並べて戦争する国をつくろうという野望を、絶対に許すわけにはいきません。

総理は、参院選で、「憲法を議論しない政党か、する政党かを強く訴える」と述べています。わが党は、憲法を守り、憲法を政治に生かす議論をこれまでも大いにしてきましたし、今後も大いにしていく決意です。同時に強調したいのは、いったい総理に、憲法を議論する資格があるのかということです。

安倍政権は、秘密保護法、安保法制=戦争法、共謀罪ーどれもこれも健保違反の法律を、数の暴力で強行してきました。こんなにも憲法を蔑ろにしてきた政権は、戦後かつてありません。憲法を蔑ろにする総理に、憲法を議論する資格はありません。

沖縄県民の民意を無視した新基地建設ーこれで民主主義の国といえるのか

不信任の第四の理由は、沖縄の民意を無視し、辺野古新基地建設にむけた埋め立てをやめようとしないことです。

県知事選挙、県民投票、衆院沖縄3区補欠選挙ーこの間も、沖縄県民は繰り返し、明瞭で圧倒的な、「新基地建設ノー」の審判をくだしてきました。それを一顧だにせず、埋め立てを続ける国が、民主主義の国といえるのか。

23日、沖縄全戦没者追悼式で、玉城デニー知事は、「民主主義の正当な手続きを経て導き出された民意を尊重せず、なおかつ地方自治をも蔑ろにするもの」と総理の姿勢を厳しく糾弾しました。

総理が、この期に及んで、「県民の負担を軽減する」だの「沖縄の心に寄り添う」だのというのは、沖縄県民を愚弄するにもほどがあるといわなければなりません。

総理がいまやるべきことは、内閣を総辞職し、沖縄県民の総意にこたえる新しい政権に席を譲ることであります。

参院選で勝利をかちとり、安倍政権を退陣に追い込み、希望と安心の日本を

私たち、5野党・会派は、きたるべき参院選にむけ、32の1人区のすべてで候補者を一本化するとともに、国民の願いにこたえた共通政策を確認しました。

力をあわせ、この政治戦で必ず勝利ををかちとり、安倍政権を退陣に追い込み、国民の誰もが希望をもち安心して暮らせる日本をつくるために全力をあげる決意を表明して、賛成討論といたします。

 

動画をぜひ、ご覧ください。