2012年のオスプレイ事故が「標準訓練」時の墜落であることを防衛省が隠していたことを暴露。外務委

2015年05月20日

質問3(資料提示HP用)

20日外務委員会で、18日の拉致問題対策特別委員会に続いて、オスプレイの事故問題を追及しました。
2012年に米フロリダ州で発生した米空軍のCV22オスプレイの墜落事故について、防衛省は当時、「非常に標準的な訓練」時に起きたと米側から説明を受けていました。

ところが、防衛省が作成した「事故分析評価報告書」ではこの事実が記載されていません。私は、この隠ぺいを防衛省の内部文書で明らかにしました。
この文書の名前は、「フロリダで発生したCV22オスプレイの墜落事故に関するブリーフィング」(2012年8月30日付)で、例によって「取扱厳重注意」と記されています。

日本側が米国防省で事故原因などについて、聴取・質疑応答により確認した「特筆すべき点」をまとめたもの。
日本側の「今回の事故について、特殊作戦に特有の訓練中に起こったものであると対外的に説明可能であるか」との問いに、米側は、「訓練は何ら特別なものではなく、・・・編隊飛行は、非常に標準的なものとして、(CV22だけでなく)MV22も通常実施している」と答えたことが明記されています。

 

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私は、この内部文書を示しながら、「この記述は事実か」と質問。左藤章防衛副大臣は当初「知らない」と述べたものの、途中から「防衛省として(文章を)公表していない」と変更。私が、「非公表だが、文書はあるということか」と詰めると、「あるかどうかも含めてわからない」と答弁を二転三転させました。

私は、米側の説明どおりなら、CV22の事故率の高さの理由として防衛省が上げる「過酷な訓練」だけでなく、「標準的な訓練」でも墜落の危険があることになると指摘。日本側の文書にはこの部分の記述が全くないことを示し、「重大な事実を隠しながら、この報告書を根拠にCV22の安全性をいくら強調しても何の根拠にもならない」と批判しました。

岸田文雄外相は「当時の米側とのやりとりについては承知する立場にない」と答えました。
フロリダの事故は、編隊飛行訓練時に後続機が先頭機の後方乱気流に巻き込まれておきたもの。沖縄をはじめ各地で普通にみられる編隊飛行時に、このような事故が起こりうることを米側の説明が裏付けています。沖縄での運用ルール違反の常態化に加え、17日のハワイでの墜落事故まで起き、オスプレイの「安全宣言」はもはや何の説得力もありません。

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本土でも、沖縄でも住民の命を安全を脅かすオスプレイの配備は認められない。少なくとも事故原因が明確になるまで、飛行の停止を求める。同時に配備撤回を要求して質問を結びました。