学術会議任命拒否問題「緊急国会報告会」@京都

2020年12月15日

 

報告です。12日夜、京都市内で、学術会議任命拒否・人事介入問題「緊急国会報告会」が開催され、私と任命拒否の当事者でもある松宮孝明・立命館大学教授が報告しました。

「報告会」は、コロナ感染症対応のため、検温、消毒を実施し、会場規模の3分の1程度の参加人数で開催され、同時中継のネット放映を多くの方に視聴いただきました。

 

 

私は、まず、「報告会」に参加いただいた松宮教授に感謝の意を表明した後、「問題の口火は、10月1日の『しんぶん赤旗』のスクープと、松宮先生にも参加いただいた翌日の『野党合同ヒアリング』にあった」として、「野党が共同して果断に対応したこと、また、これは単に学術会議だけの問題に限定されたものではなく、全国民に関わる問題であり、恩恵を受ける世界の人々に関わる問題」と位置づけたことが重要であったと強調しました。

 

 

その上で、志位和夫委員長が予算委員会で持ち時間のすべてを使って学術問題の全面的な追及を行ったことも紹介し、「国会での菅総理の答弁は総崩れした」と指摘。「デマとフェイクが横行する政治の危険性」とともに、「科学を政治の僕(しもべ)としてはならない」と強調しました。

 

 

さらに、内閣・自民党が合同で主催した「宮澤喜一元総理合同葬」で配布された「宮澤氏のしおり」の一節(「自由はある日突然なくなるものではありません。それは目立たない形で徐々に蝕まれ、気がついたときにはすべてが失われているような過程をたどります」「将来に向かって自由の制限につながるかもしれないどんな兆候に対しても、厳しく監視する必要があります」)を読み上げ、「目立たないどころか、今回の人事介入問題ほどあからさまな学問の自由、思想・信条、表現の自由への挑戦があるでしょうか」と厳しく批判しました。

 

 

最後に、私は、「いま問われている時代認識とは何か」として、侵略戦争への道を突き進んだ戦前の歴史の教訓に触れ、「全体主義の道に行くのか、民主主義か、いま時代の分水嶺に立っている」「反戦・平和のためたたかい抜いた党として、党の存在意義をかけてたたかいたい」と決意を述べました。

また、「学術会議問題、コロナ対策で国民の命と暮らしを軽んじる政治、この2つの点をもってしても、いよいよ菅政権を倒すときだ」と強調し、「いまこそ、市民と野党の共闘、『オール野党』で政権奪取を」と訴えました。

 

 

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松宮教授からは、学術会議の「連携会員」として12年間たずさわった経験に基づき、日本学術会議の果たしている役割を具体的に紹介いただき、ネット上も含め流布されている誹謗中傷、ウソとフェイクの一つひとつに丁寧にコメントをいただきました。

また、松宮教授は、「学術会議法7条の規定に立てば、6人の会員が欠けている状態は明らかな違法状態。この状態は、最大で6年間続くことになるわけで、問題は問われ続けることになる」と指摘し、「学問の自由と大学の自治が鋭く問われ続けてきた京都の地から大いに議論と運動を広げよう」と呼びかけました。

写真下は、報告する松宮孝明教授。

 

 

2人の報告の後、弁護士、京大学生,自治体労働者からの発言があり、会場からの質問に私と松宮教授が丁寧にお答えしました。