辺野古新基地の「係船機能付き護岸」は日米共同使用が前提。日米一体の出撃拠点づくりは許されない!

2023年12月18日

沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設をめぐり、防衛省は12月5日、軟弱地盤が見つかった大浦湾側の護岸工事を共同企業体(JV)と契約しました。契約総額は640億円にのぼります。

 

私は、翌6日の衆院外務委員会で、この発注工事のうち、同基地 に艦船を接岸できるようにする「係船機能付き護岸」(施行延長241・6メートル)の新設問題について質問。
護岸の設計が、日米の共同使用を前提にしたものではないかと政府をただしました。

 

防衛白書によれば、海上自衛隊は2021年4月から今年3月にかけて、「サマセット」や「ニューオーリンズ」「グリーンベイ」(写真・下)といった米海軍のドック型輸送揚陸艦と、沖縄東方などで計11回、共同訓練を実施しています。

これら「サン・アントニオ級」のドック型揚陸艦は、全長208・5メートル。レーダーに映りにくいステルス構造で、強襲揚陸指揮システム(AADS)や共同交戦能力(CEC)などをフル装備しています。

また、飛行甲板に4機、格納庫デッキに1機のオスプレイが収容可能で、同時に2機を発着できるなど「強襲揚陸艦に次ぐオスプレイの飛行プラットホーム」の役割を果たしています。
船尾のウェルドックには、上陸用舟艇のLCACなら2隻、水陸両用車のAAV7なら14両を搭載でき、さらに米側は、巡航ミサイル・トマホークの追加兵装も検討しています。

 

私は、米国防総省が定める桟橋等の設計基準では、「サン・アントニオ級」のドック型揚陸艦の接岸に必要な護岸の長さを239メートルと規定しており、「新設される護岸の長さ241・6メートルとほぼ同じだ」と指摘。「このドック型揚陸艦も護岸を使用するのではないか」と追及しました。

宮澤博行防衛副大臣は「運搬船を接岸できるようにするためだ」と繰り返すだけでした。

 

今年2月に行われた日米共同訓練「アイアン・フィスト23」では、名護市のキャンプ・シュワブの一部を日米が共同使用し、自衛隊の水陸機動団や輸送艦「おおすみ」などと水陸両用作戦に関する実動訓練を行っています。
私は、この事実を認めさせたうえで、「護岸が新設されれば、日米で共同使用することになるのではないか」と追及。宮澤防衛副大臣は「答弁を差し控える」と述べ、否定しませんでした。

 

私は、安保法制を審議した2015年当時、中谷元・防衛大臣が「係船機能付き護岸」について、「米側の要望を基に、日本側の基準を加味して設計する」と説明したことを示し、「日米の共同使用を前提にしたものだ」と指摘。日米一体の出撃拠点となる辺野古の新基地建設は断じて認められないと強調しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

米海軍のドック型輸送揚陸艦「グリーンベイ」