「中川木工芸比良工房」に、中川周士さんを訪ねる

2020年10月17日

 

報告です。大津市比良にある「中川木工芸比良工房」に中川周士さんを訪ねました。写真は、中川さんが作ったオリジナルの作品で、シャンパンクーラーです。

 

 

この種の作品は、出した時にぱっと売れて、あとは「しりすぼみ」のものが多いとのことですが、中川さんのシャンパンクーラーは、木の保温性が高く、表面が発露しないこともあり、お寿司屋さんのカウンターなどに好んで使われているとか(木のカウンターでは発露した水滴がしみになるため)。「しりすぼみ」どころか、年を経るにつれ注文が増えているそうです。

 

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こちらの大きなお盆は、木と木を複雑に組み合わせて作られたもので、年輪の模様が見事に表現された芸術品となっています。湿度が低い欧州に持っていくと大きなお盆が7ミリほど縮じみ、湿度が高い日本に戻るとまた大きくなるそうですが、それでも作品が割れるようなことはないとのことです。とても複雑な技法なんでしょうね。

 

 

仕事場(工房)では、木を鉋(かんな)で削っていただきましたが、手渡された黄色みを帯びた鉋くずには、なんともやさしい香りがします。しかも、木の種類によって香りが違い、かんきつ系の香りからおなじみの杉の香りまで、それぞれの木の香りが漂います。「木を最後まで無駄にしない」とのことで、木屑で作った入浴剤もいただきましたので、さっそく試してみたいと思います。

 

 

また、工房には、鉋が300種類以上もあり驚きました。

 

 

こちらは、風呂桶など3メートルほどの木を削るときに使う鉋だとか。

 

 

木の香りや、木目の美しさ、肌触りに惹かれるのは、そこに日本の伝統文化と匠の技があるからでしょう。機会があればまた訪ねたいと思います。

 

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中川周士さんは、1968年京都市生まれで、1992年京都精華大学美術学部立体造形卒業。卒業と同時に中川木工芸にて父・清司さん(重要無形文化財保持者)に師事。桶、指物、刳物、ろくろなどの技術を学び、2003年滋賀県志賀町(現・大津市)に中川木工芸 比良工房を開きました。中川木工芸は、京都の老舗桶屋「たる源」で修行を積んだ祖父・亀一さんが京都の白川に構えた工房で、現在は父・清司さんが受け継いでいます。