【京の和菓子だより】6月は、「水無月」ですね!

2023年06月18日

 

京都の6月の和菓子といえば「水無月」。私は、これが大好きです。

 

 

水無月は、京都市の発祥。白いういろうの上面に甘く煮た小豆をのせ、三角形に切り分けたもので、京都では夏越の祓が行われる6月30日に、1年の残り半分の無病息災を祈念してこれを食べまると言われています。

起源は、藤本如泉『日本の菓子』(1968年)によれば、現在の形の水無月は昭和に入って京都の和菓子屋で作られるようになり、行事食に取り入れられたとのこと。三角形に切った白いういろうは「氷室の節句」の氷をかたどったもので、四角を半分にしたことで1年の半分を示しているとも言われており、また小豆の赤い色にも厄除けの意味があるとされています。「氷室の節句」は江戸時代の武家の行事で、氷室から氷を切り出して旧暦6月1日に献上品や贈答品にしたそうです。

京・末富の山口富蔵さんによれば、「6月30日に食べて息災」と、「氷室の節会」とも称しています。「6月30日は、ちょうど一年の折り返し点で夏もいよいよこれから・・・『水無月』を食べて、茅の輪をくぐり、この先の息災を神仏に祈る日」(京・末富 「菓子ごよみ』より)

「しんぶん赤旗」1998年9月10日付に掲載されたコラム

 

購入した水無月、今回は「仙太郎」のお店で。