こくた恵二
こくたが駆く

来年の絵馬の字は「不封己」

photo 毎年恒例になりました「こくた恵二・直筆絵馬」来年も作ります。
 写真は絵馬に印刷する字を書いているところ。当然、何枚も書き直しをして一番上手に書けたものを使うのだが、今回はなんと書き直し5回目にして”会心”?の出来上がりに!
 出来上がった作品がこちら。↓

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 「不封己」おのれを封(あつう)せずと読みます。
 中国唐代の詩人・杜甫の言葉で、谷口善太郎氏が生前、色紙などを頼まれると好んで書いておられた言葉だ。
 1969年12月7日付「赤旗(日曜版)」のインタビューで「谷善」は「好きな言葉は」と聞かれてこう答えている。
 色紙などをたのまれると、近ごろはよく「不封己」と書いている。杜甫の「チシャを植える」のなかの「道を守って己(おのれ)を 封(あつ)うせず」の一句だが、共産主義者たるもの利己心があってはならない、という意味だ。もちろん杜甫は共産主義者ではなかったから、かれのいう「道」は別のことだが、「己を封うせず」という精神はわれわれと共通のものでしょう。

 祇園石段下から徒歩15分、東大谷墓地の京都市内を一望できる場所にある『谷善の墓』。その墓碑には「守道不封己」と彫られている、もちろん谷善の自筆だ。今年の正月の墓参りの折に、今年の絵馬にはこの言葉を使わせてもらおうと決意した。
 自分の中に「おのれを封する」思想が残っていないか?と常にこの言葉で身を引き締める、共産党員として大事な言葉を引き継ぎたいとの思いからだ。

(Update : 2005/12/05)