民意削る定数削減案を可決 共産党反対 “小選挙区制廃止こそ” 衆院倫選特で質問に立つ
2016年04月27日
山本委員長
次に、穀田恵二君。
穀田委員
きょうは、細田さんに質問をします。
まず、衆議院選挙制度関連二法案の審議は、きょうで三日目です。提案者は大体一様に、どの方も、選挙制度は民主主義の根幹にかかわる問題と発言したり、主権者という話を平気でします。国民の参政権にかかわる重要法案を、昨日、参考人質疑を行ったばかり、翌日には採決を行う、こんな無法があるかということをまず言いたい。
しかも、何かというと、衆議院の選挙制度の問題について、各党協議会が二十九回行われたと、何か見出しの話みたいな話をしはるけれども、それで一致を見なかった、まとまらなかった、それで選挙制度へ丸投げしたということを合理化しようとする向きがある。それに対して、昨日の参考人質疑では、やり方も内容についても問いをもって問いに答えたことにしかならないとの批判の陳述が行われたことは極めて重大です。
さて、二十九回に及ぶ各党協議会は、議事録もありません。衆議院選挙制度調査会の答申は提出されたが、十七回に上る審議の内容は、これまた議事録もありません。国民にとって、衆議院の選挙制度についての議論は、先ほどの岩屋さんの話でいうと主権者、主権者はこの三日間初めて聞いているんですよ。この五年半近くの初めてのことなんです、その議論というのは。その意味でも、国民に開かれた形での十分徹底した審議が求められているんだ、このことを改めて主張したい。
私、きのう、理事会にも出ましたよ。そうしたら、急がなくちゃならぬ、参議院の審議もあると。参議院は、いずれにしても、この間の経過を見ていると、この問題はそんなに長時間やることはないですよ。
きょうの時間だってそうですよ。これは何時間やったと思いますか、全部で。七時間でっせ。選挙制度をめぐる議論について、たった七時間でおしまいにするなどということが許されるのか。提出者に対して、まず細田さんにその点についての議論をしたい。
私は、各党協議会で細田さんと一番議論をしてきた仲であります。今後こういう機会がいつ持たれるかわからないので、じっくり話を聞きたい。
細田(博)議員
一昨日も答弁の中で申し上げましたが、この小選挙区比例代表並立制ができたのは、平成六年の細川内閣のときでございます。そのときにも大議論があった。しかしながら、多勢に無勢といいますか、当時の政権七会派が強く主張して、三百、二百の小選挙区比例代表並立制ができて以来、特に御党においては、このような制度が適切な制度であるかどうかということは絶えず問題を投げかけられたことは承知しております。
したがって、その後も、定数是正の観点から五増五減が行われたときもございます。そして、〇増五減も先般行われております。そして、そのときにも常に各党間において、この制度がいい制度なのかどうかという議論はずっと続いてきていると承知しておりますが、全体としては、この二十年間、世論の大勢といいますか、もちろん、一部の方々が、これはおかしいんじゃないか、我々の支持率に比べて、支持する政党の代表制、あるいは議員の選ばれる率が不当に小さいではないか、我々は一〇%の政党支持率があるのに、三%、四%しか議員が出せないではないかというお声があることは、私は事実だと思います。それが今、オール・ジャパン、日本全体で、この制度はおかしいからもとに戻せとか、また違う制度に変えろという世論まで至っていない。
二十九回の各党協議会の議論もそのようなことでございましたし、その後の佐々木調査会もそうでございます。
したがいまして、この議論は、全然やっていないわけではなくて、長年の懸案としては提起されておりますけれども、当面はこの選挙制度でいこうと。
ただ、格差について、これは選挙区間格差でございますが、都道府県格差じゃございませんが、二倍を超える選挙区が出ている、そのことが今、違憲状態であるという判決が出ているわけで、それを、都道府県間のあり方に大きな問題があるのではないかという議論と、それから定数削減をせよという議論とが、両方交錯いたしまして今回の案が出てきておりますので、私は、決して議論がないがしろにされているとは思っておりません。
穀田委員
今の話を聞いてわかるように、それは細田さんと私は随分議論しましたよ、政党間の議論をしましたよ。しかし、国民的議論はなされたかという話をしているんですよ。していないですよ、全然。何かというと主権者とかなんとか言って、そういうときに、話をするときだけ主権者という話をするんですよ。
主権者の議論を誰が組織しましたか。公聴会をやりましたか。やっていないですよ。私らは、せめて公聴会をやれと提起したんですよ。七時間といったら幾らだと思いますか、一日でっせ、予算委員会でいえば。たった一日の議論で決めるほど大したことない議論なのか。冗談じゃない。
日本の政治の中で、こういう選挙制度をめぐって、これほど軽んじられたらあかんということを言っているんですよ。それはわかるでしょう、細田さん。
細田さんと私は何回も議論してきましたよ。政党としても議論してきましたよ。しかし、国民の中で、これがいいか、これが悪いかという話をしたことはないんですよ。
少なくとも、答申もそうではないですか。調査会を十七回やったというけれども、私はあのヒアリングに出たときも言いましたよ、公聴会をやるべきだ、国民の声を聞くべきだと。それも退けたんじゃありませんか。そういう経過を見て、この議員諸兄が決めることあたわずということを私は言っているんですよ。そこの重大性を見なきゃならぬ。
では、北側さんに聞きましょう。
北側さん、公明党とも私は長い間やってきましたよ、細田さんほどではないけれども。それでも、おたくのところを含めて、二〇一一年、連用制度だとか、二〇一二年、一部連用制だとか、二〇一三年、優遇枠案だとか、そういう問題、議論を通じて、並立制による民意のゆがみは緩和の方向にしなくてはならぬという話をしたわけですやんか。そういう議論を国民の中でして、そうやな、ないしは違うなということを実感するほど今議論したとお思いですか。
北側議員
もう穀田委員もよく承知の上でおっしゃっていると思うんですが、この選挙制度の問題については三つの問題があるんですね。一票の格差是正の問題、そして定数削減をすべきかどうかという問題、そしてさらには、今おっしゃった、選挙制度の抜本的なあり方をどうするんだ、この三つの問題がある。
最高裁判決が三度違憲状態だと言ったのは、このまさしく一票の格差の問題なんですね。
三度も違憲状態と判決されているわけで、国会として、立法府として、これはもう放置できないわけでございまして、これをまず最優先で最高裁への答えを我々は出していかないといけないということでございまして、そういう中で今回の論議があるんだ。まず、それがある。
御承知のとおり、見直し条項も入っているわけでございまして、今穀田委員がおっしゃったまさしくその趣旨は、この見直し条項の規定にあるとおり、今後の選挙制度のあり方については不断の見直しが必要でございまして、しっかりこれは論議をさせていただきたいと思っております。
穀田委員
不断の議論をするというんだから、それはやりましょう。せやけれども、私が言っているのは、皆さん、それは国民の中でこの問題が議論されたと思うかと私は聞いているんですよ。
それは、政党間を二十九回やったかしらぬ、選挙制度調査会を十七回やったかしらぬ、四年半やってきましたよ。それだったら、その重みをたった七時間ちょいでやるほどのことなのか、それほど軽いものなのか。違う、国民の主権にかかわる問題だ、参政権にかかわる問題だ。主権者の問題だと言うんだったら、主権者にきちっと問うたらどうだ。そんな話をしているんですよ。
しかも、北側さんも細田さんもおっしゃったように、ともかく最高裁の話だ、こう来るわけだ。最高裁が何を言っているか。それは一票の格差の是正であって、しかもそれは、御承知のとおり、一人別枠方式を正せと言っているわけでしょう。それが、いつの間にか定数削減、こう来ているわけですよ。それも一緒にやってしまおうと。残っているのは選挙制度の問題だというような話をして、何か適当な話をしているけれども。
では、定数削減について聞きましょう。
細田さんは、私の国会での質問に対して、我が国国会議員数は多いとは思わないと述べているんですね。他方、地方でも大幅に削減しているから政治決断したと述べているんですよね。政治決断したと言っているんですよ。定数のあり方をどう考えるのかについては大いに議論を深める必要がある、こう言っているわけですよね。これが大いに議論されたとは、よっぽどそんなことは私は思わぬけれども。
一九二五年普選の、男子普通選挙のときの定数は四百六十六。そして、当時の若槻内務大臣は、各府県について人口十二万につき議員一人を配当する割合を定めましたと答弁しているんですよね。欧州諸国でも、人口何人当たりにつき議員何人ということを根拠としています。
では、総定数のあり方の基準を細田さんはどのように考えているんですか。簡単にお願いします。
細田(博)議員
私は、小選挙区で選ばれる人々は、まさに代議士とも言われているように、全国をくまなく選挙区数に分けて、そこの代表として選ぶわけでございますから、できるだけ多い方がいいのではないかと思います。
しかしながら、新聞、テレビ等の世論は、これを行政改革と同じように捉えまして、議員の数は多過ぎるんじゃないか、少ない方がいいということをおっしゃるところが多いわけでございます。
そこで、前の党首討論でも定数削減、定数削減、公約でも定数削減ということですが、人口六千万人台の、九十年前の水準に国会議員数が減ってしまう、国民一人当たりの議員数は半分になってしまうんですが、それで世論が変わるのか変わらないのか。また、議員が多過ぎるからさらに減らせという世論が出るのかどうか。
私は、民主主義という観点からいうと、今四十万人に一人の小選挙区、そしてそれに伴う比例区の人数は、民主主義の根幹的課題として問うていかなければ、議員が少ないほど民主主義が適当であるかどうかはわからない。少数政党の皆さんもおられますけれども、いろいろな委員会を兼務して、いろいろな委員会の理事にもなれないとか、発言の時間が遮られるとか、そういうふうになりますから、できるだけ多く国会議員が選ばれて、できるだけ多くの政党が当選して、そして多彩な議論が行われる方がいい面もあるわけです。
だけれども、全体の流れは、今はまさに小選挙区比例代表並立制ブームがまだ終えんしていない。だから、幾ら私どもが別の、それを是正する案を出しても、それが世論に訴えるということはない。だから、各党協議会のときに私が提案したのも、三十の定数削減は全て最大政党がかぶる案なんですね、自公で合意して。それを、やはり一顧だにされることはなかった。
したがって、それは、最大の世論の支持を得た政党が政権を圧倒的にとることをまだ国民の皆さんは望んでいるのではないかと、個人的には思っているわけでございます。
穀田委員
では、同様の意見を公明党にも聞きます。
私は、今、細田さんからお話があったように、日本の議員は多いとは思わないと。その点では、答申も、現行の衆議院の定数は、国際比較や過去の経緯などからすると多いとは言えず、これを削減する積極的な理由や理論的根拠は見出しがたい、ここまで言っているんですよね。
だから、現在の国会議員数は多いと思うのか、なぜ減らさなくちゃならぬのか、その点、どうお考えですか、北側さん。
北側議員
調査会の答申でおっしゃっている趣旨は大変重いものがあると私も考えております。
ただ、しかしながら、今、我が国は人口減少時代に入っているわけですね。人口減少時代の中にあって、これは議会だけではなくて行政も含めて、これをどう効率化していくのかということは当然考えないといけない課題だと思います。そういう観点から、今回、議員の定数の削減ということについて、私どもも議論をし、その方向で今回このような法案を提出させていただいたところでございます。
委員のおっしゃっていることはよく理解できます。答申のおっしゃっているとおりでして、改めてこの議員定数のあり方については今後しっかり論議をさせていただきたいと思います。
穀田委員
いずれの方々も、議員定数が多いとは言えないんですよ。これからも議論したい、ひとまず減らす、そんなあほな、そういうことが論理矛盾だと言っているんです。
では、民進党に、逢坂さんに聞きますよ。
定数削減は国民との公約と言うけれども、しょっちゅう公約というのは裏切っていることは各党あるわけだけれども、ここだけは何かそういうことを言うんだよね。まあ、そう言っちゃあかんけれども。もともと、民主党野田政権が、増税をお願いする以上、政治家は身を切る改革が必要と発言し、比例八十削減を打ち出したのがきっかけでした。
国民に増税を押しつけるために国民の代表である議員定数を削減するのか、定数の削減の理由はそれなのかと改めて聞いておきたい。簡単にいこう。
逢坂議員
御答弁いたします。
政治家も公務員もそうなんですけれども、最小の経費で最大の効果を上げるということが常に求められているわけであります。
そして、政治家は国民のために仕事をしているわけですが、国民のために仕事をしているから、国民にとってよいこと、これをどんどんやっていくというのが政治家の一つの役割ではありますけれども、よいことだけをやっていたのでは社会はうまく回っていかない。国民にとってはどちらかというと不都合なこと、こういうことも場合によってはやらざるを得ない場面もあるわけであります。
例えば、自治の世界では、NIMBYといって、ノット・イン・マイ・バックヤード、自分の家の裏庭にはつくってほしくないというような迷惑施設をやらなきゃならないこともある。あるいは、増税というのもそういうようなものの一つだろうというふうに思っています。このときに、国民にとって非常に都合の悪い、いや、これはやってほしくないなという政策でもやらざるを得ないようなものをやるときに、一般論として、それでは政治家はもっとコストを下げなきゃいけないんじゃないか、もっと安くやらなきゃいけないんじゃないか、こういう声が高まるというふうに思うわけです。
今般議論になっております消費税の増税の問題でありますけれども、これはまさに国民にとって、もう全ての国民がその増税のマイナスをかぶるわけでありますから、嫌な政策なんだろうというふうに思います。そういうものが惹起されたときに、特に、本当に政治家はちゃんとやっているのかという議論が出るわけでありますね。
片や、一方で、これまでもいろいろな経過の中で議員の定数削減ということが議論されていた。
だから、増税をするから議員を削減するんだ、削減するために増税だと言っていることではなくて、さまざまな要素の中で、たまたま今、増税と議員削減というものがリンクしているかのように見えているということなんだろうと思います。その意味で、直接的な理由ではないということを申し上げておきたいと思います。
穀田委員
逢坂さんの意見はそうかもしれない。しかし、国会で野田さんはそう言われた。しかも、思い出してくださいよ、逢坂さん。あのとき、公約に消費税増税すると言ってへんよね、その前は。だから、それほどでたらめだということなんですよね、この問題の理論というのは。
しかも、聞くけれども、まあ聞かぬでもいいけれども、二〇〇九年、一〇年、一二年、一三年、一四年と選挙がありましたよね。そのとき、最初の二〇〇九年は確かに八十削減と書いていたよ。その後、書いていないというのは知っているか。書いていないんですよ。二〇一三年、二〇一四年の公約にはそれすら、つゆすら見えなくなっている。自民党などの公約などは数字さえ書いていない。
ですから、何か口を開けば国民に対する公約だとか言うけれども、公約自身が変わっている。日ごろ守らない公約を、このときだけそういうことを言うということも極めてひどいという話を一言言っておきます。
次に、身を切る論について一言言っておきたいと思います。
いわゆる身を切る論について、自民・公明、民進の提案者、簡単に答えてくださいね。こういう議論をするのにこれだけしか時間がないというようなことをやっているのは、あなた方なんだから。
議員の定数を減らすことが身を切る論の目的なのか、それとも、一体、現在の議員定数でどんな弊害があるのか、多過ぎるのか、そういった根拠をきちんと述べてほしい。
そしてもう一つ。では、あるいは経費的なものとして考えているのか。すなわち、金がかかり過ぎているからだということを言っているのか。
身を切る論とあなた方が言っているのは一体何なんだということを、簡潔に頼むわ。
逢沢議員
いろいろ国会改革の議論の中で、身を切る、あるいは身を切る改革、よくそういう言葉が使われます。
定数との関係でいいますと、確かに調査会も、絶対的基準があるわけではない、そうはっきり言っている、そのとおりだろうと思います。また事実関係として、大幅に定数を削減すると選挙区間の格差の縮小が難しくなる、そういう要請に向き合わざるを得ないということですよね。そしてもう一つ、事実関係として、諸外国との人口比においては我が国の国会議員は決して多くない、そのとおりだろうと思います。
私も、身を切る改革イコール定数削減、そういう考え方にはくみするべきではない。国民の中には確かに、定数は少なければ少ないほどいいじゃないか、こういう向きがないことはないと受けとめておりますけれども、そのこと自体、私は大変問題だというふうに思っております。
第一、国会の議席、定数というのは、我々国会議員、我々現職の国会議員のものではなくて、国民のものですよね。国民の声を代弁する貴重なその議席は国会議員のものじゃなくて国民のものだという大前提、大認識に立たなくてはならぬというふうに思っております。
しかし、先ほど北側先生からも答弁がありました。人口は減ってくる、そして通信手段、交通手段、そういうものの利便性も高まってくる、国民との対話のツール、それは充実してきた。そして、経費の面からいいますと、我々国会議員の活動全て国民の税金で賄われております。効率をある意味で求める。政治の生産性という言葉が受け入れられるかどうか、ある意味では気をつけて使わなくてはいけない表現であろうかとも思いますけれども、しかし、限られた財源でパフォーマンスを上げていく、そういう努力は努力として求められているのではないかというふうに思います。
その全体を考えて、我々は今回十削減ということを法案にもお願いした、そのように御理解をいただきたいと思います。
逢坂議員
身を切る改革ですけれども、政治家はみずからにとって不都合なことをやる、政治家にとって不利なことをやる、そのことによって国民の皆さんに難しい問題について対応してくださいよということを御理解いただく、そういうような意味合いで使われているんだろうと思います。
今回、定数を削減するということになりますと、現行の議員が次の選挙で当選しづらくなる可能性は高くなるわけですね。その意味で、政治家にとって不都合だ、そういう意味で身を切るという言葉を使っているんだろうと私は思っています。
ただ、私は、実は機会があれば穀田先生とこの議員定数の問題はじっくり議論をしたいと思っておりました。きょうはもう時間がありませんので、これ以上は長くはしゃべりませんけれども。
通常国会、百五十日ございます。今回の国会は多分、五、六十本の法案、案件が上程されているわけですが、通常国会は多いとき百本ぐらいの案件が上程されるわけですね。そうなりますと、百五十日で百本の案件ですから、一・五日に一本ということになるわけです。それを、議員定数をどんどん減らしていけば減らしていくほど、国会議員がさまざまな法案に接するチャンス、機会というのが逆に減っていくような気が私はしていて、議員定数の問題というのは、本当に、今の国会にかかっている案件の数といいましょうか重さといいましょうか、そういうことと比較をして妥当なのかどうかといったようなあたりも、国会議員みずからが国民の皆様に説明をしていく。
その上で、一方、片や、最小の経費で最大の効果を上げる、あるいは、国民の皆さんから見れば議員の数はいつも多い多いと指摘をされている、そういう声にどう応えていくかということが非常に大事なんだろうと思っています。
したがって、これからも、この議論、穀田先生だけではなくて、いろいろな先生方とやっていきたいなというふうに思います。
以上です。
穀田委員
はっきりしているのは、身を切るという理屈が余りないということだけははっきりしている。
お話がありましたように、私は、国民のものだというのは正論だと思うんですよね。だから、そういう国民のものであって、我々のものじゃないんですね。身を切るというのは、みずからの身を切るというのは、我が身という発想なんですよね。そこが違うんですよ。国民のものだという発想がないからこういう話が出てくるんですよね。そこの哲学が非常に揺らいでいるわけですよ。そういうものを、ポピュリズムの中に断固として立ち向かっていく姿勢がなければ、政治なんてできやしないですよ。そういうものだということをあえて私は言っておきたいと思うんです。
しかも、最後、議論を深めたいと。深めたらよろしいがな。だから、落ちついてやろうと言っているのに早々と打ち切るなどというのは、まさにあかんでと言っておきたいと思うんです。
最後に一言だけ、細田さんに聞いておきたいんだけれども、簡単に。
両案とも、アダムズ方式の採用にとどまらず、先ほど答弁していましたけれども、実際上は、この方式というのは、この法律は自動的に定数配分と区割りを行う仕組みを盛り込んでいるわけですから、結局、ずっとこれが小選挙区間の是正について自動装置を組み込んでいて、長く続けられる事実上のシステムになっているということは事実ですよね。簡単に。
細田(博)議員
御指摘のとおり、本法案は、長期的にアダムズ方式を採用して都道府県別の割り振りあるいは比例の割り振り等について規定している点は、御指摘のとおりであります。
穀田委員
だから、緊急だとか、何かいろいろ言わはりますよね、急いでとか。違うんです。今回をやることによって、長期にわたってこの制度について維持したいということのあらわれなんです。だから、そう簡単じゃないんだということを私は言っているわけですよ。それは、適当にそういうことを言っている人はいるけれども、違うんです。この法案の中心ポイントは、小選挙区制を長く温存するということを決めている内容なんですね。だから、見直し条項が幾らあろうとも、そういう話をしているということは言っておかなければならない。
細田さんがいつも言うのは、世論が起こっていない、こう言うんだけれども、私はそんなことはないと思うんです。二つの点で間違っている。
一つは、この問題の議論が起こったときの世論調査。選挙制度を抜本的に変える、二〇一一年ですが、このときは五割を超えているんですよ、毎日新聞で。FNNでいいますと、今の小選挙区比例代表並立制の抜本的見直しを行うべきだ、六九・七あったんですよ。だから、世論がないという話じゃないんですよ。世論を喚起する努力をしていないということが問題なんです。これが一つ。
もう一つは、今や国民は、今の選挙制度でいいのか。朋輩と私、この間の本会議質問でやりましたけれども、今、国民の世論は、例えば国政の争点となっている問題でどう動いているか。安保法の問題についてもおかしいじゃないか、消費税の増税についてもおかしいじゃないかと言っている。辺野古の基地なんぞは冗談じゃない、TPPはおかしいと言っている。こういう議論が多数なのにもかかわらず、それと違う暴走が進んでいるということに対して、今、民意が届かないということが問題になっているわけじゃないですか。そこが今、我々に問われている問題なんですよ。
ですから、今大事なのは、国民の世論を喚起する。今の制度がおかしいということは、大丈夫、それはやれるということと、今や、その問題の大きな問題は、民意と議席が乖離しているというところに焦点がある。そこを我々、政治に携わっている人間は真剣に向き合っていく必要がある。
ですから、本当に、これで結局のところ、私は細田さんとやり合うのは最後になるかもしれませんけれども、いよいよこの小選挙区制を廃止することが必要なことは明らかになっている。そして、定数削減は論外であるということは、これはもはや自明の理であります。
こういうやり方が将来禍根を残した、そのときに、我々が主張したことがいかに正しかったかということを歴史は証明するでありましょう。
終わります。