防衛省内部文書でも改ざんの疑い

2018年03月30日

中山委員長

次に、穀田恵二君。


穀田委員

日本共産党の穀田です。
きょうは、沖縄における米軍施設の共同使用問題に関して質問したいと思います。
きょうは、山本防衛副大臣においでいただいています。
最初に確認したいのは、小野寺大臣は、三月十三日の記者会見で、防衛省の文書管理についてこう述べています。
昨年、南スーダンPKOの日報問題に関し、国会からも厳しい指摘を受けた、これを受け、情報公開、文書管理の再発防止策を着実に実施していると述べております。
文書管理について再発防止策を着実に実施しているというのが防衛省の認識かどうか、まず最初にそれをお聞きします。


山本副大臣

お答え申し上げます。
お尋ねの件ですが、小野寺防衛大臣が国会答弁などで、あるいは三月十三日の大臣の記者会見において、委員御指摘の、情報公開、文書管理の再発防止策を着実に実施する旨を確かに述べております。
公文書などは、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的財産でありまして、書きかえなどはあってはならないことだと考えております。
防衛省の文書管理については、昨年、南スーダンPKO日報問題に関し、国会からも厳しい御指摘を受けたところでございますが、今般の財務省の問題につきましても、他省の問題とすることなく、防衛省・自衛隊における文書管理の重要性を改めて認識し職務に当たるよう、これも、三月の十二日、防衛大臣から省内幹部に指示があったところでございます。
さらに、同月二十三日の閣僚懇談会において、安倍総理より、公文書の信頼回復について指示があったところであり、四月から、新ガイドラインによる厳格なルールのもと、適切な公文書管理の徹底に真摯に取り組んでまいりたいと考えております。


穀田委員

大体、会見で行った内容をなぞった、こういうことですな、閣僚懇は別としてですけれどもね。
そこで、具体的にお聞きしたいと思うんですけれども、防衛省の統合幕僚監部防衛計画部の「日米の「動的防衛協力」について」という二〇一二年の七月付の文書があります。これです。この文書について、私は二度にわたって政府の見解をただしたことがあります。
文書では、中国の脅威を前面に出し、キャンプ・シュワブやキャンプ・ハンセンなど沖縄の米軍施設を陸上自衛隊の部隊が恒常的に共同使用し、南西地域で紛争が起きた場合の対処計画が書かれています。
具体的には、「沖縄本島における恒常的な共同使用に係わる新たな陸上部隊の配置」として、宮古島や石垣島などの先島諸島に一個連隊規模、尖閣諸島や先島諸島で有事が発生した場合に初動対処部隊として増援する一個連隊規模の勢力の設置、水陸両用作戦の能力向上などが検討されています。その上で、キャンプ・シュワブに普通科中隊、ハンセンに普通科連隊を常駐させる構想が明記されています。
この防衛省の文書について、私は、質問後の二〇一五年四月三日、防衛省に対して資料提出するよう求めました。これに対して、防衛省の日米防衛協力課から五日後の四月八日に文書で回答があり、これなんですけれども、このように述べています。「穀田議員が防衛省の内部文書と主張して提示した文書は、防衛省として対外的に明らかにした文書ではないことから、その真贋を含め、当該文書について答えることは差し控える」ということだったわけであります。
そこで、改めて確認したい。私が質問で示し、資料提出を求めた、これですね、「日米の「動的防衛協力」について」と題する文書は防衛省にあったのかどうか。


山本副大臣

お答え申し上げます。
平成二十七年三月三日の衆議院の予算委員会及び同年の四月一日の衆議院の外務委員会において穀田委員から御提示のありました文書、先ほどお手元に提示をされておりましたけれども、その文書について、これはもう既に穀田委員の事務所の方にも我が方としてお答えを申し上げていると思いますけれども、防衛省として対外的に明らかにした文書ではないことから、その真贋を含め、当該文書についてお答えすることを差し控えさせていただきたいと思います。


穀田委員

いや、それは、今言ったように、私はそういうふうに受けたよということを言っているんだけれども、あったのかということでいうと、相変わらず、答えは差し控えたいということになるわけだね。
しかし、そうなりますと、今私が述べた、これですけれども、「日米の「動的防衛協力」について」と題する文書については、平成二十九年五月五日に開示請求があって、防衛大臣が平成二十九年七月十日及び九月八日の二回に分けて開示請求者に開示決定をした、これは防衛省の三月二十三日の文書でそう書いているんですよね。ということは、要するに、同じ表題の文書開示の請求があって、提出されているということになるじゃありませんか。それはどうなんですか。


山本副大臣

お尋ねの文書に関してでございますが、過去の開示決定についてお答え申し上げますと、平成二十九年五月五日付の行政文書開示請求に対し、同年七月十日及び九月八日の二回に分けて決裁を行い、開示決定を行っております。
ただ、委員が先ほど手にされていたそのものに関しては、これは、大変恐縮ですが、繰り返しのお答えになりますけれども、そのものは防衛省として対外的に明らかにした文書ではありませんので、その真贋を含め、当該文書についてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。


穀田委員

私も、今大臣が述べた、開示された文書を受け取りました。これですよね。これとこれなんですよ。まあそんなに近づかんかてええて。簡単に言うと、二つ同じ文書なんですよ。まあちょっと表題とあれが違うということになるわけだけれども。
結局、防衛省は、国会の外務委員会並びに予算委員会で、私の資料要求に対して、何回も言うんだけれども、真贋を含め答えることは差し控えるなどと拒否しておきながら、情報公開請求については、これなんですけれども、もう最初から、はなから黒く塗ってあるということになるわけですけれども、一部黒塗りで文書を開示していた。余りにも国会を愚弄した対応じゃないかと思うんですね。
そこで、まあ中身はもう少しねちねちやるとして、この文書を開示決定したのは昨年の七月十日と九月八日の二回ということだけれども、そのときの防衛大臣は稲田さんと小野寺さんであることは間違いありませんね。


山本副大臣

お答え申し上げます。
お尋ねの、二回に分けて決裁を行っておりまして、平成二十九年七月十日での決裁の施行者は稲田防衛大臣でありまして、同年の九月八日の分は小野寺防衛大臣ということになっております。


穀田委員

私が二〇一五年三月三日の予算委員会で、防衛省の文書を示して質問した際に、中谷防衛大臣は、最初の三回ばかしは、この文書に基づいて私が質問したらちゃんと答えているんですけれども、そのうち四回目から、いかなる文書か承知していないということを言い始めて、代替施設での恒常的な共同使用は考えていないと答弁し、さらに、安倍総理も全く考えていないと否定しています。
しかし、実際は、キャンプ・シュワブやハンセンなど沖縄の米軍施設を陸上自衛隊の部隊が恒常的に共同使用する計画が秘密裏に進められていた。そればかりか、稲田、小野寺の両氏は、防衛大臣としてこの計画の存在を知っていたにもかかわらず、これまでの国会答弁で、個別具体的に決まったものではないと繰り返している。二重の意味で、私は断じて許されるものじゃないと。
私は、これとこれ、ちょっと違うように見えるんだけれども、まあ同じなんですよね。「日米の「動的防衛協力」について」という、見出しも同じですね。同じなんですよ。そこで、提出を拒否していたものがあった。それだけでも私は大問題だと思うんですね。
そして、防衛省が開示した文書を見ると、私が質問で示した原本と、まあ、原本といったってこれは原本のコピーやから、原本のコピーと大きく異なる箇所が二つあるんですね。
どこが違うかというと、ここにありますように、「日米の「動的防衛協力」の取組について」ということで、日米安全保障協議委員会、2プラス2での共同発表を踏まえた班長級、課長級の検討状況や、日米間協議などの今後の予定について記したページ、ここなんですよ、これなんですけれども、これが丸ごとないということだと。
二つ目に、もう一つ、ないのがあるんですね。これは、「沖縄本島における恒常的な共同使用に係わる新たな陸上部隊の配置」とある箇所で、米軍と共同使用や共同訓練を行う具体的な施設や訓練名が細かく列記されたページが抜けている。
だから、これとこれはほとんど同じ文書なんだけれども、抜けているところがあるわけなんですね。すぐ顔をしかめて言うねんけれども、後で大変なことになるということになるわけですね、こんなことをやっておったらね。
私は、なぜこのような形で文書を開示したのか。意図的に、これは、今言いましたように、この二ページが違うわけですね。これは見出しが最初、当然これはないわけですけれども、その見出しのところをつけるためにここから引っ張ってきて、見出しはこっちへ持ってくるということまでやって、御丁寧に直しているわけですよね。こういうことについて、なぜこのような形で文書を開示したのか。意図的に削除、抜き取ったのか。これではまるで森友文書と同じ公文書の改ざんではないのかということが問われるんじゃありませんか。


山本副大臣

お答え申し上げます。
先ほど委員が、防衛省が資料請求や情報開示を拒否したというような御発言をされておられましたけれども、当方として拒否をしたという事実はないと承知をしております。
また、お尋ねの、今先生も手持ちにありますけれども、これは先生がお持ちのもので、これは我々としても出しているものであります。
ただ、もう一方、委員が原本のコピーだと今称して手元に持たれているものは、我々としては、防衛省としては、対外的に明らかにしたようなものではありませんので、その真贋を含めて我々としてはわからないものですので、これが抜けている、抜けていないとかと申されても、我々としてはお答えしようがないというところです。


穀田委員

真贋を含めて答えを差し控えると言って、拒否していないと言うけれども、国会の予算委員会と外務委員会で、国会で議論をし、その提出を求めたわけじゃないですか、私は。それに対して、真贋も含めお答えを差し控えると。つまり、国会に提出を拒否してきた文書が、実際上、山本さんが言うには、これとこれということで、私が示しているのがわからぬからと言っているんだけれども、ほとんど同じだということですよね、これは。明らかに同じなんですよ。ただ、抜けているところがあるということを指摘しているわけで、そんな言い逃れは通用しないと。
では、こういうことについて言えば、抜いたところはないと言っていいんですね。


山本副大臣

お答え申し上げます。
繰り返しの答弁になって大変恐縮ですけれども、抜いたとか抜いていないとか、そういう議論ではなくて、我々としては、委員が手にお持ちのものというものが、そもそも我々防衛省としては、対外的に明らかにしたようなものでもございませんし、その真贋がわからないというものでありますので、抜いたのか抜いていないのかというところも含めて、そもそもその真贋がわからないものでありますので、お答えができない、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。


穀田委員

よく言うよね。真贋がわからぬと言うんやったら、私が出したときに、聞きに来て、どうやと聞いたら、しまいじゃないですか。しかも、同じ文書であることは、これは誰が見たって同じなんですよ。ページが二枚だけ抜けているというだけの話なんですよ。
しかも、これは、取扱い厳重注意という文書で、秘密の文書でも何でもないんですよ。そういう意味でいうと、秘密の度合いが非常に少ないところなんですよ。開示されている文書は黒塗りになっているということを私は示しているわけです。
副大臣は、先ほど一番最初に、私に対して、公文書の位置づけについて、わざわざ公文書管理法の条文まで引いて言うてはりましたよ。国民共有の知的財産だと。国民の財産なんです、これは、もともと情報というのは。そして、私が言っているのは、少なくとも何が抜けているかということについて言うと、二ページ抜けていると。なぜ抜けているかという問題でいいますと、私は非常に問題だと思うんだけれども。
では、今お話ありましたように、真贋を含めてと言うのであれば、私が提示したものについて受け取っていただいて、それはあれですか、防衛副大臣としてしっかり調査するわけですか。


山本副大臣

お答え申し上げます。
委員が二つお持ちだと思いますけれども、私も持っていますのは、これは、委員から資料請求を受けてこちらでお出しした文書でございますが、全ページそろっておりまして、抜けているというようなものではございませんので、ちゃんと我々は、委員から要求があったものに対して真摯にお応えをしているところでございます。


穀田委員

そんな、話をそらしちゃいけませんよ。これは情報開示で出たやつを私はもらっただけの話であって、国民が要求して出したものですやんか。
あなたの出しているものは、全部真っ黒けのやつなんじゃないんですか。こういうふうになっているわけじゃありませんか。私が示したのはそうじゃなくて、それだったら、きちんと調査はすんねやなということでよろしいか。


山本副大臣

お答え申し上げます。
今委員がお手元で御提示されている資料につきましては、少なくとも、我々防衛省としてこれまで公表した資料であるとは承知をしておりません。どういった経緯によって入手されたものなのか明らかでない限り、当該資料の真贋や位置づけについてお答えすることは困難です。


穀田委員

私は、提出を拒否したものがあったというだけでも大問題だと思うんですね。そして、そのもともとの原本は私が最初から示していた原本と違うというなら、それをきちんと証明するのがおたくのところの責任じゃないですか。
しかも、じゃ、何が消えているか言いましょうか。この消えているかというところを言いますと、検討状況を記したページには、当時防衛政策局次長で、その後PKO日報の隠蔽問題で事務次官を辞任した黒江哲郎氏、現在政府の国家安全保障参与が検討会に参加していたことも記録されている。当時の文書に記載された当の本人が、私がこの文書に基づいて質問した際、三月三日、その際に、政府参考人、防衛政策局長として出席していたんですよ。ということは、防衛大臣がうその答弁をすることにだんまりを決め込んでいたということで、全くこれも許しがたい話だと思うんです。
私は、これとあわせて、昨年八月に、河野大臣に最後は一言言っておきたいと思うんですけれども、出席した2プラス2の共同発表で、事務当局に対して在日米軍施設の共同使用作業を加速するよう求めているが、この防衛省の文書は、まさにその事務当局による検討内容を示すものであります。その肝心なところを全部、今お話があったように、知らぬ存ぜぬ、しかも国民に対して開示した文書はほとんど真っ黒ということがやられているわけですよね。
これはやはり、少なくともこういう問題について、事務当局の検討内容について、こういうやり方が、森友文書と同じで改ざんの疑いがある、これは非常に重大じゃないかと思うんですが、大臣の見解をお聞きしておきたいと思います。


河野国務大臣

済みません。その今議論されていた防衛省の文書を、私、見たこともありませんので、ちょっとこの場では何ともお答えできません。


穀田委員

この問題は、外務委員会で私、追及しまして、やっている問題なんです。
大体、見ていただいたらわかるんですけれども、皆さんにわかりやすいようにこう見せるわけだけれども、この日米動的防衛力についてという文書、これは見出しも全部同じなんですよ。ちょっと縦と横があるぐらいの話で、いざとなるとこういうふうに真っ黒になる、こういう文書ですよね。こういうやつなんですよ。
私はそのことを示し、当時、中谷防衛大臣がこのことを、あることを前提に答弁を行ったといういわくつきの文書なんですね。それで、四問目のあたりから、そこの、先ほどありましたように、事務方がとととっと寄ってきて、要するに、山本さんが言っているように、その文書についてはどこから来たのかというような話をして、そういうことにしちゃうわけですよ。
だから、こういう問題が、特にPKOの問題で、あれほどのことについて、しかも、それを反省してやっていますというわけでしょう。ある意味じゃ、前に犯罪を犯した省がまたこれはやっているということになるわけじゃありませんか。
ですから、財務省だけじゃなくて、それこそ舌の根も乾かぬうちに防衛省は、この間、南スーダンの日報問題で隠蔽をやって、組織ぐるみで隠すようなことをやっていた、今度はこれかというふうなことになるわけですね。
したがって、こういう問題については徹底的に私は調査をすべきだと。少なくとも外務省もそうだし、防衛省についてだって問題提起しているわけだから、真贋を含めてというのやったら、取りに来て、ほんまかいなと言ったらしまいですやんか。そういうことを含めて極めて重大な問題だと私は思うんですが、大臣、いかがですか。


河野国務大臣

防衛省において適切に対応されるものと思います。


穀田委員

防衛省はどう対応するんですか。


中山委員長

山本防衛副大臣、既に申合せの時刻が参っておりますので、答弁は簡潔にお願いいたします。


山本副大臣

お答え申し上げます。
公文書等は、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的財産であるということは間違いないとございます。
そして、先ほど御提示のあった文書の開示決定に当たりましては、行政機関の保有する情報の公開に関する法律第五条の規定に基づき、国の安全が害されるおそれのある情報については不開示と判断したものであり、特段問題があるとは考えておりません。


穀田委員

私は今後もまたやりますけれども、極めて重大な改ざんが行われている。やはり、こういう問題でいうならば、同じ体質がある。ですから、財務省ばかりじゃなくて、ここでも改ざんがやられているのかということについて述べて、質問を終わります。