10日、外務委質疑。イージスレーダー選定疑惑。防衛副大臣、米ミサイル長官来日の際のロッキード社の同席否定せず
2021年03月12日
10日に開催された外務委員会で、私は「イージス・システム搭載艦」のレーダー選定問題について、茂木敏充外務大臣と中山泰秀防衛副大臣を質しました。
ポイントは三つあります。
一つは、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の代替策「イージスシステム搭載艦」のレーダー選定で、ロッキードマーチン社を優遇した疑惑です。
二つは、陸上幕僚監部が陸上イージスの選定に関わって、私が「『選定諮問会議』に提出した文書の開示を求めた」のに対して、「全て黒塗り」で提示した問題です。
三つは、レーダー選定までの期間に、防衛省と業界関係者が529回も接触したとの報告だが、レーダー選定に従事した職員への「接待」は、なかったのか。
私は、「茂木外相は、国家安全保障会議の中核を担う「4大臣会合」のメンバーで、「イージス・システム搭載艦」2隻の整備を決めたお一人だ。透明性の確保はもとより、国会や国民への説明責任を果たす責務がある」と指摘。
写真上は、「国民への説明責任は果たす」と答弁する茂木外相。
米国ミサイル防衛庁のグリーブス長官の来日問題について質問。岸防衛大臣は、グリーブス氏が「レーダーの選定結果を公表する直前」の2018年7月23日に来日し、「西田整備計画局長らと面会した」ことを認めた。
中山副大臣、防衛省は、なぜ、グリーブス長官と「レーダーの選定結果を公表する直前」に「面会」したのか。その目的は何だったのか?
「レーダー選定直前に、発注者である防衛省と、受注者である米側が、レーダー選定の「直前」に、会合を行うこと自体が異常なことで、選定の厳正性を疑われる」と指摘し、「面会にレーダーを提案したロッキード・マーチン社の関係者も同席していたのではないか」と質問。
中山副大臣は「答弁は差し控えさせていただきたい」と同席を否定しませんでした。
この点は極めて重大です。ミサイル防衛庁長官と防衛省との会合に、ロッキード社が同席していたとすれば、選定に関わっての疑惑が事実だったことを証明することになります。
はっきりさせねばなりません。
私は、「面会」の記録があるはず。面会記録の提出がない限り、疑問を払拭することは出来ない。行政文書たる面会記録の提出を求めました。
次に、防衛省が私に提出した資料が黒塗りになっている問題です。
事務次官ら防衛省幹部が出席した「構成品選定諮問会議」(18年7月)で陸上幕僚監部が配布した陸上イージスの構成品選定案を提示。同省はレーダー選定の経緯を公表していた(下段、資料1)にもかかわらず、同選定案の「これまでの経緯」(資料3)と題した文書は全て黒塗りだとして、「なぜ全て隠したのか」とただしました。
中山氏は「黒塗り部分は公開できない情報として区分けしている」と答弁。
黒塗りにしていたわけが分かった。「国民に公開できない中身があると認めたのは極めて重大だ」と指摘し、黒塗りを外すよう求めました。
「接待」に関する問題です。接待はないと中山氏は答弁しました。
私は、「レーダーの選定作業が行われた同じ期間を対象に実施された『防衛監察結果』をみると、例えば、『(業界関係者「等」との)単独接触が許容される場合ではないのに、業界関係者「等」と、単独で接触していた』とか、業界関係者「等」から『働きかけを受けた場合の措置について認識していない職員が存在した』、『働きかけを受けた場合の対応措置を、予め業者に周知させる必要があることを知らない職員が散見した』など指摘されている。だから聞いていると述べました。
中山氏は「調べたがなかった」と強弁するばかりでした。
私は、ならば、調査結果をこの委員会に提出を求めました。
選定作業が行われた同じ時期に行われた防衛監察結果の指摘がレーダー選定に従事した職員だけは、そのような疑いをはさむ余地はないなどありえないことです。
この質疑を通じて、いっそう新たな疑惑、重大問題が明かになったと言えます。引き続き真相解明のために追及していきます。
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資料編
外務委員会で、配布した資料です。(私が質問の際に使用したこともあり、赤い線が入っていたりしますがご勘弁を)
資料1
資料2
資料3
資料4