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【伝統・地場産業】
衆議院予算委員会(1999年2月17日、会議録より)

伝統・地場産業の振興のために


 次に、穀田恵二君。

〇穀田分科員 きょうは、伝統的工芸品産業の振興に関する法律、いわゆる伝産法に関連してお聞きしたいと思います。
 この法律ができてから、ちょうどことしで二五周年の節目の年に当たります。法律がつくられて以降、一九二品目が通産大臣によって指定されています。
 伝産法の目的は、「伝統的工芸品が、民衆の生活の中ではぐくまれ受け継がれてきたこと及び将来もそれが存在し続ける基盤があることにかんがみ、このような伝統的工芸品の産業の振興を図り、もつて国民の生活の発展に寄与し、国民経済の健全な発展に資することを目的とする。」と述べていますが、大臣にまずお聞きしたいのは、伝統的工芸品産業の現状について、どうお考えですか。

〇与謝野国務大臣 先生御指摘のように、この法律は、昭和四九年に制定されたものでございまして、伝統的工芸品産業を一層魅力と活力にあふれたものにするため、平成四年に、製品の共同販売等の需要開拓事業に対する支援策の追加等を内容とした改正が行われたわけでございます。
 具体的には、この法律に基づきまして、伝統的工芸品として、平成十一年一月現在、先生御指摘のように、全国で一九二品目を指定するとともに、当該指定品目の産地組合がこの法律に基づきまして策定した振興計画により行う、後継者の確保また需要開拓等の事業に対する支援を行うなど、財政、金融、税制上の施策を通じまして、伝統的工芸品産業の振興を図ってきております。
 しかしながら、昨今の経済の低迷等の中で、生産額、従業者数等に近年減少傾向があると思っております。

〇穀田分科員 今お話がありましたが、一九九二年に法改正を行って、いろいろ努力をなされてまいったと思います。問題は、当時、その前年に、伝統的工芸品産業審議会の答申で、産地の疲弊は進み、多くの産地が産業としての活力を失い、このまま推移すれば、産地の維持すら困難になりつつあるのが現状だ、こう述べています。
 今お話ありましたけれども、この答申を受けて法改正したけれども、それから七年目、そのときの状況とどう変わっているのかについてお聞きしたいと思います。

〇近藤(隆)政府委員 お答え申し上げます。
 平成四年に、答申を受けまして法律を改正いたしました。その後、新しい制度としまして、例えば、需要開拓につきましては製造業側と、流通販売側が一緒に組むとか、あるいは新製品の開発につきましてはもっともっと意欲的な部分があれば共同出資をして事業をするとか、いろいろな制度をつくりまして、多方面からこの振興を図ってきたわけでございます。
 他方、経済状態が非常に厳しいという状況もあったものでございますので、伝統的工芸品産業全体の動きを見ますと、その後、例えば、生産額が減少傾向にある、あるいは従事者数も減少傾向にあるといった傾向は継続しておりまして、そういう意味では、なお非常に厳しい状況にあるというのが現状というふうに認識をいたしております。

〇穀田分科員 現状は、引き続き生産額においても厳しい状況が続いている。
 問題は、その法改正の際に打ち出した重点、つまり共同振興計画、活用計画そして支援計画の三つが当時の目玉でした。そこで、三つの計画が現在一つ一つどのように進行しているのか、お聞きしたいと思います。

〇近藤(隆)政府委員 御指摘のとおり、従来は、製造業関係者が組合を中心としまして振興計画をつくるというのが中心でございました。これに関しましては、現在まで含めますと、累計で一八三計画が既に認定をされておりますけれども、先生御指摘になりましたような、平成四年におきまして新しくできました共同振興計画、これはメーカー、製造業者側と流通側が一緒にする計画でございますけれども、これは現在まで6計画の認定でございます。
 それから、新商品の開発に関します活用計画、要するに伝産技術を活用して新商品の開発、そういう趣旨でございますけれども、これは現在まで一計画の認定。
 それからさらに、支援計画、これは主として地方公共団体の第三セクターがこのような産業の人材育成等を中心とした支援計画をするというものでございますけれども、これは現在まで三つの計画について認定をしております。

〇穀田分科員 法改正から七年たっています。通産大臣が指定した伝統工芸品産業の品目は一九二です。このうち、合計しますと、たった十しか計画がないわけです。
 問題は、一体、申請が多くあるけれども認定が少ないのか、それとも申請も少なく認定も少ないのか、なぜこれほど進んでいないのか、この問題についてはどうお考えですか。

〇近藤(隆)政府委員 申請をする段階では、各産地組合が地方公共団体等と十分相談をしてまいりますので、非常にいい計画になってきております。したがいまして、申請があったけれども認定をしないというケースではなくて、申請がありますと認定ができるような内容になっておりますので、残念ながら、申請の件数が現在までこのような程度だったというふうに認識をしております。

〇穀田分科員 事実はそうなんですけれども、なぜ進んでないのか。つまり、伝産協会はこうした産業が実は大体千あると言っているんです。いろいろな産地を含めて。そうして、そのうち一九二に指定しているわけです。要するに、今ありましたように、申請があればすべて認定しているということですから、申請も物すごく少ないということですね。
 だから、産地が申請しないというのか、どこが進まない原因なのかということについてもお述べください。

〇近藤(隆)政府委員 おっしゃられましたように、指定品目は一九二ございますけれども、主として指定品目に関しましては、先ほど申しました、これは従来からの制度でございますけれども、振興計画という、製造にかかわります産地組合が中心になってやるわけでございますが、これについきましては一八三ございます。
 それで、例えば新しい共同振興計画について申しますと、製造業者側と販売側、いわば流通側といろいろ相談をしまして話し合っていく必要があるといった点、この協力関係が現地でどういうふうに進んでいるかといった点があると思います。
 それから、新商品の開発に関します活用計画につきましては、これは新事業を起こすものでございますので、事業資金が必要であるといった点がございます。
 それから、支援計画につきましては、これは地方公共団体が主として、地方公共団体の第三セクターでやるものでございますので、地方公共団体の財政問題がございます。
 したがいまして、特に活用計画と支援計画に関しまして考えますと、昨今の大変厳しい経済状況とか地方公共団体の財政状況、そういったものも一つの影響があって少ないのではないかというふうにも考えておりますけれども、特に共同振興計画につきましては、地元のいわば商、工の、製造業側とそれから卸、販売側もそのような共同が要るという点が、場合によっては困難な原因かという感じもしております。

〇穀田分科員 今お話あった資金の問題をめぐる点や地方公共団体の財政状況、それはあると思います。ただ、問題は、七年推移して十件しかできていないという現状についての評価なんです。やはりこれは振興計画、三つの計画が十分に作動していないといいますか、そういう結果だと思うのですね。
 そこで、先ほどお話があった、産地からの申請に基づいて、こうありましたけれども、当時、これらの問題を考えたときに、産地からのそういう計画をつくる上で、例えば、現地での事務局やそういうものをつくる際に伝産協会が支援する、そういったことがうたわれていました。
 問題は、そういう力が本当に現地であるのか。つまり、計画を具体的に立てるような専従事務所だとか事務局体制というのは、全産地で、どのような状況だと把握していますか。

〇近藤(隆)政府委員 おのおのの産地の組合、今おっしゃいましたように、事務的な能力に関しましては、例えば、先ほど申しましたような振興計画の方でございますけれども、これが一八三の産地ででき上がっております。したがいまして、それなりの事務的な能力なりまとめる力というのは持っているのではないかというふうに考えております。
 しかしながら、それだけでは必ずしも十分ではないという面もございますので、今先生がおっしゃいましたように、地方公共団体の御支援でありますとか、あるいは伝産協会の指導といったものが必要でございますので、それにつきましても、非常にきめ細かくできるようにということで、いろいろな指導をしておりますけれども、組合自身の能力は、振興計画を見ますと、それなりの能力はあるんじゃないかというふうに考えております。

〇穀田分科員 どうもその辺が、私は三つ違うと思うのですね。
 一つは、産地組合のところに能力がある。それは、自分たち自身の振興のための、そういう仕事があるのは事実なのですよ。問題は、専従事務局だとか、そういう事務所がないというのははっきりしているわけで、二分の一から三分の一しかないんですよ。そういう意味でいいますと、それを支援する二つ目に、体制としての伝産協会の役割があるのですね。そういう仕組みになっているのですよ。
 ところが、おっしゃるように、一八三、一八三と何度も強調されるけれども、従来からのものであって、今、いわば法改正の際に、それが不十分だからと決めて新しく立てた計画に対して十しか出ていないというところを問題にしているのであって、どうも、話をばくっと広げずにやっていく必要があると思うのですね。
 ということは、そういう認識に立っているということは、つまり、新し法改正のもとでの具体的な推移、それの法に基づく振興が、それ自身としてはたった十しか進んでいないということに対する評価は非常に不十分だと私は思うのですね。その到達点に対してどういう立場で接しているのかということが問われると思うのですよ。ですから、私は、今言ったように三つの点で、やはり極めて不十分だということを申し上げたいと思うのです。
 そこで、現地は、例えばさまざまな状況を聞きますと、やはり、まず支援計画でいいますと、建設費に四分の一の補助はあるけれども、地元負担が大きいだとか、後の維持管理、運営費に困るだとか、それから、生徒が集まるかどうか不安などと、比較的大きな京友禅の組合でも、組合だとやりたくてもできないメニューという声だとか、後の負担を考えるととても乗れない、こんな声が出されています。
 ですから、支援計画がもう一つ十分に、もともと当時の法制定の際の審議を聞いていますと、大体十ぐらいが、そういう学校を含めた、カレッジを含めた、新しい要望にこたえて、法にこたえてそういう要望を出していたということからしましても、私は、現状はそれ自身もいっていないという点から見れば、残念ながら、うまくいっていないということだと思うのですね。
 問題は、その際に、十にとどまらず、今新しい三つの計画に基づく計画を、一九二の産地に対してどの程度持ってもらおうと思っておられるのですか。

〇近藤(隆)政府委員 これは、おっしゃいますように、産地は本当に中小零細企業が多いものでございますから、これからも引き続き、地方自治体それから伝産協会の職員等ができるだけその産地の声を聞きながら受けとめていきまして、そのような振興ができるようにしたいと思っております。
 具体的に幾つという数字ではございませんけれども、これからも極力きめ細かく産地の方のお話を伺いながら、できるだけの振興策ができるように進めていきたいというふうに考えております。

〇穀田分科員 産地の声を聞く、きめ細かく行う、この二つが生活産業局長のキーワードなんですね、今お話を聞いていると。それはそれでいいと思うのですよ。
 問題は、私が言っているのは、一九二の対象があって、新しく法制定のもとで出された計画に基づいて認定したのは十しかない。ここで一九二全体をやはり視野に入れてやる必要があるんじゃないかということを、私、言っているのですね。そこをちょっとよく押さえておいてほしいと思うのです。
 そこで、次に聞きたいのは、後継者養成なんですね。この点で、さきに述べた答申を受けた一九九二年の法改正のもとで、どんな施策を進めてきたかについてお答えいただけますか。

〇近藤(隆)政府委員 後継者の育成に関しましてでございますけれども、一つは、今お話のありました支援計画でございます。現在まで三地域で計画がありますけれども、それが一つの新しい制度でございます。
 それから、同時に、伝産協会、伝統的工芸品産業振興協会によります施策としまして幾つかございまして、一つは伝統工芸士の認定事業でございます。これは、従来から協会の自主事業としてございましたものを、法改正の後に、通産大臣が認定をするというような制度に変更しまして、さらに、いわばきちっとした格好にしたということではございます。
 それから、二つ目は、伝統的工芸品技術習得奨励事業という事業を新しく平成四年度以降に設けまして、これは、伝統的工芸品技術の伝承者となるような強い意志を持っているけれども、まだ伝統的工芸品の具体的な製作に関してはその経験の日が浅い、そういった従事者に対しまして奨励金を交付する制度でございまして、これによりまして、大体毎年百名から百二十名ぐらい、若手で、伝統的工芸品の伝統的工芸技術の伝承者となろうといった人に対しまして、奨励金を交付しているということでございます。

〇穀田分科員 今お話がありました奨励事業などは、非常に若手にとっても喜ばれていることだと思います。ただ、一人当たり年間三十万円程度で、しかも一年限りなのですね。これではやはり、後継者養成という点ではまだまだの感があります。
 といいますのは、もともと後継者育成には、さっき述べた審議会答申では、一般に一人前の職人になるためには十年にも及ぶ長時間、弟子として修業しなければならないと言われている、こういう内容が書かれています。そうしますと、一年ぽっきりで、この支援事業では、十年ぐらいかかる養成に対して余りにも少ないと言わざるを得ないと思います。
 そして、今詳しく述べられませんでしたが、そのほかに研修事業があることも私はよく知っています。その研修事業を京扇子の協同組合でお聞きすると、年間で三コース、各コース一日三時間で五日間、三コース合計で三十五名が研修会に参加し、修了していると言われています。この組合の場合、大体育成に五年はかかると言っています。今詳しくお述べにならなかった研修会を、どれだけの産地で開催し、参加人数はどれくらいいるのか、お答えください。

〇近藤(隆)政府委員 研修会の件でございますけれども、人材育成はすべてのといいましょうか、振興計画も含めて中心的な事業でございますので、大変多くの振興計画の中で、人材育成それからその研修会というものが書かれておると思います。ちょっと必ずしも人数等につきまして全貌がつかめていなくて恐縮なんでございますけれども、場合によっては、振興計画でない、計画に基づかない研修会といったものもあるようでございます。
 例えば、一例としまして、西陣の関係の例ということでお話しいたしますと、平成九年度の例でございますけれども、二〇一八名の方が研修を受講されまして、製織部門あるいは意匠部門等々で合計三五一時間という数字がございまして、これが一つの例でございますけれども、そういった例があるということだと思います。
 その他、多くの計画の中で、いろいろな研修会を行っているというふうに承知をいたしておりますけれども、ちょっと具体的な数字がなくて恐縮でございます。

〇穀田分科員 後継者育成は五年から十年かかると言われています。今お話がありました西陣の例も、手織りコースが八十時間だとか、基本技術コースが四十時間だとか、専門技術コースが四十時間というふうになっています。それではやはりまだまだ、先ほどお話ししましたように、一人前になるということを目標にしますと、極めて初歩的な研修と言わなくてはなりません。
 したがいまして、私は、今局長からお話あった、全貌がつかめていないというのは、きょう、今数字を言うことができないということだったら結構ですけれども、やはり一九二品目、つまり、わざわざ通産大臣が指定した一九二品目の後継者があと何人必要なのか。つまり、このままいけば消滅する危機があるとわざわざ書いているのですね、この問題について。そうしますと、それぞれの業界でどれほどの研修を行い、どれほどの後継者が必要なのかということについて見なければ、消滅する危機があると言われている事態に対して、極めて私は残念なそういう回答だと思うのですね。
 学校といいまして、皆さんがおつくりになったさまざまな施策のうちのカレッジというのを見ましても、現在三カ所しかなくて、学校として機能しているのは京都だけなんですね。学校という広い意味じゃなくて、狭い意味で本当に機能していると言われているのは。高山やその他もあります。だけれども、そういうことからしますと、私は、今、当時の審議やまた審議会の答申を見ていますと、何も学校をつくらなくてはならぬと言っているわけじゃないのですね、施設をつくれと言っているのです。
 私は、大事なのはここだと思うのですよ。つまり、一九二品目というのは非常に多種多様である、産地の力量もある、そして現地における育成の事業もさまざまある。そういう実情をよく踏まえて、それこそ先ほど局長がおっしゃった、きめ細かな対策が必要じゃないか。
 ところが、今聞いてびっくりしたのは、研修会が幾ら行われているか全貌がつかめないといった話にありますように、私はそこに見る、先ほど一貫して指摘していますように、一九二品目を全部視野に入れて、それをどうするかというふうになっていないということがあるのじゃないかと思うのです。
 そこで、もう一つ、国会審議の中では、先ほどありました伝統工芸士については、確かに通産大臣の認証ということが新しいことになりました。ただ、審議の中では、伝統工芸品産業の中核、後継者育成の中核、ますますその社会的地位の向上に意を用いていくと当時生活産業局長が答弁されています。どのくらいの伝統工芸士が後継者育成で役割を果たしており、またその報酬はどうなっているか、お述べください。

〇近藤(隆)政府員 伝統工芸士でございますけれども、これは最初の自主事業の当時からの累計でございますけれども、認定者が四七〇〇名弱でございます。
 後継者の育成に関しましては、この伝統工芸士の方々が、例えばいろいろな意味の講師でありますとか実技の指導でありますとかいういう面で、率先をして、イニシアチブをとって、いろいろな面で御貢献いただいているというふうに承知をいたしております。
 こういう方々、通産大臣が認定するということにしましたのも、このような指導的な役割をぜひとも果していただきたいということでございますので、そういう意味では、これからもますます重要な役割を果していただけるというふうに思っております。

〇穀田分科員 どのぐらいの報酬になっているかということは、いかがですか。

〇近藤(隆)政府委員 いろいろケース・バイ・ケースだと思いますが、幾つかの例で聞いてみて、平均的に考えますと、時給が三〇〇〇円から四〇〇〇円ということだそうでございます。

〇穀田分科員 私は、時給それ自身としては、いろいろ評価があると思います。しかし、伝統産業というもののわざを教え伝えるという立場からすると、私は、そんなに高いとは思えないのですね。
 そこで、もう最終の時間になりましたので、次の、私自身もこの伝統的工芸品産業の振興のために若干の提案をしてみたいと思うので、その点については、最後、大臣に御所見を承りたいと思います。
 私は、今言いましたように、伝統的工芸品産業を真の意味で発展させるには、国や地方自治体がもっと力こぶを入れ、本腰を入れる必要がある。その立場は、まず第一に、一九二品目全体として責任を持っていくという態度だと思っています。
 二つ目に、その新し法制定に伴う計画を、すべての産地、そのでこぼこはさまざまあるでしょう、しかし、計画をつくっていただく、そして計画をつくれないところは専門的知識のある方を派遣する。特に、伝産協会の体制強化は極めて大事かと思います。伝産協会の方々は、その対象となる伝統産業の指導のマニュアルは出すことができるけれども、現場に行って、一つ一つ指導し作成をしっくり上げることの援助はなかなかできないと言っておられます。そういう意味からも、私は要だと思います。
 三つ目は、後継者育成の問題では、先ほど申しましたように、ただ箱物をつくるということだけではなくて、産地組合や自治体がやろうとすることに、もっと話を聞き、補助金や交付税措置で支援していく。そして、人づくりに必要なことは、教える側にも教えられる側にも、奨励金制度などをつくって奨励する必要があるのじゃないだろうかと思っています。その点で、先ほどお話あった伝統的工芸技術奨励問題については、単年度にとどまらず、長いスタンスで援助することが必要だろうと私は思っています。
 四つ目に、伝統工芸品産業を支えているのは人だけではありません。原材料、材料、それか道具、機械、これがなくなりつつあるという警告が発せられているところは多数あります。ですから、そういう点でも、実態がどのようになっているのかなどを調査することや、仕事をしている方々の声を聞くことが大事かと思います。
 最後に、以上のことをやろうと思いますと、私は、ある意味で年次計画ぐらいのことを持ってやっていく必要があるだろうと思っています。その年次計画を支える予算を拡充することが必要です。先ほどありました学校、カレッジの援助金も平成一〇年度でもう既に打ち切られていたり、それから補助金が事実上下降していたり、こういう実態があります。
 こういうことを、今どうしても上向きにさせることなくして、伝統工芸品の産業を振興させる意味での施策を充実させることにはならないだろうという立場が私は必要かと思います。そういう点での御所見を賜りたいと思います。

〇与謝野国務大臣 私は、東京の真ん中が選挙区ですが、ここでそんなものがあるのかなと思っていましたら、実は、繊維染物等は神田川の流域でやっておりまして、なるほどなと思ったことがあります。
 この分野というのは、なかなか教科書にも書いていない、技術を人から人に伝えるということで、なかなかの難しさがあります。また、若い方はなかなかそういう分野には進まないという傾向があって、後継者を、人を見つけるという点でも難しいですし、それから、人から人へ技術や芸術を伝えていくという難しさもあります。しかし、この分野はいずれも日本人が長年かけて育ててきた大事な文化でございますので、私は、後の世代にも残すというのは、現代に生きる我々の責任であるというふうに実は思っております。
 ただ、先生よくおわかりいただいていると思うのですが、そういう伝統工芸品というのは、大変稀少価値ではありますが、日常的に使われていない品物が多いということで、やはり事業として成り立つためには大変な努力が必要なわけです。それらのものはいずれも、趣味、嗜好の分野にも属することもありますし、奢侈品であることもありますし、日常生活に使われることが少ない分野になってきてしまっているわです。
 しかし、通産省としては、そういう伝統的な文化、芸術、技術というものを後の世代に残すというために、先生が指摘された点を含めて、今後とも私どもは努力させていただきたい、そのように思っております。

〇穀田分科員 そういう意味での法改正を求めて、質問を終わります。

〇谷津主査 これにて穀田恵二君の質疑は終了いたしました。