国会会議録

【第186通常国会】

衆議院・消費者問題特別委員会
(2014年4月10日)


○穀田委員 まず、私も、先物取引問題について一つ質問しておきたいと思います。

 問題は、株式などと比べてリスクが大きい。長年にわたって深刻な消費者被害が発生してきたことから、二〇一一年の法改正で、取引を望まない消費者に電話や訪問で勧誘することを禁じた。

 しかし、一方で、この先物勧誘の規制を緩和すべきだという動きはいろいろありました。安倍政権になって、昨年六月に閣議決定した規制改革実施計画で見直しを促したことで、経産省と農林水産省が今月の五日、規制を緩和する商品先物取引法施行規則の改正案を公表し、パブリックコメントの募集まで始めた。

 この点に関して、私は、消費者保護の観点からも重大な問題があり、先ほど、手続面とかよりよい制度などという話をしていましたけれども、問題は、きっぱり反対の意見表明をするべきだというふうに思いますが、再度、私の方からも質問しておきたいと思います。

○森国務大臣 私は、消費者被害が生じないという観点から、きっぱり意見を申し上げたいと思います。

 まず、協議の場を設けていただきまして、先般の法改正の経緯、そして、その後の消費者相談の件数がずっと下がっていること、これはやはり改正の効果であるという評価がございますので、そういったことをしっかりお示しをしてまいりたいと思っています。

○穀田委員 消費者委員会は、到底容認できないということで、反対の意見書を公表しています。多くの消費者団体からも驚きと怒りの声が上がっています。大体、そういうことでパブリックコメントの募集まで事態が進行していること自体が私は問題だと言わなければなりません。

 今後、今、きっぱりとありましたけれども、このような規制緩和は許してはならない。そういう意味では、消費者庁の役割が問われるということだけ言っておきたいと思います。

 そこで、今度は、消費税増税の問題について一言聞いておきたいと思うんですね。

 四月一日から消費税率が五%から八%に引き上げられました。森消費者担当大臣は、一日の朝、都内のスーパーの視察に行ったと報道されていますけれども、何を見に行ったんですか。

○森国務大臣 いつもスーパーには行っているんですが、あそこもよく行っているんです。何でかといったら、十一時まであいているので、働く母としては非常に便利でありまして、あした出さなきゃいけない幼稚園のお遊戯の布とか、そういったものが売ったりしております。

 そういったことで、いつも見ているスーパーの表示がどういうふうに変わったのか、そしてその表示をどのように工夫して表示されているのか、また、それにかかった準備等についても、事業者から、スーパーの方からお話を聞きました。

 消費者庁としては、消費税のこの四月一日からの引き上げに際しまして、二つ。

 一つは、消費税還元セールというもので、消費者が消費税を支払う部分を店の方で負担しますよ、そういうような還元セールが行われていないかどうかということのチェック。それからもう一つは、便乗値上げがないかどうかということのチェック。この二つを、担当しておりますので、その点も見てきたところでございます。

○穀田委員 夜まで行かれるというのはそれは結構なんですけれども、個人的な話を聞いているわけじゃなくて、朝行った話を聞いているんですけれどもね。今言った、店が負担しているかどうか、簡単に言うと、転嫁の問題を見に行っているということですわな。

 麻生太郎財務金融担当大臣は、四日の記者会見で、消費税率引き上げで円滑に進むか懸念されている中小零細企業における増税分の価格転嫁について、増税分がきちんと転嫁されるよう監視していくという方針を示したと報道されています。

 しかし、日本商工会議所が三月に中小企業約三千百社を対象に行った調査で、消費税率引き上げ分を転嫁できないと答えた企業は全体の約三割に上ると指摘しています。また、信金中央金庫が全国の信用金庫を通じて聞き取った調査によれば、三九・五%の中小企業が消費税の増税で売り上げが減少することを懸念しており、増税分を販売価格に全て反映できるというのは三社に一社という状態だそうです。こういう状態であります。

 それで、大臣にちょっと率直にお聞きしたいんだけれども、価格に転嫁できない、理由は何だと思いますか。

○森国務大臣 確認を最初にさせていただきたいんですが、私の答弁に対して、要するに転嫁の部分を見に行ったんですよねというふうにおっしゃられていましたけれども、そこは違いますので申し上げておきます。私は、消費者庁として、消費庁の役割は、還元セールの消費者に対する表示の部分、それから、便乗値上げで消費者に過大な不利益を与えていないかというところをしっかり見てまいりました。

 しかし、これがしっかり転嫁されているかどうかというところは、もちろんこれは政府全体としては重要な側面でございまして、担当の茂木大臣、稲田大臣のところで政府一体となって進めているところでございます。

 転嫁がどうしてされていないかということは、担当の大臣の方でしっかり取り組んでいる問題だとは思いますけれども、私、担当ではございませんが御答弁をさせていただきますとすると、これは、中小企業また弱小の下請に対するさまざまな取引上の優越的な地位等を利用して行われることに問題点が一つはあるというふうに思っております。

○穀田委員 それは一つで、いわば製造業における大企業だとかそういったところが下請に対してやっているという事実はもっとひどい実態がありまして、前回でも、消費税増税分をはなから計算しないで単価の切り捨てや維持ということをやられたというのは枚挙にいとまがありません。

 それで、還元セールをやっているかどうかという話でいえば、それは勝手にやっているということじゃなくて、消費税を身内でやっていて、転嫁していないということを事実上別の側面から見ているというような話にすぎないんですよ。

 問題は、何で転嫁でけへんかという話について言えば、それは下請との問題では、それは一つはあるでしょうけれども、小売業における問題などというのはもっと深刻なんですよ。中小零細企業にとってみますと、適正な転嫁転嫁というけれども、どんな現状か。

 私は京都に住んでいますけれども、京都でも喫茶店なんかに行きますと政治談義になりますよ。そこの中で、マスターは、ホットコーヒー四百円、今までも消費税を上乗せしてきてへん、今度八%になったからといって十円や二十円上げられるか、お客さんのポケットからの四百円なんや、それをしたら客も減るし、売り上げも落ちる、転嫁なんかでけへんと。

 要するに、売り上げが減る、客が来なくなる、結果として、商売、店が潰れるという心配からやっているんですよ。

 そういうことについて、何といいますか、担当大臣、要するに消費者の担当をしているということからしますと、私は、消費税の担当大臣かどうか、それはほかの人はどうか知らぬけれども、消費者の末端で起こっている事実について、また中小零細企業や、その苦労ということについて、やはり身を寄せなあかんでということを言っておきたいと思います。ちょっと、全然観点が違うなという感じがしました。

 次に、法案の問題について質問します。

 消費者安全法に関連して、消費者相談員の人員確保について聞きます。

 消費者安全法の改正は、高齢者を中心とした消費者被害や、迅速な対応のため、被害者により身近な都道府県、市町村における消費生活相談等の体制を整備しようというもので、それは私どもも評価したいと思うんです。

 ただ、現状は厳しいと言わざるを得ない。体制を整備するためには、消費者庁として、財政的支援を初め、本腰を入れていかなければならないと思います。

 本法案に対する調査室の参考資料によりますと、消費者庁の地方消費者行政の現況調査という資料が掲載されています。

 その中身によりますと、地方消費者行政の予算を見ると、一九九六年度には合計で百九十億円あったものが徐々に減っていき、二〇〇八年度には約半分の百億円、その後少し持ち直したものの、昨年度は百四十五億円と減っているのが現状です。

 だから、地方自治体における役割を強化しようと思えば、予算的にも改善する必要があると思うんだけれども、これはいかがかということが一つ。

 それからもう一つ、今の現況調査では、二〇一三年四月時点の相談員数は三千三百七十一人、うち四%が正規職員、七六%は非常勤職員、残り二〇%は委託となっています。

 相談、あっせんの効果の点でも、今回の改正案にある指定消費生活相談員の業務遂行の点でも、相談員に一定数の正規職員が必要と考えますけれども、大臣は正規職員四%という数字をどう認識しているのか。

 この二つ、答えてくれますか。

○森国務大臣 まず、予算の面でございますけれども、地方の消費者行政の財政的な支援をしますために、地方消費者行政活性化交付金を当初予算でつけるということを私になって初めてさせていただきました。そして、今年度は、昨年度の六倍にふやしまして、三十億円を当初でつけたところでございます。

 そして、さらにその中に、十分の十ということで、インセンティブをつけた、テーマを設けた予算をつけておりますので、これを見て、地方自治体が、十分の十であればやってみようということで取り組んで、地方における消費者行政の重要性を認識し、そして優先度が上がっていくということを期待しているところでございます。

 二点目の御質問の、消費生活相談員のうち、非常勤の占める割合が多いことは非常に憂慮をしておりまして、それに対する一つの方策として、今回提出した法案において、消費生活相談員の職及び任用要件を法律に位置づけて法的資格とすることによって、こういったことの改善につなげるようにと思っているところでございます。

○穀田委員 いつも大臣は、自分のときにこうやったというのを割とひけらかすんやけれども、さっき言いましたけれども、百九十億円あったものが百億円になっている。だから、そういう実態に対してやはり事実を見なくちゃならぬということだけは言っておきます。

 そこで、相談員の話ですけれども、相談員を対象としたアンケートでは、週三日の勤務では急ぐあっせんがうまく行えない場合もある、相談員は週に三日から四日と業務が限定されているため、あっせんを行う時間が足りないといった意見があります。

 そういうように、非常勤という勤務形態ゆえに、消費生活相談に十分に対応できない状況があります。だから、私は、一方では待遇、処遇ということでの面と、受ける、消費者側の相談をする側にとってみれば、その相談をする体制、それの強化という点からいっても極めてまずいという状況がある。

 したがって、それらを、さまざまな消費生活相談を行政の課題へと収れんしていく点からも、正規職員の率を明らかに僕はふやさなきゃならぬと。四%なんて、およそ、公的なそういういわば行政にかかわる、法律化していく上でも、私はふやさなくちゃならぬと思うんですね。

 そこで、非常勤の相談員のうち、正規職員としての雇用を望む方はどの程度いるか、把握しておられるでしょうか。

○山崎政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の、非常勤の消費生活相談員のうち常勤となることを望む割合の把握でございますが、これに関しましては、消費者庁の方ではそういう調査は実施してございません。

 なお、少し関連するものでございますが、二〇一三年十二月に、全国消費生活相談員協会、この協会の方で会員に対する実態調査を行ってございます。その中で相談員について働き方の希望を聞いておるわけですが、これは大体非常勤の職員が多いわけですけれども、回答者のうち五・五%の方が「その他」という欄で、この中には正規職員になりたいという方が入ってございますが、そういう数字が出ているというところでございます。

○穀田委員 私、現場の話をよく聞かなあかんと思うんですけれども、先ほどもありましたけれども、非正規、非常勤という勤務は大変なんですね。低賃金だ、それから社会保険の関係も非常に不十分だ。一方では雇いどめもある、先ほどありましたけれども。それから、私がさっき言いました京都などでも、あからさまなんですよ。ボーナスを支払わなくていいような形の勤務形態として働かせるという状態だということが、直接、多くの方々が言っていますよね。

 だから、多くの非正規雇用の方々は、安定した雇用、正規雇用を求めています。しかも、政府の白書でも、大体、今、非正規雇用の増大が今日の給与を大幅に減らした原因である、これを何とかせなあかんということを言っているぐらいなんですよ。だから、もっと率先してこのことについては当たらなあかんということは言っておきたいと思うんです。

 全国どこでも相談員に相談できる体制を確立するためには、小規模自治体に相談窓口等を設置していくことは重要です。

 相談員一人、週一日ないしは二日受け付けといった体制では、あっせんの実を上げることも難しいことは容易に想像できます。相談員の資質向上の点でも差しさわりがある。

 消費者行政の地方の体制について、最低基準を設けるという意見は以前よりありますけれども、消費者庁は一体全体、人口当たりでもいいですし、相談件数当たりでもよいですけれども、どの程度の数の相談員が必要だと考えてはりますか。ちょっと率直にお聞きしたいと思うんです。

○山崎政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のように、地域の消費者の安全、安心を確保するためには、何としても質の高い消費生活相談体制を全国的に整備する必要がある、この点は、私どももそういうふうに考えてございます。

 ただ、一体どれぐらいの数もしくは基準で定めるかということについては、現在のところ、一概にそういう示す基準は持っていないところでございます。

 実は、全国の自治体におきましては、まだ相談員そのものを置いていない空白の自治体が五百強ございます。こういったものについて、しっかり、まずはそこの底上げを図っていくということも必要でございますし、さらに、先生御指摘のように、その増員を図っていくという形でこれを後押しする形で、先ほど来大臣の方から申し上げておりますが、地方消費者行政活性化交付金を使いまして、強化作戦というものを今展開してございます。その中で、都道府県及び自治体においてこういう配置を強化していくということについて私どもも支援してまいりたい、こういうふうに考える次第でございます。

○穀田委員 人口が五万人未満の市町村というのは、大体、消費生活相談員を配置しない自治体が多くなっているんですね。今ありましたけれども、市町村の約三七%が消費生活相談員を配置できていないという現実があります。その意味で、今お話があったように、空白をなくすという意味は、打開しようという意味は確かにわかるんですね。

 そこで、その重要性なんですけれども、やはり、どの程度は全国的にいえばこれは必要だよねというのは、目標を定めていくという意味でも大事なんですね。

 大体、ちょっと古くなりますけれども、二〇〇八年の国民生活白書によれば、相談員の勤務人員が多い窓口と消費者相談の受け付け件数には正の相関が見られる、それから、「消費者被害にあった約三割の人が誰にも相談しないでいる状況を鑑み、仮に相談の受付が消費生活相談員の人数により制約を受けているとすれば、結果として潜在的な重要相談案件が消費生活センターに届いていない可能性がある。」と言っているぐらいですよね。

 だから、私は、今、相談の深刻化といいますか、それとあわせて、潜在化しているという現実、そこに沿った形できちんと相談員の重要性をよく見て、全国的にもこういう目標を持ってやろうじゃないかということを私どもは提起しておきたいと思います。

 次に、景品表示法について質問します。

 この法案というのが提出されたきっかけとなったのは、昨年発生した一流ホテルや百貨店、レストランでのメニュー等の食材虚偽表示問題でした。

 そもそも、このような外食メニューの偽装表示、虚偽表示が蔓延したのは、さきの食品表示一元化法審議でも議論になりましたように、消費者が利用する機会が多い中食、外食は、明確なルールと日常的な監視体制が用意されている食品表示法の規制の対象となっていないことに私は問題があると思います。だから、私は、本委員会で、外食産業も対象にすべきだと提起してきたところです。

 もう言うまでもありませんけれども、メニュー等の食材虚偽表示というのは、消費者の信頼を裏切ったばかりか、真面目にこつこつ料理に取り組んできた同業者への信頼を揺るがし、食材を提供してきた生産者の努力も踏みにじることになりました。

 昨年の本委員会での質疑を通じて、この問題の背景には、業界団体のリーダーシップをとるべき大手事業者のコンプライアンス意識の不足、社会的モラルの欠如があったことも明らかとなりました。

 大臣も、私の質問に対し、「個別に今、調査、立入検査をしているその内容を見ても、コンプライアンスの欠如や社会規範の遵守意識の欠如が見てとれます。ですので、私は、この問題の解決として、関係業界における適正化というものを徹底してまいる必要があるというふうに考えております。」と答えています。

 今日まで、何を、どのように徹底されましたか。

○森国務大臣 まず、事件が起きましてすぐにしたことは、過去の処分例をまとめて渡しました。これは、今まで消費者庁も研修等で使っておりましたけれども、さらにわかりやすくしたものを迅速にまとめて渡しました。

 その上で、ホテル、レストラン業界の代表者に大臣室に来ていただきまして、報告とともに、私の方で厳重注意を行ったところでございます。

 さらに、今回法案を出したわけでございますが、その中で、事業者に担当者を置く。これが、今御指摘のように、中食、外食でございますけれども、食品衛生法の方では責任者を定めて置くということになっておるんですが、表示のところで、いないんですね。

 なので、食品表示法というよりは、これは景品表示法の世界ですので、景表法の上で、役員を、一人責任者を決めていただく。そのことによって、周知徹底を社内にして、事件が起きたときも、誰がどこでやっているのかわからないといったことはなくすといったことを徹底してまいる等のことをしました。

 それから、ガイドラインも先般作成し、公表したところでございます。

○穀田委員 消費者それから健全な事業者の信頼を揺るがした今度の問題を踏まえて、消費者をして誤認させる不適切な表示を行い、不当な利益を得ようとする今回のような大手の事業者に対しては、厳正な対応をすべきだと思います。

 一方で、景品表示法は全事業者が対象となります。例えば、食品業界のように中小零細事業者が多い業種も存在します。このような実情を踏まえれば、事業者の規模、業種によっては、管理体制の整備や見直しが過度の負担とならないよう考慮する必要があることは言うまでもないと思います。

 もちろん、事業者が法令を遵守し、正しい表示を提供することは、消費者にとってメリットがあるばかりでなくて、事業者にとっても、自社の製品に対する商品選択性を高めることにつながります。

 しかしながら、本法の改正後の整備の仕方によっては、事業者に能力を超えた負担が課せられる可能性も考えられるため、わかりやすい説明会の開催や、事業者から行政への問い合わせの体制の整備など、事業者側にとって十分な準備ができる環境整備を図られる必要があると私は思います。

 本改正案における中小零細事業者への配慮規定について、どのように検討されているか、御報告いただきたいと思います。

○森国務大臣 委員おっしゃるとおり、一方で中小零細の事業者に対する配慮は必要であると思っております。

 中小企業者、個人事業者に対して過度の負担とならないように、先ほどの表示管理責任者におきましても、代表者みずからが担当者となることもできますよとか、中小事業者において取り組まれている優良事例等を指針の中に盛り込むなどしていきたいと思いますし、この指針の策定に際しては、事業者を初めさまざまな御意見を幅広く伺いながらつくってまいりたいというふうに思います。

○穀田委員 景品表示法改正案第七条では、繰り返される不当表示に対する事業者の管理体制の強化を図るとして、今あった事業者の表示等の管理上の措置を義務づけるとされて、この措置内容については指針で定めるとされていますよね。今あったように、広く消費者委員会の意見を聴取すると聞いているわけだけれども、どういうことを策定すべきかということを聞いておきたいんです。

 私は、百八十五国会におきまして、食品表示等問題参考人質疑があったときと、それから集中審議がありましたよね。その中で、食品表示の執行体制整備の大前提として、帳簿管理の必要性について提起したところであります。

 景品表示法改正案の事業者の講ずべき管理体制に関する指針については、納品書等の保存、管理による帳簿管理の徹底に係る義務づけなどを盛り込むべきじゃないかと思うんですが、それはいかがでしょうか。

○森国務大臣 指針の具体的内容については本法案の成立後に策定していきますが、そこで事業者等の意見もしっかり聞いていきたいと思います。

 御指摘の、納品書の保存、管理につきましては、事業者が表示を適正に管理するためにあり得る方法の一つと考えられますが、それが中小零細事業者にとって過度な負担とならないかといった観点も踏まえつつ検討する必要があると思います。

 御指摘の点も含め、今後、消費者団体、事業者団体等、各方面から意見を聞きながら、事業者自身が適切に対応をとって、違反の未然防止につながる内容としたいと思います。

○穀田委員 過度にというふうにならぬように、それはそうなんですよね。だけれども、お互いに納品書その他はもらっているわけですから、それ自身の管理という問題について言うならば、大丈夫だと私は思います。

 時間もそろそろ終わりにかかっていますので、私は、明らかに虚偽表示を行った場合については罰則規定を考える必要があるんじゃないかということの意見なんですね。

 これは、本景品表示法というのは、不当な表示に対する是正措置として、違反行為に対する差しとめや再発防止策の実施を命ずる措置命令がありまして、同措置命令違反の場合は罰則規定というたてつけになっています。

 今回の食品偽装表示問題の重大性を踏まえ、その再発防止のために同法の運用強化を図る観点からも、先ほど言いましたように、明らかに虚偽表示を行った場合は、同法に基づく直罰規定の必要性も含めて、厳正な対応、罰則強化についても検討をする必要があるんじゃないかというふうに思うんですが、いかがですか。

○森国務大臣 おっしゃるとおり、直罰規定になっておりませんで、措置命令に違反したときに打つというふうになっております。

 刑事罰というのは、違反行為に対して道義的、社会的非難を加えることを目的としておりますので、今回は、それとは別途、違反行為者のやり得を剥奪して消費者被害を未然に防止するというところに主眼を置きまして、課徴金制度について一年をかけて検討するというふうになっております。

 刑事罰については、直罰まで科すということは、現在のところは考えておりません。

○穀田委員 一言だけ。

 私は、ガイドラインとかその他だけでは不十分で、だって実際の、例の、先ほど言いましたけれども、牛脂注入の加工肉をステーキと表示してはならないという、従来からの景表法のガイドラインにも書かれたわけですよね。

 そういう点から横行していたという現実から見ましても、私は、効果がある措置を検討する必要があるということを改めて言って、終わります。