国会会議録

【第174通常国会】

衆議院・国土交通委員会
(2010年3月23日)


○穀田委員 近年、地方自治体が主体で進める補助事業や単独事業は、地方財政困窮のもとで激減する一方で、国直轄事業はほぼ横ばいであります。その結果、地方財政支出における直轄負担金の割合は増大し、地方財政圧迫の要因となっております。直轄事業負担金制度は、こうした地方の財政状況や事業の必要性にかかわりなく、国が地方に一方的に負担を求めることとなりやすい仕組みになっていまして、見直すべきだと考えます。

 本法案は、国直轄事業負担金制度を全廃する第一歩として、新設、改築を除く維持管理に係る地方負担金を二〇一一年度までに全廃するというものです。国はこれまで、地方が行う新設、改築などの事業については国庫補助の対象としてきたが、地方が行う維持管理は国庫補助事業の対象にしていない。ところが、国直轄事業の維持管理には地方に一部負担させている。これは一方的な仕組みだと言わざるを得ません。

 したがって、直轄事業の維持管理費は、本来の管理者である国の全額負担とし、地方負担金を廃止することは当然である、以上が私どもの本法案についての態度であるということを最初に述べておきたいと思います。

 そこで、きょうは、新政権が理念として掲げているコンクリートから人への公共事業政策の転換をどう進めていくのか、維持管理の面で具体的な議論をしたいと思います。

 私は、昨年二月に予算委員会で、道路橋の維持補修状況について質問しました。リーマン・ショック直後で、外需頼みでなく、内需拡大の政策が求められていました。大型開発事業よりも小規模事業、工事の方が雇用効果は大きくて、不況にあえいでいる地域の中小企業の仕事興し、地域の雇用拡大になることを私は示しました。そして、住民の命、安全、暮らしに密着した小規模公共事業への思い切った予算の投入が必要だと指摘したところであります。そして、社会インフラの老朽化の実態は待ったなしのところまで来ており、維持補修の重要性を強調しました。

 きょうは、まず大臣に確認します。

 これまでの自民党政治のもとでの社会資本整備は、新たな高速道路をつくる、ダムをつくる、空港や港湾をつくるといった新規建設、開発が中心でありました。公共事業予算も新設、改築の事業を中心につけられてきました。しかし、人口減や少子化、財政難という社会経済情勢の変化とも相まって、社会資本整備もある程度まで充足しているもとで、新規建設、開発を中心とした公共事業政策は転換すべき時期に来ていると考えます。

 充足した社会資本のストックを活用した事業への転換、とりわけ社会資本の老朽化などに対応した維持補修を中心とする公共事業政策への転換が求められていると思いますが、その点の認識を伺います。

○前原国務大臣 穀田委員にお答えをいたします。

 私は常に、日本には三つの制約要因がある、人口減少、少子高齢化、そして莫大な財政赤字、その中にあって予算の使い道を変えていくことが鳩山政権の大きな目的であり、そして、コンクリートから人へという流れで予算の使われ方も変えていかなくてはいけないということを申し上げてまいりました。つまりは、公共事業を総花的にやってきた今までの政策から転換をして、教育あるいは社会保障、こういったものにより重点的に予算を使った、予算の組み替えというものを行っていかなくてはいけないということを申し上げてきたわけでございます。

 特に、空港、そして港湾、道路、あるいは整備新幹線も入れてもいいのかもしれませんが、さまざまな地域の要望にできるだけこたえようとしてきたということで、新設が主になされてまいりましたけれども、地方空港しかりで、当初の需要予測とは全くかけ離れた需要になってしまっているところも多々あるわけでございますし、港湾についてもそういったことが言えるのではないかと思います。

 そういう意味で、我々としては、選択と集中ということを公共事業の中に取り入れまして、真に必要な公共事業は新規も行っていくけれども、基本的には継続事業、そして、委員の御指摘のあった維持、管理、修繕、こういったところにこれからより重きを置いていく、こういった公共事業政策を推進してまいりたいと考えております。

○穀田委員 そこで、維持補修の取り組み状況について聞きます。

 先ほども若干議論がありましたけれども、私は昨年指摘したんですが、長寿命化修繕計画の進捗状況はどうなっているか。とりわけ、おくれていた市町村はどれだけ計画策定を行い、そのための点検活動が進んだのか。結局、いつまでにこれを完了するかという、その展望と見込みをお話しいただきたいと思います。

○前原国務大臣 長寿命化修繕計画でございますけれども、これは、先ほど三ッ矢委員にも答弁をさせていただきましたけれども、我が国の道路は高度成長期に集中的に整備されたため、建設後五十年を経過する橋梁が……(穀田委員「そこはわかっているんです、さっき聞きましたから」と呼ぶ)はい。要は、五十年を経過するものが急増するということでございます。

 計画の策定状況でございますが、計画策定自治体数は、平成二十年の四月時点では七十八、現在では百二十二ということで、四十四ふえている。うち都道府県は三十一から三十九にふえ、市町村では四十七から八十三にふえておりまして、計画策定橋梁数は、平成二十年の四月の時点では一万四千六百五十一、これは全体の一一%でございましたけれども、現在においては三万二千六百八十八、全体の二四%になっているということでございます。

○穀田委員 先ほども、その経過は、せっかく答弁なさっていましたから、そこはわかっているんですが、今、私、皆さんのお手元に長寿命化計画策定状況という資料をお渡ししています。

 そこで、先ほどは、少し進んでいて五%とありましたけれども、一枚目のところ、団体数ベースでいえば市町村が四%、さらには橋梁ベースでも四%にすぎない。もうちょっと進んでいることを期待しているけれども、問題は、一〇〇%やろうと思ったらどうなるかということでありまして、年間三百以上の自治体が計画策定しないといけない。したがって、年間で、一気に四倍から五倍のペースで進めないといけなくなります。

 先ほども大臣は答弁の際にもお話がありましたが、なぜ進まないかという理由のことなんですが、それと関連して一言申し上げたいと思います。

 総務省の行政評価局からも勧告を受けていまして、自治体側の計画策定、点検が進まない理由は、やはり、予算がないなど、以前に私が指摘したことが解消されていないということが明らかであります。毎日新聞は、「公共事業はどこへ」という特集記事を載せていまして、財政的に実施困難とする理由には、「公共事業予算が減る中、新設より効果が見えにくい維持補修は国の補助も少なく、予算が付かない」という実態があると指摘しています。

 そこで、きょう聞きたいのは、一橋当たり補助金というのは一体全体幾らなのかということをお聞きします。

○長安大臣政務官 お答え申し上げます。

 まず、点検の費用でございますけれども、例えば平成二十一年度当初予算で申し上げますと、総額で二十四億五千五百万円、対象橋梁数が一万二千二百でございます。これは、単純に割り込みますと、一橋当たりの費用は二十万一千円でございます。この二分の一相当を国費により補助するということとなっております。

○穀田委員 つまり、一つの橋当たり十万だということなんですよね。十万で何ができるかというのにみんなが思いをいたさないとならない。つまり、私が言っているのは、額の総額はいろいろ言うんだが、実際の、橋を直したり点検をしようとすると、たった十万円だということなんです。それではなかなか進まぬだろうということですよね。

 ですから、提起したいのは、五年間に一回も点検すらしていない自治体が八割あるわけですね。そのことを昨年指摘して、それが出ているのが資料の一の二枚目であります。今年度は計画策定のための点検に補助費をつけた。それでもなかなか進まない。点検して、問題があれば修繕、補修、あるいは更新しなければならないが、当然それも進まず、放置されているのが現状であります。

 理由はもう一つあって、現実的実施困難という財政の問題に加えて、専門的知見が不足しているためだ。これも実は同じ毎日新聞も指摘しているところであります。また、大臣もそうおっしゃっています。さきの毎日新聞は、次のような声を紹介しております。橋の点検業務を受注したコンサル会社の担当者は、「本来は橋の点検方法や状況が関心の中心のはずなのに、自治体の職員は技術的に理解できていないから書類の形式の話でお茶を濁す。点検をしたとしても、職員が橋の上を歩いて目視で路面を観察しているだけで、橋脚などはほとんど見ていない」、こう指摘しています。

 そこで、その後にこういう点があるので重要だなと私は思ったんです。さらに、道路法では政令で維持補修の技術的基準を定めると明記しているが、いまだに政令がないままだと述べています。維持補修、修繕については新設にあるような技術的基準もない。この事態は改善すべきではないのか、検討を求めたいと思います。

○長安大臣政務官 委員御指摘の道路の維持管理ということにつきましては、国、都道府県、市町村、それぞれの管理者が、個々の道路の構造、自動車や歩行者の交通の状況、地形、気象、沿道の状況、こういったものを勘案して実施をしておるところでございます。

 各管理者が維持管理を行う際の技術的なガイドラインにつきましては、学識経験者また道路管理者等の知見を取りまとめて、国として提供もさせていただいております。例えば、平成十六年には、橋梁定期点検要領案であったり、橋梁における第三者被害予防措置要領、コンクリートの塩害に関する特定点検要領など、こういったものを提供させていただいておるところでございます。

 御指摘の、政令で定める、これは道路法の四十二条第二項のことを御指摘だと思いますけれども、これにつきましては、現時点で未制定でございます。

 先ほど、新設のものについては規定があるじゃないかと。多分、道路構造令のことを御指摘されているんだと思います。今般、義務づけ、枠づけの廃止、地方分権という流れの中で、道路構造令につきましても大半を、よほど安全にかかわる部分以外は地方に移譲しようということで進めております。そういう中にあって、維持管理についての政令というものにつきましても、地域主権改革の流れも踏まえながら、政令で定めるべき事項について、引き続き検討してまいりたいと考えております。

○穀田委員 国直轄の問題や、それからガイドラインについては知っています。ただ、今言ったように、実際は新設中心のままという現実があるということを指摘しているわけで、今、検討すると言っていましたので、きちんとやっていただきたいと思うんです。私が言っているのは、予算も、それから技術もあわせて、中心はそこに置くという哲学が今必要じゃないかと言っているということを御理解いただきたいと思うんです。

 次に、社会資本整備総合交付金について聞きます。

 これは、地方が自由に使えるというふれ込みですが、維持補修に使えるのか。これまでの補助金と同様に、新設、改築が中心で、修繕に少しだけ使えるという感じのものだと私は思っているんですね。長寿命化修繕計画策定や点検事業、その結果を受けての補修、修繕、更新など、一連の長寿命化の取り組みに使えるようにしてこそ意味があると思うんです。新設中心から維持補修中心に切りかえる姿勢を示すためにも重要です。

 あわせて、三位一体の「改革」に伴う補助金改革で採択基準が引き上げられることによって、大きな事業しか使えなくなったという現実があります。したがって、小さい工事でも使える、維持補修にも使えるようにすべきだ。その二つの点についての見解を大臣にお聞きしたいと思います。

○前原国務大臣 国が地方公共団体に助成を行う事業の範囲については、国と地方の適切な役割分担を踏まえて個別に定められてきたものでありまして、今回の交付金化に伴って、この国と地方の役割分担が変更されることにはなりません。しかし、新交付金の制度では、計画の目標達成のため、基幹となる事業とあわせて一体的に行う必要のある事業であれば、これまで補助対象外であった修繕事業も含めて行うことが可能になります。

 なお、維持管理に要する費用につきましては、国と地方の役割分担から、道路法や河川法等により管理主体が負担することとされており、従来と同様に地方公共団体で御負担いただくことになります。

○穀田委員 そこが問題でして、つまり補修、改修という事業は、先ほど述べたように、金の方でいうと、例えば橋だって十万円しか出さないぐらい、それがいいか悪いかは別として、全体に小さい工事なんですよ。それが採択基準を引き上げるということは、国がやった指導なんですよ。だから、そこを下げなきゃ、実際には地方自治体が幾ら主体者となってやるといったってできやしないよということを言っているわけですよ。そこをよく考えてもらわないと、言っている話とつくった答弁と少し違うと思うので、そこは考えていただきたい。そうしないと現実の話としては進まないよということは言っておきたいと思うんです。それは多分、前原さんはおわかりかと思うので、まあ、それはいいですよね。

 そういうことを理解していただいたということを踏まえて、次は、車両管理業務の問題について聞きます。

 大臣は、今議論しましたように、維持管理、維持補修が重要だということは既にお認めになっています。それを進める上で、マンパワーが重要な役割を果たしていることは言うまでもありません。車両管理業務従事者は簡単に言えば点検、パトロールなどに従事する運転手ですが、重要な役割を果たしている。それについて質問します。

 これも、私は昨年、当委員会で取り上げました。国交省や出先機関が発注する車両管理業務で低入札調査対象の入札が相次ぎ、運転手の賃金が生活保護基準以下になっている実態を指摘しました。入札に関して、公正取引委員会から官製談合が指摘され、入札適正化の取り組みが新政権のもとでも点検、検討されてきました。

 談合などあるまじき行為は徹底して是正すべきだということは言うまでもありません。しかし同時に、低価格競争の行き過ぎによるダンピングが横行すれば、公共サービスにおいても質の低下が懸念され、国民に不利益を与える結果を招きかねません。したがって、ダンピングも厳しくチェックをする必要があります。

 大臣にお聞きします。

 地方の工事事務所などが発注する車両管理業務の多くは、先ほどから指摘する維持管理、点検のための業務や、自然災害に対応するために必要不可欠な業務であって、その技術、技能など品質の維持向上が図られるべきだと考えますが、その点は当然ですよね。

○前原国務大臣 まず、車両管理業務については、委員御承知だと思いますけれども、昭和五十八年の閣議決定によりまして、技能労務職員等が携わっている事務事業については、民間委託等の合理化措置を積極的に講ずることとし、これらの職員の採用は、公務遂行上真に必要な場合を除き、昭和五十九年度以降行わないものとする、こういう閣議決定によって今があるということは御承知のとおりでございます。

 他方で、今委員が御指摘をされたように、車両管理業務の運転手である車両管理員については、安全、円滑な運行に関する知識、運行区域に係る道路状況など、さまざまな知識、技術等が必要であり、事業者においては、車両管理員の知識、技術等の維持向上が図られるように、研修会の実施など適切な措置が講じられる必要があると考えております。

○穀田委員 そこで、昨年度実施した一般競争入札で、多くのベテランが賃金引き下げなどで生活できないと退職を余儀なくされました。その結果、どういう事態が生まれたか。

 発注者である国交省の入札要項には、今皆さんに資料としてお配りしているもの、資料二でありますが、新たに、一年以上の経験者などの要件が加わった。なぜか。それは、見ていただくとわかるんですが、主要な支障事例ということで、これはホームページに出ているんですけれども、「地理不案内による目的地の間違え、到着の遅れ、」さらに、今技能という話がありましたけれども、「技能経験不足等による急ハンドル・急ブレーキ、脇見運転等の危険運転」、それから「技能経験不足等による赤信号無視、道路の逆走等の交通ルールの無視」と、何が知識なのかということになるぐらい、ちょっと、知識以前の問題があるわけでしょう。こういう問題を指摘せざるを得ない。

 こんな事態が生まれているということについて、どうお考えですか。

○前原国務大臣 こういったことは、委員が資料で示しておられるように、一般競争入札導入後ということでありまして、これは平成二十一年度発注から全面的に一般競争入札を導入しているわけであります。こういった、今委員が御指摘をされた問題点が起きているということは承知をしております。

 このため、国土交通省としては、車両管理業務について品質確保対策を講じることが必要であると考えておりまして、平成二十二年度の発注から、車両管理員の資格要件として、おおむね一年程度、自動車の運転を業務として行っていた実務経験を義務づけるとともに、事業者において、車両管理員等に対する適切な教育を行うように求めることといたしたところでございます。

○穀田委員 それは先ほど私が言ったように、一年以上の経験者などの要件が加わったという話なんですよ。それは最初の方で言っているので、「車両管理業務における品質確保対策について」という指示の文書に書いてあるとおりですよね。それなんだけれども、問題は、そういうことをやらざるを得なかったことは何でか、そういうことが起こっている事態を指摘しているわけですよ。

 予定価格というのは、大体一台当たり四十二万円なんですね。六〇%が低入札基準だけれども、入札価格はそれ以下になっていまして、二十四万から二十五万、中には四四%というのもありまして、十八から十九万です。ここから管理費や燃料代を引いて、運転手の賃金は一日七千円で十四日間というのもあるんですね。これだと、月収が何と九万八千円なんですよね。当然これでは契約社員、非正規雇用だ。これで生活できると思いますか。

 それだけじゃないんですよ。実は、この管理業務というのは、御承知のとおり、先ほど最初に確認したように、台風や地震、大雪などの自然災害に備えて、一たび気象が荒れれば命がけで車を運転しなきゃならない。こうした待遇で命を張ることができるか。どう思いますか。

○前原国務大臣 委員御指摘のとおり、一般競争入札が導入されたことによりまして、平成二十一年度発注においては入札参加者が約四倍になっています。平成二十年が三十九者、そして平成二十一年が百五十者ということで、四倍増になっている。平均落札率が約三割低下をしているということで、平成二十年が平均落札率が九三%でありましたのが、平成二十一年は六二%、こういう状況になっております。

 賃金等、事業者の雇用に関する問題につきましては、事業者において関連法令の規定等に基づき決定される事項でございますので、発注者が直接介入することは困難な面がございます。発注者の立場からは、先般取りまとめた災害時における履行体制の確保を含む品質確保対策を実施していくとともに、低入札調査の対象案件について履行体制の確認等を厳正に行うなど、適切な対応を図ってまいりたいと考えております。

○穀田委員 前原さん、私は、その答弁じゃ現実をよく見ていないと思うんですよ。

 だって、四倍になったとか三割低下したって、それは数字の話であって、では実際に働いている人の賃金はどうなっているか。介入で関与できない、そんなことはないですよ。そういう九万八千円程度で命かけろなんということを言えるのかということを言っているんですよ、私は。それはあかん、そんなことをやっておったんじゃ。そういう官僚がつくっている答弁で、実際に入札がふえたと。その入札がふえた会社はどうなったと思いますか。次のときは全部やめていますよ。そういう会社も出ているんですよね。できへんからや、こんなこと。だから、それぐらいひどいという事実をやはり前原さんは見ていただく必要があろうかと思って私は提起したわけですよ。

 小泉構造改革のもとで広がったのは、貧困と格差ですよね。年収二百万円以下のワーキングプアというのをつくったのは、派遣などでの非正規雇用の拡大でこれが生まれた。この車両管理業務も、官製ワーキングプアにほかならないわけですよね。だから、国が率先してそういうのをつくっていいのかということなわけですよ。

 私は、ここの点、ではどうしたらいいか。やはり、必要な業務ならば直接運転手を雇用したらいい。そして、公務員として雇えば何の矛盾もないし、もともと日本は、イギリスやアメリカ、フランス、ドイツに比べ、国民一人当たりの公務員は一番少ないわけですから、私はそこを改善すべきだと率直に思います。

 直接雇用までは時間がかかるというんだったら、郵政だって、亀井大臣は、直接雇用にすべきであるということで大胆な方針を、我々の問題提起に従ってこたえているわけですよね。だから、そういう現実、末端のところは関与できないじゃなくて、末端で起こる事態について目を向けるかどうかということを私は言っている。

 したがって、少なくとも生活できる賃金、労働条件を保障するということは大事じゃないかと思うんです。公共工事の品質確保のためには、今話がちょっと出ましたけれども、下請労働者の適正な賃金を確保する、これは一連の、民主党が公契約法的な法案を準備しているわけですけれども、これもこの車両管理業務に適用したらいい。

 ですから、このまま放置できないという現実を私は提起したつもりであります。その点での何らかの改善策を検討すべきじゃないかと思うんですが、いかがですか。

○前原国務大臣 そこはやはり、共産党さんと我々の立場の違いだと思います。つまりは、公務員としてやるべきことはやったらいいじゃないかというのが穀田委員の御趣旨だと思いますが、我々は、民間でできることは民間でやってもらうということで、委託、そして民間で選ぶときは競争性を高めた入札を行うということで、今後も一般競争入札というのは続けていきたいと思っております。

 ただし、今御指摘があったような問題点については、真剣にその対応策は考える必要があると思います。落札率が大幅に低下しているという実態があるということとか、そのことによって契約内容の適切な履行が図られるのかどうなのか、こういった点がございますので、今後、低入札調査の対象案件については履行体制の確認等を厳正に行って、適切な対応を図っていきたいと考えております。

○穀田委員 終わりますけれども、そこで、一つだけ最後に、そこまで言うと余り前の政権と変わらへんのやわ、そこぐらいだったら。適正な入札の問題を見るというだけではだめで、問題は、末端の働いている人、確かに公務員として雇うかどうかについて意見が違うのははっきりしているんです。私は、そうだとしても、せめて賃金はちゃんとしろと言っているんですよ。

 最後に言っておきたいのは、民主党が議員立法を提出し、全会派の賛同を得て成立した公共サービス基本法では、公共サービスの発注者に、「安全かつ良質な公共サービスが適正かつ確実に実施されるようにするため、公共サービスの実施に従事する者の適正な労働条件の確保その他の労働環境の整備に関し必要な施策を講ずるよう努めるものとする。」と定めているんですよね。これの実施が求められているわけです。

 大体、物品の購入と役務というのを同じ入札のカテゴリーで行うということ自体、私は問題だと思うんです。だから、それは単なる価格だけじゃなくて、総合的評価方式に改めることが最低限必要です。現に、車両管理業務を請け負う団体の社団法人日本自家用自動車管理業協会も、その点の要望書を提出しています。ですから、それらの二つのことを指摘して、質問を終わります。