国会会議録

【第164通常国会】

衆議院・国土交通委員会
(2006年6月14日)

 シンドラーエレベーター事故とバリアフリー新法の質疑

○林委員長 穀田恵二君。

○穀田委員 きょうは、まず最初に、エレベーター事故の問題について聞きます。

 高層住宅やオフィスビルに住み、働く人々にとって、エレベーターは欠かせませんし、その安全は大前提です。高齢者、障害者など移動制約者にとってはなおさらです。エレベーターの安全を抜きにしたバリアフリー化はあり得ない、私はそう考えます。バリアフリー化を促進しようとするこの法案においても、今回の港区のマンションエレベーター死亡事故の持つ重大性ははかり知れないと言っていいと思います。

 きょうは、行政の責任について検証したいと考えます。

 エレベーターは建築設備の一部ということで、建築基準法の建築確認や完了検査の対象となっています。確認しますが、事故を起こした港区のシティハイツ竹芝のエレベーターはだれが建築確認し、だれが完了検査したのか。

 もう一点、建築基準法から見て、東京都、港区、公社、メーカーのシンドラー社、保守会社のSECのそれぞれの責任はどのように考えられるのか、お答えいただきたいと思います。

○山本政府参考人 事故のありましたエレベーターは、港区の公共住宅に設置されたものでありまして、平成九年五月六日に建築主である港区より計画通知があったものを東京都が確認し、平成十年三月二十三日に東京都が完了検査を行ったものであります。

 東京都より当該エレベーターについて計画通知や完了検査において問題点は認められなかったという報告を受けておりますが、事故原因については、現在、警察においても調査中であります。関係者の責任については、原因究明を徹底的に行った上で、その結果を待って判断されるべきものと考えております。

○穀田委員 建築設備であるエレベーターも、建築確認し、そして完了検査もきちんとやって、安全であるということを確保しなければなりません。そして、今回の事故は、港区と東京都が確認し、完了検査済証を出しているわけです。だから、当然これは、行政がこのエレベーターは安全ですよとお墨つきを与えていたわけです。だから、もちろん原因究明の、原因の調査を含めた結果を待たなければなりませんが、管理という点からも、行政の責任は免れないことははっきりしていると言わねばなりません。

 そこで、なぜ事故は防げなかったのか。この間の事故の教訓を生かして必要な手だてを講じていれば、今回の事故は防げたのではないか。したがって、行政の責任はこの意味でも大きいと言わざるを得ません。

 二年前、同じ港区の六本木ヒルズで自動回転ドアの事故がありました。この事故を受け、国交省は、自動回転ドア事故防止対策に関する検討会を開いています。自動回転ドアの事故防止対策に関するガイドラインを作成するなどしてきています。あわせて、検討会報告書を出しています。そこでは、回転ドア以外の建築物等で生じている事故の情報等を収集し、事故防止対策に役立てていくために、地方公共団体等から、中略しますが、事故情報を収集し、事故防止対策に反映していく体制、方法等や利用者への情報提供などを検討すべきだと提言してます。

 ヒヤリ・ハットなど事故情報の収集、活用は、この間の運輸安全の議論でもはっきりしています。国交省として、事故以後、回転ドア以外のエレベーターなど建築設備についての安全対策をどのように進めてきたのか、お答えいただきたい。

○山本政府参考人 エレベーターなどの建築設備におきまして、冷やりとしたり、はっとしたりした情報や、比較的軽度な負傷事故なども含めた情報を収集いたしまして、その分析を通じ重大事故の発生防止策を検討することや、事故の内容、原因、対策などについて関係機関が情報を共有するとともに、広く国民に周知し注意喚起を行うことは、極めて重要と認識しているところでございます。

 国土交通省では、六本木ヒルズの回転ドアの事故などを受けまして、地方公共団体の建築担当部局における消防機関などとの連絡体制整備などを要請し、事故情報の報告、提供を求める体制を整備するとともに、社会資本整備審議会に建築物等事故・災害対策部会を設置し、担当官も設置いたしまして対策を講じてきたところでございます。

 また、これらに加え、現在、建築物における事故情報を広く収集し、国民や設計者などに提供するインターネットを活用したシステムの整備の検討などの取り組みも進めてきているところでございます。

 今後、審議会のこの部会におきまして、今回の事故に関する情報共有などの経緯や、これまでの事故情報の収集、活用などに係る検討状況なども含めて審議をいただき、公共団体などの関係機関との事故情報の共有体制の充実に努めてまいる考えでございます。

○穀田委員 今の答弁にもありました、ヒヤリ・ハット、軽度、これの収集が大事だ、それから、共有することが大事だと。この二つは基本中の基本なんですね。ところが、今回の公社についても、港区についても、共有もなければヒヤリ・ハットの収集も定かでない。そういう点では、この点での責任は既に明らかだということを指摘しておきたいと思うんです。

 二〇〇五年三月の国交省の通知では、回転ドアの事故等の教訓を踏まえということで、地域の建築物に係る、今ありました危険情報の共有化を図ることが有効かつ必要であると言っている。あわせて、管内特定行政庁に対してもこの旨の周知をお願いしますと、事故情報の把握だけじゃなくて共有化なんですね、消防との連携、事故情報に対する対応などが示されているんです。

 問題は、今、そういう話が、るるありましたけれども、ほんまに機能したかという問題なんですね。特定行政庁がその体制なり制度を具体化し、実施したのかということが問題です。

 この通知以後、特定行政庁がどのような対策をとってきたのか、国土交通省は把握していますか。

○山本政府参考人 御指摘いただきました平成十七年三月の通知以降、この通知を受けまして、例えば岩手県、愛知県、鹿児島県といった特定行政庁におきまして、実際に消防機関等との連絡協議会などを設置し、地域の建築物等に係る危険情報の共有化などを図ることとしておりますほか、東京都それから大阪府におきまして、関係条例を整備いたしまして、事故発生時の報告などが速やかに行われるよう措置しているところでございます。

 なお、通知に基づく連携体制の強化などによりまして、例えば平成十七年度におきましては、六月に発生いたしました名古屋市内のエレベーター事故、それから七月に発生いたしました港区内の解体中のビルにおける外壁崩落事故などの情報について、事故発生後速やかに特定行政庁からの報告がなされております。

○穀田委員 などと言っていて、それぐらいしか実際はないんですけれども、何か、いつも、などと言ってようけあるように見せているけれども、それだけしかないということを言わなあきませんで。だまされたらあきまへんで、ほんまに、皆さん、それだけしかないのやから。じゃ、港区はどうしたのかと聞きたい。

○山本政府参考人 先ほど東京都が条例などを整備したということを申し上げましたが、東京都港区においては、六本木ヒルズの事故を受けて、特に独自の対策を講じたということは聞いておりません。

○穀田委員 ということなんですよね。しかも、先ほど、事故がもう一回あるんですよね。

 連続しているにもかかわらず、肝心かなめの当事者のところは、条例化はもちろん、他の対策すらとっていない。公社からのふぐあいの報告も受けず、そして、住民の声を直接聞いても手を打たなかった。全くとんでもない安全軽視が行われていたということだけは確かだと。

 通知を出しながら、その後の追跡、確認というのが、その意味では、先ほどの数値にありますように、岩手、愛知、鹿児島、これはこれだけですわな、都もありますけれども。だから、自治体が本腰を入れていない。その間に、途中に今度の耐震偽装問題などあったりして、大変だとは思うんですよ。でも、国交省の指導が不十分だということははっきりしている。事は命、安全にかかわる問題なわけですから、行政の根幹にかかわることとして実効あらしめるように改善する必要があると思います。

 そこで、エレベーターに関しては、昇降機の維持及び運行の管理に関する指針、これが日本建築設備・昇降機センターから出されています。事故に関しては、特定行政庁への報告も入っているし、人身事故に限定されている点は、今問題となっている閉じ込め、それからふぐあいにも広げる必要があると思います。

 昨日、この国土交通委員会として関係者の意見聴取を行いました。保守点検の問題をめぐっての議論の中で明らかになったことがあります。それは、保守会社がかわるたびに事故やふぐあいの情報が引き継がれていないという問題点がきのう明らかになった。それから、メーカーが部品、機器の情報を保守会社に教えないという問題など、不備が明らかになりました。こういう改善が必要だ。

 したがって、これらを加えて改善するなど、今述べた点などを、大臣、法令化すべきではないでしょうか。

○北側国務大臣 昨日は、ありがとうございました。私も報告を聞いております。

 参加された委員の方々と、シンドラー社、また保守点検会社、また港区、公社等との間でやりとりがあった内容についてもお聞きをしているところでございまして、今回の事故を通して、やはり改善をしなければいけないところが多々あると私も思っているところでございます。

 今回の事故の原因につきましては現在調査中でございますが、事故情報を正確にしっかりと収集させていただいて、今委員のおっしゃった保守点検のあり方も含めた再発防止策につきまして、検討をさせていただきたいというふうに考えております。

○穀田委員 改善すべきことについて言えば、確かに、最後、事故の原因、遠因、全部明らかになってからという問題はあります。でも、私自身がきのう質問して討論する中でわかったことは最低限これぐらいあると。しかも、この指針などに見られるような実態では、人身事故しかない。それから、国交省がやっている点でいいますと、ヒヤリ・ハット、それから事故の情報の共有、この二つがありますから、私は、この点は、とても、すぐでも改善できることだし着手していただきたいと思っています。

 事故原因その他につきましては、機械そのものに欠陥がある場合、それから保守点検の不備に関する問題、同時に、行き過ぎた安売りやコスト削減の競争、入札のあり方など、事故につながった遠因等について検討、解明すべき点があると考えます。私は、国交省の調査もこれから明らかになることから、閉会中を含めた審査を改めて要求したいと思っています。

 委員長に御検討を要求します。

○林委員長 理事会にて協議いたします。

○穀田委員 次に、バリアフリー法案について質問します。

 法案は、施行後五年を経過した交通バリアフリー法を見直し、ハートビル法と統合して、高齢者や障害者の日常生活、社会生活のため円滑な移動と利用を確保することを目的としています。

 今回の見直しでは、法制定の際に問題になって、私どもも指摘し、修正案などを出した点などについて、一定の改善が図られています。例えば、対象者を身体障害者だけでなくすべての障害者に拡大した点や、当事者参加を明記した協議会制度の導入などがあります。しかし、だれもが自由に安全に移動できる環境整備を進めるために、さらに改善が必要な課題もあります。こうした点について、きょうは残り時間でただしていきたいと思います。

 私どもの基本的見地について一言しますと、目的に、やはり高齢者、障害者等が自由かつ安全に移動することが基本的な権利であるという理念を明記すべきだと考えています。また、高齢者、障害者の定義の中で、さらに「身体の機能上の制限を受けるもの」との文言については改善すべきであると考えています。

 それを踏まえた上で、まず第一番目に、住民参加の意義について議論したいと考えます。

 バリアフリー法、きょうの新法の審議に聴覚障害者が傍聴に来ておられます。このような委員会の審議を聞くためには、手話通訳の方がよい方もおられます。ただし、手話を自由に使える方は聴覚障害者の二割にすぎないとも言われています。となれば、要約筆記の体制も必要となります。それでこそ、参加と参画が保障されます。

 新バリアフリー法の審議に当たり、まさに審議のバリアを取り除くこと、要約筆記についても公費の支援体制を私は朝の理事会で要望し、さらに議運理事会についても要望したところです。委員会としても、実現を図るための努力を図ろうではないかということを呼びかけたいと思っています。

 この点は、実は、自立支援法でも手話と要約筆記については同等に扱われており、費用負担について、厚労副大臣は、公的な会合について、必要とする場合、主催する公的機関が負担することが望ましいということで、ことしの参議院予算委員会で答えておられます。

 私は、バリアフリー法案の当事者の参加を保障する意味でも必要ではないか、したがって、隗より始めよということで、この衆議院から始めていこうじゃないかということを、改めて委員長に提起しておきたいと思っています。

○林委員長 はい。

○穀田委員 では次に、昨日、参考人質疑で、兵庫県の阪急伊丹駅がバリアフリーのすぐれた見本であることがこもごも述べられました。この伊丹駅の復興に当たって、交通エコロジー・モビリティ財団のアメニティターミナル整備事業が適用されることになって、阪急伊丹駅アメニティターミナル整備検討委員会が設立され、このメンバーに高齢者、障害者団体の代表が参加したことによって、阪急電鉄のホームページによりますと、現在でもバリアフリーのモデル駅として全国的に高い評価を受けていると書いています。

 私も現地に行ってきました。ビル内の一切の段差をなくし、エレベーターは車いす二台が同時に入れる二十一人乗り、プラットホーム先端に避難用のスロープ、当時としては画期的だった視覚障害者の音声ガイドシステムの設置など、ほかにも細かいところまで、少しの工夫で使いやすくなるような、こんな形の工夫がされていました。

 大臣に聞きたいと思います。高齢者や障害を持つ方々、実際に利用者となる住民の意見を取り入れることの意義についてどう認識しておられるか、まずお伺いしたいと思います。

○北側国務大臣 バリアフリー化を推進する上では、やはり利用者の視点に立つということが大切であるというふうに思います。高齢者や障害者の方々の参加が重要なのは、そういう理由だと私は考えているところでございます。

 今回の法案におきましては、提案制度、また協議会制度というのを制度化させていただいたところでございまして、この協議会制度の活用によりまして、関係する施設の設置管理者等の協議会への参加が担保もされますし、これらの管理者等と高齢者や障害者の方々、利用者との間での協力を踏まえてバリアフリー化が推進できるというふうに考えているところでございます。

 また、基本構想策定後におきましても、引き続き実施に係る連絡調整もこの協議会が行ってまいりますので、事業の着実な実施が担保できるというふうに考えておりまして、大変大事な意義があると考えております。

○穀田委員 そこで、意義あるものをどないしたら実効あらしめるものにできるかというのは、本当に考えどころだと思うんですよね。

 阪急伊丹駅の取り組みで、その後も取り組みをやっているわけですけれども、一定の総括の座談会などを見ますと、当事者参加について、行政側の率直な意見開陳を私は見ました。このように述べているんですね。今まで役所は市民の声を聞くときに、何々連合会の会長に参加していただいて審議会をやらせてきたわけですが、発言のないことが多かったように思いますと述べています。これを言うと、省の方は、そういうところが問題だと。それは問題やねんけれども、そういうものをずっと放置してきたことが問題なんですけれども、それを大きく変えて当事者の参画でつくり上げたわけです。

 すぐれた当事者参加を実らせた伊丹市でも、このような反省があります。昨日の参考人質疑で、ボランティア有償輸送に係る運営協議会、確かにステージは違うんですけれども、そういう問題についてどうだという話をしましたら、ビジョンなき協議会ということで、やはりそういうものの理解というものを深めないと大変だと。だから、形だけつくればよいという傾向についても指摘しておられました。だから、私は、実りあるように、行政の指導がかぎだということが一つです。

 もう一つは、伊丹のバリアフリー化に大いに力を発揮した障害者団体の代表の方の発言です。計画、設計、施工の各段階で、当事者である我々の意見表明の場所が持たれたのは非常にうれしかった、設計図の段階でこれは困ると計画を変更してもらった部分、これは当初エレベーター一台だったんですけれども二台にしたというものですよね、など多数あったと述べられています。ですから、計画、設計、施工のすべての段階で参加する仕組みにする努力が大切だと思うんです。

 この後、さらに進んだ問題としては、事後の点検それ自身の体制や、継続し、それをさらによいものにするという努力が求められているというのが新しい見地ですよね。こういう点についての見解をお聞きしておきたいと思います。

○竹歳政府参考人 ただいま御指摘のように、せっかく当事者参画の制度をつくった以上、形だけのものにしない、実りあるものにする、それから、計画、設計、最後の段階まで、事後の点検も含めて当事者参画を進める、まさに我々そういうような運用をしてまいりたいと考えております。

○穀田委員 その点でもう一つ注文がありまして、今あったように、実らせていくという点では、いずれにしても、当事者の参画が生きたものになるかという角度から、一方では、地方自治体における独自性、創造性の尊重が基本だということは言うまでもない、そこは改めて強調しておきたいと思うんです。

 といいますのは、やはり、現場現場でいろいろなことをもっとフリーにやるという意味では、今度の場合は、提案その他もありますから、そういうことが生かされていくんだろうということを見守っていただければと思っています。

 そこで、次の問題は、では、バリアフリーの推進の実効性をどう上げるかということです。

 例えば、バリアフリーの基準が十分でないことです。せっかくバリアフリー整備が進んでも、利用者にとっては使いにくい、不完全なバリアフリーとなってしまう事態が生まれています。具体的に幾つか指摘したいと思います。

 聴覚障害への対応が現行の基準では十分でない。ハートビル法では、文字表示や聴覚障害者用点滅灯つき音量増幅装置の設置または貸し出し、さらに、フラッシュライト及びバイブレーターによる非常警報装置の設置または貸し出しなどについて、望ましいとしているんですね。義務基準ではないわけです。

 駅のバリアフリー、私、調査に行きましたときに、駅員が改札口に不在の時間帯はインターホンで呼び出しとなっているんですよ。どないして呼び出すのかと。わかりますやろ。聴覚障害者がどないして呼び出すのかと。ふと考えるとみんなわからぬわけだけれども、よく考えるとわかりますわね。だから、聴覚障害者は使えないので困るということでありました。

 そして、災害時に危険を知らせるストロボつき電光文字表示などの設置も要望されています。昨年の新潟の中越地震の際には、避難所で放送による案内で聴覚障害者が情報から取り残されて困ったという事例もありました。したがって、聴覚障害者向けの光、音量増幅、振動、文字などの配慮、窓口での筆談対応などを基準に盛り込むべきではないでしょうか。答弁をお願いします。

○竹歳政府参考人 御指摘の聴覚障害をお持ちの方への対応につきましては、今先生が御指摘になったように、義務的な基準と望ましい基準と二段階になっているわけでございます。

 例えば、緊急時に外部とのやりとりを可能にするために、駅の中にエレベーターを設ける場合は、ガラス窓を設けることにより外部から内部が見える構造にするということとともに、より望ましい対応として、かごの内部が確認できるカメラを設けること、それから、故障の際には、非常ボタンを設けること、それから、係員に連絡中である旨や係員が向かっている旨を表示する設備を設けることなどをガイドラインに示しております。

 それから、乗車券販売所、案内所においては、より望ましい対応という分野で、筆談用のメモ等を準備し、聴覚障害者とのコミュニケーションに配慮することをガイドライン上、示しているところです。

 本法案の検討過程におきまして、関係団体よりいろいろ御意見を賜りました。音声情報に対応した文字による情報提供の充実、特に緊急情報、それから、すべての窓口に筆談用具を設置すること、窓口のわかりやすい位置の配置、発車ベルの光表示等について、御意見、御要望をいただいているところでございまして、本法案が成立しましたならば、基準、ガイドラインに関する検討を行う際には、聴覚障害者も含め幅広い関係者からの御意見を踏まえて検討させていただきます。

○穀田委員 ガラス窓だとかは、私もきのう見てきました。

 問題は、言っているのは、一刻を争うときなんですよ。今あったように、緊急情報とありましたけれども、私が言いましたように、災害時のそういう視覚情報提供などを、これは絶対ゆるがせにできないということだと思うんです。人の命にかかわっている、移動するだけじゃなくて、安全ということになってきますと事は重大なんだ、そういう構えで私はすべきだと思っています。そこはきちんと、私ども、今後とも基準に盛り込むということを要求していきたいと考えています。

 次に、最近新築されたりリニューアルオープンした大規模ビルでも、障害者、高齢者が利用できない事態が生まれています。この間、そういうことを、障害者団体の方々が点検に取り組んだ資料をいただきました。それによりますと、例えば、秋葉原駅に隣接した国内最大の大型電気店のビルで、入っている飲食店二十八店舗中九店舗で店内に段差がある。段差がない店でも、全席固定席で車いすをとめられる席が一つもない店が二店舗あったということをお聞きしました。

 ビルの入り口やそれから通路はバリアフリー化されているけれども、肝心の店の中は段差があって利用できない。食事したくてもできない。これではバリアフリー化されたと言えないんじゃないでしょうか。大臣、この点ぐらいは、せめて新築、大規模改造の際には、店の中も含めたバリアフリー化を義務づけるべきではないでしょうか。

○山本政府参考人 特別特定建築物のバリアフリー化の基準としましては、道などから高齢者、障害者の方々が利用されることとなる居室までのバリアフリー化を求めております。車いすでも通れる幅の確保、段差の解消などを義務づけているところでございます。

 その際、高齢者、障害者などが利用する居室の出入り口につきましても、八十センチ以上の幅を確保すること、扉は自動扉など開閉が容易な構造とし、前後に高低差を設けないことという基準により、バリアフリー化を求めております。

 御指摘いただきました居室内についても、高齢者、障害者などが利用しやすい構造となっていることが望ましいということは間違いありませんけれども、一律に段差を禁止するなどの基準を定めた場合、飲食店などのような商業施設などの店舗内部の空間につきまして、店舗設計のいろいろな制約、自由度が制約される、魅力ある空間を生み出すことができないといったような意見もあるのが実情でございます。

 したがいまして、望ましい設計例をガイドラインとして示したり、設計者向けの講習などで普及啓発を図ることによりまして、適切な施設整備が促されますように努めてまいります。

○穀田委員 私は、それこそコンセンサスをつくっていくという努力をすべきであって、何が自由度だと。それは自由じゃないんですよ。一方に不自由を与えながら自由が拡大できるということが間違っているという思想の問題、哲学の問題が不足していると言わざるを得ないと私は思うんです。

 では、次に、地下鉄の永田町の、私、見てきました。国会側にエレベーターはないんです。五分以上移動して都道府県会館が設置したエレベーターを利用しなければならないんです。ところが、エレベーターをおりても、案内表示がなく、駅の方向がわからない。照明が不十分、階段や通路が薄暗い。一緒に調査に参加していただいた障害者の皆さんは不便だし危ないと指摘しています。東京地下鉄では通路や階段、ホームの照明の基準を設けていますけれども、これは都道府県会館が所有、管理する階段だから対象外ということになるんですね。

 だけれども、駅と直結しているビルについては、これまでもエレベーターやスロープの設置の努力がされているけれども、照明や案内も含めて、駅と同様に、だれもが使いやすい安全な基準を設けて計画的に達成すべきではないか、この点についてはどうか。

 これは、きのう参考人質疑の中で、どないした経路を来てこの会場へ来はったかと言うたときに、栃木から来られた参考人は、東京駅でほんま迷ったと言うんですね。ほんまですよ、あれ。我々かてわからへんのやから。そういうぐあいの問題について本当に、単に都道府県会館だからというのではなくて、それこそ、そういうものを利用していただく側に立って直すというのは当たり前じゃないですか。

○竹歳政府参考人 まさに御指摘のとおりでございまして、今までハートビル法、交通バリアフリー法とそれぞれ施設ごとにバリアフリーを進めてまいりましたけれども、各施設間の接続部に段差があったり表示が不統一であったりするなど、連続性が確保されていないというのが実情だと思います。

 今回、二つの法律を統合して新しい法律にしたわけでございまして、今御指摘のような点についても改善できるように努力していきたいと思います。

○穀田委員 努力していきたいというんじゃなくて、やはりこれは、一つの例を引いて、何も都道府県会館を目のかたきにしてやっているわけじゃないんですよ。

 ついでだから言いますと、東京駅の近くの丸の内の新しいビルができましたね。それは立派なものなんです。だけれども、あそこに行ってごらんなさい。照明設備がやはり暗いんです。行った方はみんな、もちろん先ほどの局長の話によると、まさに自由度の範囲と、それから景観とか何かというふうに言っているんだろうけれども、ほんまかいなと私は思うけれども、そういうふうなことで平気でいるということの神経を私は疑っているわけです。

 だから、公共交通事業者や、それから多数の人々が利用する施設の管理者は、その公益性の高さを認識し、法制度、利用者や住民のニーズなどを踏まえ、設備の整備、サービスの提供、従業員の教育等に努めることが求められている。これはどこか。皆さんが設置した審議会の、ユニバーサルデザインの提起ですね。だから、そういう提起している内容に基づいて、国の法律で、駅と直結するビルについては対象とし、それを国の整備目標として盛って、計画的に改善を図るべきだと私は考えるところです。

 そこで、次に二つ目の、そういう実効あるバリアフリー化を進めるための問題は、目標が十分でないことだと思うんですね。

 例えば、利用者が五千人未満の駅というのは対象外だ、自治体任せだ。建物も二千平米以上の病院、劇場、ホテルなどに対象が限られています。

 この間の質疑でコンビニという話もありましたけれども、私は、災害時に避難場所となる学校や公民館など、これは二千平米以下であっても対象にすべきではないのかという点についてお答えいただきたい。

○竹歳政府参考人 五千人未満の駅につきましては、今回の法律改正でいろいろなところに基本構想ができるようにしました。

 それから、小規模なものであっても避難場所となる公民館などはバリアフリーの目標にすべきじゃないかという御指摘でございます。

 法律上どのようにするかというのは少し議論が必要ではないかと思いますけれども、そういう小規模なものであっても避難場所となる公民館などは、バリアフリー化とか耐震化とか、それからトイレの問題とか、いろいろ、そういう避難場所となるようなところはきちっとすべきだと思います。

 公民館については、一般的に地域に開放される施設でありますから、集会所として特別特定建築物に当たって、地域の実情に応じて、公共団体の判断で、条例でそういう小規模なものでもバリアフリー化の義務づけができるとなっています。

 ただ、義務づけるといっても、自分で条例をつくるわけですから、自分でやればいいという話でございまして、全国一律、小さいものもすべてということはなかなか難しいと思いますけれども、避難所の機能を持つそれらの施設のバリアフリー化については、公共団体が適切に判断して推進していかなくちゃいけないと思います。

○穀田委員 そういうときは、判断すればええやないかという話をする。それは聞こえませんでと言わなくちゃなりませんわな。

 つまり、こういうものを積極的に推奨する場合は大体義務づけしたり望ましいということを言っておいて、聞かれたら、そういうことについては、それは裁量の範囲ですと言うのは、そういう言い方をしていたのでは、それでも自治体が受けとめてくれればいいですよ。そういうことの精神をわからせるということは必要だ、私は大事だと思うんですね。

 法律上は議論する必要があろうかもしれぬけれども、すべきだという点については、やはりガイドラインその他でそういうことを積極的にやってほしいということを書くなりしてやってほしいと私は思います。

 次に、昨日の参考人質疑との関係で、先ほど鉄道局長がお話ししていた問題について一言聞きたいと思うんです。

 ハンドル形車いすを初めとした障害者に対する利用拒否が広範囲に起こっている実態が示されています。事業法で正当な理由がない拒否は禁止されていると言うけれども、機能していないのじゃないかと指摘されています。

 先ほども梅田さんは、百十センチ、それから一メーター、こう言っているんですよ。だけれども、それは、前の方はそういって聞いてはりましたけれども、きのう参考人はわざわざ、そういうハンドル形車いすの現実はということで、幅四十二センチ、長さ九十センチ、重量四十二キログラム、回転半径八十五センチという実態を示されたわけではありませんか。

 だとしたら、そういう話として聞いて、それも無理だというんだったらわかりますよ。そう言うべきじゃないですか。それを、一メートル十センチだ、一メーターだと話をして、きのう言われた話が八十五センチだったということをみんな、みんな知っているかどうか、それは聞いてはらへん人もいはるからわからぬけれども、聞いていましたわな。だから、やはりそういうものに対して本当に誠実でないというか、そういう感じがするんです。

 きのうは八十五センチとありましたけれども、多いのはこっちなんですとか、だから、なかなか苦労しているんですと。やはりこういうものを会社に、これに合わせるように。違うというんです、逆だというんですよ。そういうものがどんどん開発されてきた事態をしっかり認識させて、じゃ、それをどうしたら新幹線、つまりJR東海が了解してくれるかと。だとしたら、了解できるために、すぐわかりやすい方法をとろうじゃないか、そうして、じゃ、ワッペンでも張って、これは通れるんですよということをしようというぐらいのことをしてやりましょうというならわかりますよ。それを、百センチだ、一メーターだとまだ言っているとすれば、私は何をか言わんやだと思っています。

 そこで、その点を踏まえながら、使える環境が整備されているのに利用が拒否される現状をどうするのか。だれもが安全に、自由にできる権利があり、事業者はこれを保障する義務があると明記することは、こういった利用拒否を繰り返さないためにも重要だと思うんですが、その事実と、その理念の考え方についてお答えいただきたい。

○梅田政府参考人 先生の御指摘、よく伺いました。私ども、しっかりやってまいりたいと思います。

○竹歳政府参考人 移動の権利につきましては、もう既に議論が重ねられてきておるわけでございまして、先ほど大臣が答弁申し上げましたとおり、大事なのは具体的にバリアフリー化を進めていくことだと考えておりまして、私たちはそれに全力を尽くしたいと思います。

○穀田委員 その言葉を、現に起こっているところで言ってほしい、それを言うのだったら。利用拒否されている、そこの現場に行って、そうじゃないんだということできちんと言うことがほんまにその声を生かすことだと私は言っておきたいと思います。

 最後に、交通バリアフリー法、そしてハートビル法で、事業者に対してバリアフリーが義務づけられましたね。しかし、一番最初にほかの方も言っておられた、東横インの障害者用設備不正改造事件で、事業者がこうした義務を全く認識していない事実が出たわけです。バリアフリー化は金がかかって困るという点が根底にあの方はありました。それで、だれもが自由に安全に移動、利用することは基本的権利であるという認識が徹底されていないということだと思うんですね。だから、障害者団体からも厳しくされましたけれども、私は、法律で再度権利であるということを明記して、事業者にも徹底する必要があると考えているんですよ。

 そこで、バリアフリー化の実効性を上げるためには、事業者の責任は極めて大きい。とりわけ既存施設の整備が進んでいないが、法律上はあくまでも努力義務。義務であることを明確にして計画を進めるべきだと思っています。したがって、二〇一〇年に五千人以上利用駅を一〇〇%バリアフリー化するという目標達成へ、どのように事業者に責任を果たさせるのか、最後に聞きたいと思います。

○竹歳政府参考人 五年前と申しますか六年前でございますが、交通バリアフリー法ができたときと比べると、世の中大分変わったんだという御指摘も本委員会でもございました。今具体的な目標を示されて、一〇〇%達成すべきだというお話もございましたが、いずれにしましても、財政負担でございますとか事業者の負担、ひいては利用者の負担でございますから、やはり、できるものから順番にやっていかなくちゃいけないと考えております。

 そういう意味で、適合義務というのと努力義務と分けてやっているわけでございまして、いずれにしましても、スパイラルアップという考え方に基づきまして、一歩一歩進めていきたいと考えておるわけでございます。

○穀田委員 私、こういう点で事業者の責任と言いたいのは、例えば、大規模な駅の改修のときに、地方自治体の負担なんか本当に大きいという現実があるわけですね。ようけもうけているのに、それで、けちくさくしかやらへんというのがあるわけやね。だから、こういう問題も、私は、事業者というのは本来は全部負担すべきなんだというぐらいのつもりでやっていく必要があるということと、コスト、コストと言うけれども、やはり、この伊丹の例で明らかなように、本当に議論してみると、何も障害者の方々が理不尽な、不当なことを要求しているんじゃなくて、その要求を実現することが逆に無駄を省いてしっかりとやることになって、節約もできるという例がたくさん出ているんですよ。そういう角度で物を見て、やはりきちんと現実を見ていただきたい。

 最後に、先ほどありましたから、決意だけじゃなくて、これが本当に試されるんだということを、皆さんの目で、また耳で、お互いにやっていこうじゃないかということを申し述べて、終わります。