国会会議録

【第164通常国会】

衆議院・議院運営委員会
(2006年5月11日)

 教育基本法特別委員会設置に「反対」の意見表明

○佐田委員長 これより会議を開きます。

 まず、特別委員会設置の件についてでありますが、教育基本法案を審査するため委員四十五人よりなる教育基本法に関する特別委員会の設置についてお諮りいたします。

 この際、発言を求められておりますので、これを許します。穀田恵二君。

○穀田委員 日本共産党を代表して、教育基本法に関する特別委員会の設置に反対する意見を述べます。

 教育基本法は、憲法に準ずる極めて重要な法律であり、与党の皆さんも認めるように、その扱いは、国民的理解のもと、慎重に議論をすべきものであります。ところが、政府・与党は、今国会の会期半ばを過ぎた四月二十八日に教育基本法改正案を国会に提出し、今国会成立を目指すとし、そのために特別委員会の設置を提起したのであります。

 なぜ特別委員会なのか、なぜ所管の文部科学委員会ではだめなのか。与党の説明は、結局、定例日にかかわりなく審議時間を確保するため特別委員会にするということではありませんか。

 与党は、与党協議会などで七十一回も議論したと強調しますが、それは密室の議論であり、その議論の経過や詳細は国民には全くうかがい知れないのであります。にもかかわらず、与党が結論を出し法案をまとめたから、国会は直ちに審議して結論を出せというのは、余りにも議会制民主主義を軽視するものであり、認められません。

 内容上も重大です。そもそも、現行教育基本法は、徹底した平和主義と個人の尊重を基本とする日本国憲法と一体のものとして、憲法の精神にのっとり、教育の目的を掲げたものであります。ところが、今回の改正案は、憲法との関係を断ち切り、教育の目的を人格の完成から国家有用な人材の育成に変えるため、その資質として、国を愛する態度を養うなど五つの目標を掲げ、しかも、教育内容に国家が無制限に介入できるようにするものであります。断じて認められません。

 以上、特別委員会の設置に反対する意見表明を終わります。

○佐田委員長 これにて発言は終了いたしました。