国会会議録

【第164通常国会】

衆議院・国土交通委員会
(2006年3月17日)

 耐震強度偽装にかかわる「大臣認定構造計算プログラム」問題

○林委員長 穀田恵二君。

○穀田委員 国交省は、危険宅地を今後十年間で半減させることを目指すとしています。

 私どもは、そのために必要なことを五点と考えています。地震時に滑動崩落する可能性がある大規模盛り土造成地などの実態を正確に把握すること、二つに、正確な情報を住民等に周知すること、三に、防災対策工事に必要な負担を軽減すること、四番目に、新しい知見の蓄積を促進し、基準を適宜見直すこと、五番目に、工事が適正に行われていることを担保する検査体制等、能力の確保などが不可欠だ、こう私どもは考えています。

 時間の都合もありますので、短くお答えいただきたい。

 大臣に聞きます。

 先ほど、住宅品質表示というぐあいな形で、リスク情報開示、リスク管理、そのことによって防災意識を喚起するという発言がありました。私は、既成の宅地についての実態把握と結果の開示、それから、新規開発宅地については、開発業者により基準に基づきどんな施工がされたか、その結果、どんな安全が担保されたかなどを開示する必要があると考えています。

 住宅の耐震診断の実施の有無については、不動産業者が売買や賃貸契約を結ぶ際の重要事項説明の対象とすることとしていますが、住宅と一体である宅地についても同様な措置が必要だと思うんです。具体的な提案ですが、いかがでしょうか。

○北側国務大臣 先ほど申し上げたのは、こういう大規模な盛り土が崩落をする危険性のあるところについて、そこを今後しっかりと技術的な基準とかも確定をしていって、将来そういうことも検討をすべきである、そういうことも視野に入れて検討していったらいいということを申し上げたところでございます。今すぐどうこうということを申し上げているわけではございません。

 今、むしろもっと一般的に、建物の耐震性だけではなくて宅地についても入れるべきだというお話ですが、宅地についてのどの部分を入れるのか、何を入れるのかということがやはり大事なんだろうというふうに思うんですね。

 今回の問題については、大規模な盛り土で、地震によって崩壊するようなそういうおそれのあるところでございまして、そういうところについては、私は、やはり技術が進歩するに従ってそういうものをきちんと取引の際に明らかにしていくということは大事であると思います。

○穀田委員 私は、やはり対象にすべきだ、具体的にやはり手を打たなければならないと。

 例えば、ある地質学者が「国土開発と自然災害」ということで書いているんですけれども、大都市圏には無秩序に大規模造成地が広がり続けている、そのうちどれだけが大地震の際に無傷で残れるだろうかと。それを考えると、分譲区画が盛り土か切り土か一言も説明しないで売る業者も業者だ、そして、買う客についても、やはりきちんとそういうものを見る必要があるんじゃないかという意味で、安全性を十二分に確かめて買うのは買い手としての当然の権利と責任だと。

 つまり、売り手も買い手も、そういう問題について、やはり宅地の問題も情報が大事なんじゃないか、そうすると、行政としても、地域の安全を担保する意味を込めて、売り手に造成前がどうだったかという情報を開示させるぐらいのことはやらせて当然でしょうと言っているんですよね。

 大臣が今、余り具体的に突っ込んだからあらっと思ったんだろうか知らないけれども、私としては、そういうところまで今踏み込むべき時期に来ているということを述べたいと思っています。

 そこで次に、先ほども議論がありました。宅地内には、当然、道路や水道などを初めとした公共施設が存在します。宅地全体の耐震性を強化するわけだから、当然、公共施設の管理者の負担も必要になると思う。先ほどは、柴田さんは応分の負担と言っていましたけれども、具体的に聞きます。では、応分の負担は当然だと思うんだけれども、地域住宅交付金の活用は可能でしょうか。

○柴田政府参考人 造成宅地の防災区域の指定がなされました宅地造成地におきましては耐震化工事が実施されますが、当該造成宅地上には、宅地所有者のみならず、公共施設の管理者が地権者である場合も多く想定され、地方公共団体のあっせんなどによりまして、これらの公共施設管理者が応分の負担を行うことも想定されます。(穀田委員「そこは聞きました。その後なんです」と呼ぶ)はい。

 それで、地域住宅交付金のお話でございますが、地域におきます住宅政策を総合的かつ計画的に推進しようとするものでございまして、地方公共団体の提案に基づく事業も国の助成対象となる柔軟な制度でございます。地域におきます住宅政策の一環として、宅地耐震化工事に対して地方公共団体が助成をしようとした場合には、地域住宅交付金の提案事業を活用することも可能となります。

○穀田委員 可能となるということがわかりました。

 それでは次に、来年度予算で、危険な盛り土の宅地ハザードマップ作成に対する補助制度を新設しています。その対象は、造成宅地防災区域の指定に準じた面積や人家の要件を課すのでしょうか。簡単に。

○柴田政府参考人 先ほどから御説明申し上げておりますように、どういうところが危険かというところでございまして、三千平米以上の盛り土が非常に危険だ、そういうところを重点的にチェックしていく、さらにそれを細かく踏査したり、実験をしたり計算をしたりして、ハザードマップにつなげていくというぐあいに考えております。

○穀田委員 つなげていくのはわかっているんです。そうしますと、やはり事前の調査について、どのような形でいつまでやるのか、また、その結果を受けたマップ作成のための調査についてはどうするのか、また、それはだれがやって、その体制は大丈夫なのか、その点についての少しお話をいただけますか。

○柴田政府参考人 ハザードマップの調査につきましては、平成十八年度の政府予算案の中にも、地方公共団体、県、場合によっては市町村がつくる場合もあるかもしれませんが、作成される場合にはその三分の一を国が補助するというぐあいにいたしております。また、その調査につきましては、先ほどから申し上げましたように、まず最初に航空写真等からスタートして、最終的に探査、実地調査それから計算、こういうものを行った上でハザードマップができるというぐあいになります。

 どういうスケジュールでやるかということでございますが、これはもちろん公共団体の方に任されているわけでございますが、我々といたしましても、ガイドライン等を作成しまして、ハザードマップが非常にスムーズに作成できますように努力していきたいと考えておりまして、できるだけ早くハザードマップを公共団体の方でつくっていただきたいと考えております。

○穀田委員 先ほど来その辺はお聞きしているんですけれども、やはり、具体的手法としてはガイドライン作成だ、さらには通知するんだ、こういうのはわかるんですよ。問題は、そういうときに、結局、自治体の仕事なんだという形にならないようにしないと、国の責任をどう負うのかということがとても大事だということを私は言いたいわけなんです。

 その点で、防災区域における対策工事の実施、または新たな開発に伴う防災措置を徹底させる上で、省が言ってはります中間検査を抜き打ちで実施するということはとても大切だと思うんです。国はいつも、先ほど来お話あったように、いいですか、通知及び技術的助言、こんなのをいつも発するんですけれども、それだけではだめなんだと。現場での施工検査体制について、やはり、人数とともに能力は十分と考えているのか、そういう点での支援体制を組まなくちゃならぬのじゃないかということだけ言っておきたいと思うんですが、いかがですか。

○柴田政府参考人 今の御指摘のように、国としましても、適切なガイドラインの作成、技術的助言を公共団体にやっていきたいと考えてございますが、宅地耐震化工事につきまして、地方公共団体において的確な指導を行いまして、適正な施工を確保することが重要と考えてございます。その際、被災宅地の危険度判定士などの資格を有する専門家を活用することなどによりまして、地方公共団体の体制の充実を図るというようなことも望ましいと考えております。

 国土交通省といたしましても、地方公共団体と連携しまして仕組みづくりに取り組むとともに、適切な技術的助言を行うなど、地方公共団体の取り組みをさまざまな形で支援していきたいというぐあいに考えております。

○穀田委員 一言だけ。

 やはり、さまざまな支援、情報提供、それから通知、技術的助言じゃなくて、最終的には自分のところが責任を負うんだということをはっきりしないとあかんということだけ言って、終わります。