国会会議録

【第162通常国会】

衆議院・国土交通委員会
(2005年7月27日)

 「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の一部を改正する法律案」、いわゆるPFI法案が提出され、反対の意見表明を行った。

○橘委員長 本件について発言を求められておりますので、これを許します。穀田恵二君。

○穀田委員 日本共産党を代表して、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の一部を改正する法律案、いわゆるPFI法改正案に対し、反対の意見を述べます。
 この法律の施行から五年たち、二百件を超える実績があります。その実施状況等に関して検討、総括も行わず、その改正内容についても質疑をしないで委員長提案とすることは、国会の行政監視の役割に照らしても問題です。ましてや、法改正に対して異論があること、質疑の要望があることに対しても、これを事実上封殺することは議会制民主主義の観点からも強い懸念を表明せざるを得ません。
 PFI事業について、我が党は、国や地方自治体の財政破綻が深刻になるもとでも、民間の資金を使って引き続き浪費とむだの公共事業を推進することが可能となる手法であること、また、収益事業が優先され、公共サービスの性格がゆがめられること、事業は大手ゼネコン、商社などが独占し、中小企業に仕事が回らないことなど、さまざまな問題点を指摘してきました。今回の改正は、これらの問題点を改善するどころか、一層推進するものです。
 以下、本改正案の反対理由を述べます。(発言する者あり)

○橘委員長 御静粛に願います。

○穀田委員 第一に、PFI事業者以外の第三者に行政財産の借地権譲渡を可能にすることは、行政財産を私企業に数十年の長期間貸与することとなり、行政機関がいつでも行政目的遂行のために使用できるという行政財産の趣旨に反します。
 また、国民の共有財産を使用して私企業が収益を得ることは、国有財産使用の公平性を損なうことになりかねません。
 第二に、本改正案の「目的」にサービス分野を明記することは、公共施設建設を伴わない単独のサービス分野だけのPFIを推進し、サービス分野の公共業務を今以上に企業の利益追求の場に提供しようとするものであり、日本経団連の要求にこたえるためのものであることは明らかです。
 第三に、地方自治体等には事業の円滑実施の努力義務を課すことは、住民意見の反映を阻害し、企業のリスクの軽減と裁量権の拡大で、企業中心のPFIの推進を図ろうとするものです。
 最後に、法施行以来のPFI事業は、国、地方が財政危機であっても公共事業を推進する新たな手法としての役割を果たし、むだな公共事業を排除することにつながりません。
 したがって、本改正案と委員長提案にすることについては賛成できません。
 以上で意見表明を終わります。