国会会議録

【第160臨時国会】

衆議院・政治倫理特別委員会
(2004年8月4日)

 橋本派への日歯連ヤミ献金汚職を追及。

○増田委員長 次に、穀田恵二君。

○穀田委員 日歯連マネーの広がりと深さは想像を絶するものです。
 私どもは、二〇〇〇年から二〇〇二年の日歯連と各都道府県の歯科医師連盟の収支報告書を調査してまいりました。広く深く汚染されていることが明らかとなっています。寄附金、パーティー券、選挙の際の陣中見舞いなどの支出の記載を見ると、驚いたことに、献金を受けた自民党の現職衆議院議員は百八十九名、実に七七%の自民党衆議院議員が日歯連マネーに汚染されています。公明党も九人、二三・五%。現職議員や政党、派閥を合わせると、総額二十二億九千万円という巨額な金が政界に流れたというものです。
 この点について法務省に聞きます。このような事実を把握していますか。

○大林政府参考人 お尋ねは、個別の事案について検察当局における捜査内容を問うものだと考えられますので、お答えについては差し控えさせていただきたいと思います。

○穀田委員 それでは総務大臣に聞きます。
 今指摘した事実、これほど大がかりで広く汚染されている、深い、この問題についての感想を聞きます。

○麻生国務大臣 感想ですか。感想、重大なことだと思っております。

○穀田委員 重大だということはお認めになったと。
 それで私は、今度、橋本派、いわゆる平成研の一億円のマネーというのは、やみからやみへのものだと。日歯連は、この三年間の橋本首相への表の献金は四百五十万円、そして橋本派への二百万円の献金はきちんと届けている。ところが一億円は報告していない。報道によれば、一億円の献金を十分に認識していながら、領収書を発行しなかった上、収支報告書にも記載しなかった可能性が強い、こうあります。平成研の会計責任者は、大体一億円も収支が合わないということに気づかないはずはない。それは常識として国民みんなが思っていることだと思うんです。両者が報告しなかったのは明らかに故意としか考えられない。
 政治資金規正法の虚偽記載で逮捕、起訴された坂井隆憲元衆議院議員や、前埼玉県知事の長女土屋桃子事件と同じケースではないのか。このことについて聞きたい。

○大林政府参考人 今、一億円の問題が問われているわけでございますけれども、これはまだ事実関係が確定されたというふうな状況にはないと、こういうふうに承知しております。したがいまして、今御指摘の他の事案と同じかどうかということは、ちょっとこの場でお答えはいたしかねる、こういうふうに考えます。

○穀田委員 同じく、ちょっと別な問題について聞きたいと思いますけれども、やみ献金の一億円が渡った当時、一つは、新聞でも報道されているように、構造改革の一環で医療費削減を掲げる小泉首相の誕生、診療報酬引き上げが最大目標の日歯を取り巻く環境が厳しさを増していたため、臼田前会長は、最大派閥の橋本派と接近し日歯の要求実現に役立てようとしていた、こう報道されています。臼田会長は、事実、野中、橋本、青木三氏を日歯連の顧問に迎えて、診療報酬改定に関する要望を伝えています。これ自体まさしくわいろではないか。
 さらに、既に報道されているように、日歯連の元会長中原氏再選のために橋本派に支援をお願いしていることは明らかとなっている。
 その点はいかがですか。お答えください。

○大林政府参考人 あくまでも一般論として申し上げますと、検察当局は、捜査において犯罪の成否の判断や適切な処分の決定のために必要な証拠を収集するというふうに考えておりますし、今の点につきましては、今、捜査に関する事柄ですので、ここでは答弁を差し控えさせていただきたいと思います。

○穀田委員 国民から見れば、これはだれが考えても、現実に、その状況そして選挙との関係、二つ合わせればわいろ性は明らかだと私は思います。
 それで、日歯から〇一年七月二日の一億円をめぐって、橋本氏は記憶がない、同席したと言われる青木、野中両氏も記憶にないと証言している。ところが一方、平成研の会計責任者は、その〇一年七月三日に一億円受領したとして、三年もたったことしの七月十四日に政治資金報告書を訂正する。訂正した以上は、それは根拠があるわけですね。だから、両者の食い違いは最低限明らかにする必要がある。食い違っているわけだから、最低限明らかにする必要がある。
 したがって私は、何の目的で日歯連から献金を受け、なぜ政治資金の届け出をしなかったのか。そして、献金の使途はどうだったのか。橋本元首相と平成研の会計責任者を参考人に呼んで、最低限真相をただす必要がこの本委員会として私はあると思います。そのことを委員長に要求します。

○増田委員長 先ほど申し上げました件と回答は同じで、相談をしたいと思います。

○穀田委員 終わります。