国会会議録

【第159通常国会】

衆議院・国土交通委員会(午後)
(2004年5月19日)

本日の会議に付した案件
 国土交通行政の基本施策に関する件

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○赤羽委員長 穀田恵二君。

○穀田委員 前回に引き続いて、石原大臣に日歯連との関係で質問します。
 私は、石原大臣の二〇〇〇年の収支報告について、訂正の事実について指摘しました。いつ訂正手続をとったかということで、再度お聞きします。
 大臣は、私の二度にわたる質問に、調査過程ですから、最近だと思いますと答弁しました。その答弁した日は五月の十四日でした。四度にわたる一千万の自民党本部からの交付金、七月三十一日付の交付金を私が指摘したのは五月十二日でした。
 一体、いつ訂正を行いましたか。

○石原国務大臣(国土交通大臣) 報告書の訂正を行ったのはいつかという御質問でございますが、担当者より、今回の交付金に関する事実関係を調査あるいは確認する過程におきまして、第八支部の収支報告書の記載に間違いがある、こういうことを聞きました。私は、早急に、間違いがあるならば修正を行うように、こういう指示を出しました。
 その後、五月十二日付で、東京都選挙管理委員会に対し、必要な訂正の手続を行ったとの報告を受けております。

○穀田委員 五月十二日に訂正している。私が指摘したのも五月十二日だった。指摘をして質問したときに、わざわざ十四日に、最近と答えたということだけは、皆さん、記憶に残しておいてほしいと思います。
 最近だと思いますと答弁する意味はどこにあったか。それは、結局、指摘をしてから、客観的には、訂正したということを余り思われたくなかったんでしょう。
 次に、収支報告について聞きます。
 大臣は、収支報告を私に見せたときに、こういうものがありましたという話は聞いた記憶がございますと答弁されました。当然、この収支報告は、その支部長である石原大臣、政党活動を大事にする方ですから、その報告は毎年受けておられますね。

○石原国務大臣 委員のおっしゃられるものが選管等々に提出する政治資金報告であるならば、毎年見ております。

○穀田委員 それでは、大臣は、自民党本部からの四回、そして五回、実際上は五回になっていますね、一千万を超えているのは。そういう質問に対して、当然、そのときについては記憶がございますと答えているわけですから、では、選管に提出する収支報告を見たということは確認したい。
 ついでですから、三つばかり言いたいと思うんです。
 第一に、だれに見せてもらったのか。第二に、問題の焦点となっている四回分の記載されたものを見ているのか。そして、こういうものがありましたという話は聞いたことがありますという、こういうものとは何を指しているのか。その三つの点についてお聞きしたい。

○石原国務大臣 収支報告書は収支報告書を担当している者から見せてもらっておりますし、毎年、第八選挙区支部の収支報告書を作成し、提出の際には、その都度報告書の内容について担当者より報告を受けておりますが、個々の、これはどういう項だというような細かいお話は、私は余り覚えておりません。

○穀田委員 まあ、細かい方の二百五十万や百万は覚えていなくても、千万は相当な金ですから覚えておられるでしょう。
 そこで、きょう大臣が提出をされたとお認めになる資料について間違いがあったのもお聞きになりましたね。

○石原国務大臣 本日は、私は資料は提出させていただいておりません。

○穀田委員 それは異なことをお聞きしますね。私は、前回に、明らかにしてくれと言って、調査を出してほしいと言いました。そうしたら、調査して明らかにしますと述べた。そして、理事会では、これは大臣から依頼を受けて出したものとして提起させていただいた。したがって、大臣が出したものとして判断してよろしいかと言ったら、そうだと答えた。そのことについて責任はないとおっしゃるんですか。

○石原国務大臣 責任の趣旨がわからないので、もう少し御丁寧に御説明をいただきたいと思います。

○穀田委員 あなたが提出した資料として判断されていいのですねと言っているんですよ。

○石原国務大臣 ですから、何度も申しましたように、私の責任において、私が調べて出し得るものは提出させていただきました。きょうはそういうものは提出させていただいていないと答弁をさせていただいているところでございます。

○穀田委員 だと、私は理事会の話は違うと思いますね。私は別にあなたが憎くて言っているわけじゃないんですよ。あなたが迂回献金と呼ばれる形態をとっているという疑惑を私は指摘したんです。
 それは、第一に、出どころが日歯だ。その日付も言いました。第二に、国民政治協会が受け取って自民党本部に出されている期日、自民党本部からそして東京第八支部に出されている期日。これも全部言った。
 きょう出された資料は、あなたが責任を持ってお認めになった資料というから私は議論をしているんですよ。あなたがわかる範囲内でという東京支部と自民党との関係だけではありません。それもあなたが自分で出せる資料なんです。それだけの話なんです。
 私は、あなたが責任を持って、日歯連から国民政治協会、国民政治協会から自民党ということについての献金の流れを明らかにしてほしいと言ったんです。それも、あなたが明らかにするんではなくて、日歯連にお尋ねしなければならないし、国民政治協会にお尋ねしなければならないでしょう。しかし、そのことも含めてあなたが出すべきだと私は前回主張し、そのことについて、それはあなたは自民党の方に調べてくれと言って、自民党から出された資料として理事会に提出されたんだ。そして、理事会に提出された際に、私は、これは石原大臣が了解していると見ていいんですねと押したら、そうだと言ったんです。そうですね、委員長。

○石原国務大臣 こういうことでしょうか。違ったらまた答弁させていただきたいと思うんですけれども。
 私の責任において出せる資料というものは、私の政党支部に本部から出てきたものの資料でございます。
 委員が御指摘になっておりますものは、党本部に国民政治協会からどれだけのお金がいつ入ってきているのか、日本歯科医師会から国民政治協会にどういう日付でどういうお金が入ってきているのかということについても大臣の責任において提出しろということをおっしゃっているんだと思いますが、必要な調査を行いましたけれども、日本歯科医師会から国民政治協会、そして国民政治協会から党本部への政治献金については私が責任を持って資料を作成することのできる立場にないということは、委員も今の意見の御開陳の中で言われたと思います。
 したがいまして、自由民主党を代表する自由民主党の筆頭理事と対応を御相談させていただいたところでございます。これを踏まえまして、自由民主党を代表して、自由民主党の衛藤筆頭理事から本日の理事会で御説明をいただき、資料を提出されたと聞いております。
 私が責任を持って提出できる資料、説明できる内容につきましては、理事会からも御指示いただきまして、私から既に提出をさせていただいているところでございます。
 私といたしましては、今回の資料は、自由民主党の御協力によって、自由民主党へ国民政治協会から、あるいは国民政治協会に日本歯科医師会から資金の提供というものがあったものを証明する資料であると認識をしております。

○穀田委員 全然問題ないんですよ、それこそ。
 つまり、今まで多くの方々がやってこられたのは、それは自民党の責任で石原大臣が指定をされた内容に基づいて出されて、それを石原大臣が出すべきだということを私は主張しているんですね。その結果について、あなたが正しいか正しくないかは別として、それについて責任を負えるというのは自民党なんです。日歯連から出していただくのも日歯連の責任なんです。ただ、それらについて、日歯連から政治協会へ、政治協会から自民党へというのは、それぞれの団体が責任を持って出すのだが、それを提出する責任はあなたにあるということを私は言っただけなんです。おわかりいただけますね。それを私は前回主張したんです。
 では、その上でもう一遍聞きますけれども、どうして記載ミスがわかったのか。先ほどの、ミスでといいますと、ミスの報告があったというわけですから、御報告いただければと思います。

○石原国務大臣 申しわけございませんが、同じ答弁になってしまうことはお許しいただきたいと思うんですけれども、担当者より、今回の交付金に関する事実関係を調査、確認する過程において、第八支部の収支報告書の記載に間違いがある、こういうことがわかったと聞きました。
 その後、五月十二日付で、東京都選挙管理委員会に対しまして、必要な訂正の手続を行った、そういう報告を受けたところでございます。

○穀田委員 そうしますと、毎年報告を聞いているわけですから、本来、記載ミスはあり得ないんじゃないですかね。例えば、小さい額であれこれあったというんであればわかるんです。というのは、先ほども私の同僚の委員が質問ありましたように、振り込みで来られていると。通帳があるわけですから、銀行振り込みで来られた、こう言っているわけですから、自民党から党支部へ来たものについて、少なくとも一千万単位で来ているのが実はあるわけですから。平成十二年は一回だけですからね。それは通帳にも書いてある。通帳にも記載されてあるでしょう、銀行振り込みですから。したがって、それが抜けるということはほとんどあり得ない。
 大体、繰り越しの額が違ってくるわけだから、記載を見る機会があったとかというのでは済まされないんです。普通、そう思いませんか。金がなくなって違ってくるのならわかりますよ。帳簿上はそれだけでは済まない。一千万はどこに行ったのか。金庫に現金として残っていたのか、帳簿には残っていたのかということが当然疑問になりますよね。そういう点はどういうふうにお考えですか。

○石原国務大臣 まことに申しわけございませんが、私は経理の専門家じゃございませんので、通帳と政治資金報告が合っているかということを一字一句合わせるようなことは、実はこれまでやってきておりません。
 何でこういうことになったのか担当者に確認しましたところ、平成十二年は選挙の年で、事務処理の量が多く、そういうものをやっていた担当者も交代したばかりで事務的なミスが生じた、そういうことで、先ほど申しましたように、東京都選挙管理委員会に対して訂正を行ったと。
 政治資金の管理、報告書の作成については、一般論で恐縮ですけれども、厳正かつ適切に行い、以後このようなことがないように担当者にも厳重に注意をいたしましたし、私も専門家ではございませんので、専門家のアドバイスもいただいて、厳にこのような誤りのないように努めさせていただきたいと申し述べさせていただきます。

○穀田委員 なるほど、一千万が通帳に記載されているか、それが正しく収支報告書に記載されているか、経理の専門家でなければなかなかわからないということがわかりました。私は、普通、一千万というものと、収支報告書に一千万と書くのは稚戯にも等しいと思いますけれどもね、同じ一千万ですし、大した話じゃないと思うんですけれども。
 私は、一連の事実を示して、そこであなたに調査を、回答を求めました。そのときに、前回、石原大臣はこう言いましたよね。新聞に書いてあることは全部事実だと思いませんと答弁されました。しかし、少なくとも、私が指摘をし、当時毎日新聞が明らかにした一千万の記載訂正というのは事実だったんだ。
 私は、一連の問題について、石原大臣にこういうことを確かめてほしいということを要望しました。
 第一は、四回にわたる事実を、日歯連から政治協会、政治協会から自民党本部、そして第八支部という日付を全部示して、そのときはわからないと言っていましたけれども、今やこういう日付となって一連の数値が出ました。この数値は、これ、持っていらっしゃいますよね。また見ていないと言われるとつらいから。この項目でいいますと、私が指摘をした四掛ける三、十三と言っても十二と言ってもいいでしょう、そのうち全部符合していて、金額の、国民政治協会から自民党に行くに当たって、当時自民党が全部集めた資金の国民政治協会に出されているお金がまとまって自民党へ行ったというだけの違いであって、その日にちも全部一緒だったということは明らかであります。したがって、渡っている事実について、私は、日歯連にも確かめてほしい、そして政治協会にもきちんと確かめてほしいということをまず第一に要望しました。
 二つ目に、先ほども、私は前回質問しましたが、一千万円の交付金が特別なものではないかということで、数値も挙げて指摘しました。これも自民党の会計に尋ねてほしいということを言いました。
 三つ目に、日歯連関係者に尋ねたかということを言いますと、知り得る立場にないとの答弁だった。私は、知り得る立場にないんだから尋ねなさいと聞いたわけですね。
 四つ目に、備考欄に氏名があるということが報道されている、これについても自民党と日歯連に尋ねたかと。
 こういう一連の問題について、石原大臣はお尋ねいただいたでしょうか。

○石原国務大臣 きょうの午前中の委員会でも、情報の漏えい、個人情報の保護、こういうものの重大性の議論がございました。
 ただいま委員が指摘された、どこどこにどこどこの名前があるというような情報が、守秘義務がある以上、表に出てくるわけないんですね。そんなものをどうやって確認するのか、私はこういうふうに考えております。
 ましてや、日歯連の内部帳簿ですか、そういうものがあるのかないのか、そんなものを私がうかがい知る立場にもありませんし、あるかないかのものを、あるんですか、ないんですかとどなたにお聞きすればいいんでしょうか。こういうふうに考えております。

○穀田委員 あるのかないのかじゃないんですよ。新聞報道にはあると言っており、私は、あるのではないかと指摘しているんですよ。それで、今言いましたように、日付は全部合っているんですよ、だれが言おうと。
 それで、きょうもおもしろい議論になりまして、最初に出た資料は、日歯連からの国民政治協会への献金はそれぞれ一つずつしか出なかったんですよ。そうしたら、一つずつしか出ないということは、余りにもこれは日歯連から政党支部へ直接流れたように見えちゃうんでまずいんじゃないかというふうな議論まで出たぐらい、だれも常識的に見ればそういう流れがあるということが普通の感覚なんですよ。
 だから、そういうものを指摘しているのに対して、そうじゃないという明確な反論をする必要が義務としてあるのが今の日本の挙証責任というものなんですね。
 私は、今お話ししたように、あるのかないのかと。だから、あるのかないのか尋ねたらいい。しかも、今尋ねる相手は、私は指摘したんですよ、そのときも。残念ながら、会長もおられない、それから会計責任者も実は捜査の関係で引っ張られているかもしれないと。だから、そういうことも含めて、代理の人たちも含めて聞いてはいかがかということも言ったんですよ。
 私は疑念を提起しているわけだから、迂回献金をしている日にちは合う、相手もこう言っている、しかも名簿にも記載されているという話もしているわけですから、それが全部事実でないということについて、挙げて反論する義務があると私はあえて申しておきたいと思うんです。
 私は、疑念を晴らそうという真摯な態度がはっきり言って見られないというのが特徴だと思います。私どもが、持っているか持っていないかは別として、衆議院手帳には政治倫理綱領というのがあります。それにどう書いているか。これの四つ目に、「われわれは、政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合にはみずから真摯な態度をもつて疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない。」と言っているんですね。
 私は、それを明らかにする際に、日歯について聞く必要がある。自民党の有力な幹部であるわけだから、自民党に対してそういう事実の記載があったのかどうかについて聞く必要がある。そして、自民党からは、日歯からの金が流れているという問題について、そういう事実を確かめる必要がある。四つきちんと言っているんですよ。
 それは何も守秘義務という問題じゃなくて、みずからが問われた疑惑に係る事実について私は指摘をし、事実でないんだったら、ないで明らかにする必要があるとしか言っていないんですよ。そこを私は聞いてもらう必要があろうかと思います。いかがですか。

○石原国務大臣 穀田委員の御説は御説として聞かせていただきたいと思うんですけれども、事実を確認したのかという話ですけれども、これもしつこいようなんですが、自民党本部から支部への交付金というものは、党本部が支部の活動のために党支部に対して、寄附者の意向ではない、党本部の判断に基づいて党支部に資金を交付するものなんですね。これは御党でも多分同じだと思います。
 したがって、今話題になっております私の交付金につきましても、日歯に対して、そういうものがあったのかないのか聞くような性質のものではない、また、その必要もないと私は考えております。
 それともう一点、今回の交付金は、自民党の本部が支部の活動のために支部に対し独自の判断で交付した、そういう認識でずっと来ているわけであります。今も変わりません。したがって、今回の交付金に関してそういう報道がなされているということは承知しておりますけれども、必要な、私が出し得る資料、また、御協力いただいて出し得る資料はすべてお示しをさせていただいてまいりました。
 それをもって、御納得されない、あるいはこれは問題だと言われるのは委員の御判断だと思っております。

○穀田委員 最後に一つ。
 認識はわかるという話ですけれども、私は違うんだよね。少なくとも、私が示したのは、そういう数字、金が流れているという可能性がある。しかも、その一千万円の自民党本部から支部への流れについても極めて異例だということについても、数字も示して言ったわけですね。だから、そういうことについてお尋ねしてもらう必要があるじゃないかと。
 しかも、この日歯からのお金というのは、代々、前の会長のときには、今度はこういう人のためにお金をやっているんだよとわざわざ耳打ちまでしたという話まで出ているんですよ。それだけじゃなくて、今度、お金を、日歯から出る場合の政治献金を自民党国民政治協会が出す場合に名前まで記載されているということまで出た。だから、そういう事実について、それはそれで、そういう事実はあり得ないということを自民党から聞いたらいいんですよという極めて単純な、認識の問題にかかわることじゃなくて、事実についてどう究明するかの態度についてお聞きしたということだけ私は指摘して、終わります。