国会会議録

【第159通常国会】

衆議院・国土交通委員会
(2004年3月23日)

本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う国土利用計画法及び都市再生特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第一一号)
 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第五四号)
 油濁損害賠償保障法の一部を改正する法律案(内閣提出第五五号)

     ――――◇―――――

○赤羽委員長 穀田恵二君。

○穀田委員 きょうは、前半で、大臣と、都市再生をめぐる問題について議論したいと思います。
 大臣は先週の質疑で、都市再生のすぐれた見本のイメージとして鎌倉市などの例を挙げ、景観を阻害するようなものに対して建設を抑制する、これは高さ制限もある、さらに、こういったものを都市再生の一つの参考に、あるいは目指すべきものだと考えていると答弁されています。私はここに非常に着目しまして、大事だなと思ったものですから、こういう点で、まず私自身は、大臣がおっしゃったイメージとして、都市再生というよりはまちづくりの印象だというふうに受けとめました。
 そこで、二年前に制定された都市再生特別措置法などの趣旨説明を見ますと、政府の言う都市再生というのは、民間の資金やノウハウを活用することを前提として、民間の力が最大限に発揮できるようにするものです。だとすると、私は、都市再生とまちづくりのイメージというのは違うんじゃないか、両者は相入れるのだろうかという思いをぬぐえないんですね。
 そこで、大臣に、民間活力を活用するということと、都市再生またはまちづくりという問題についての基本的所見を少しお話しいただければと思っているところです。

○石原国務大臣(国土交通大臣) 都市再生というのは、きっと、日本にあります都市が、国際間が大変今距離が近づいておりますので国際化、インターネット等々による情報化あるいはそこに暮らす方々の高齢化などにこれまでの政策というものが必ずしも十分に対応できていなかったために、都市機能の高度化や都市住民の居住環境の向上を目的として都市再生ということを基本的には位置づけているんだと思っております。そして、それを内閣の重要課題の一つとして、都市再生という形で推進してきた。
 委員が民活というお話をされましたけれども、民間活力があるところはやはり大都会なんでしょう、きっと。これまでの取り組みというものは、ともすれば、民間活力が相対的に高い大都市、この大都市というのも、都市というのも非常にあいまいな概念で、人口何万以上とか言えばもう少しクリアにはなるんだと思うんですけれども、そういうところになっていたと私も思います。
 民間活力が相対的に乏しい地方都市でも、このまちづくり交付金を使って地域の再生、地方にも中核都市もありますから都市の再生というものが行えるように、地方が持っております観光資源やノウハウや社会的遺産や歴史的な建物あるいはそこに暮らす人たちのニーズというものを踏まえた主体的な取り組みをまちづくり交付金は財政的に支援しよう、そういうものだと思うんです。
 このようなまちづくりにおいては、民間活力で言われるところの企業だけではなくて、地元のNPOの皆さんあるいは地域の住民の皆さんなどの、これもある意味では企業以外も民間の活力なわけでございますので、こういうものは私は不可欠じゃないかと考えております。
 まちづくり交付金は、何度も申しておりますように財政支援措置なんですけれども、これは、これまでの支援が、どういう建物を、あるいはどういう河川を、どういう道路を、どちらかといえばハードに中心があったものを、地域を活性化する、もちろんハードも大切ですけれども、計画を策定することや、さっきも社会実験では経常費を国費でやることもできるというようなソフトの施策も対象として、市町村だけではなくて、民間活力のもう一方の雄であるところのNPO法人や地域住民の皆様方の主体的な取り組みを支援するとの今回の財政支援措置の目的意識をやはり的確に伝えていくということが私は必要なのではないかと思っております。

○穀田委員 基本趣旨は大体わかりました。ただ、実態はどうかという問題があるんですね。
 そこで、当時この都市再生特別措置法を議論したときに、趣旨説明では、民間の資本やノウハウを都市再生に振り向けることが大事だ、さらに、民間の力が最大限発揮できるように事業手法の改善充実、民間の都市開発事業の隘路となっている規制の見直しを行う必要がある、割とこういう形で出しているんですね。
 だから、私は、今大臣がおっしゃった民間活力とまちづくりという関係で見ますと、いわば、後半の方に述べた民間の活力と違って前の方に述べた民間活力なんですけれども、それでいいますと、進むかというと、逆に町壊しの事例も随分あるんです。
 そこで、私、この間、参考人質疑でもお話ししたわけですが、京都の事例に即して若干述べてみたいと思うんです。
 大臣がわざわざ自然と景観と言ったものですから、私は京都に住まいしている者として、自然と景観が京都の魅力だということは御承知のとおりです。
 ユネスコは、実は平安京とその近郊を九四年十二月に世界文化遺産として登録しました。それは、単に社寺十七というだけじゃなくて、周りの東山、北山、西山という三山含めた全体として価値があるということを言ったわけですね。そういうのを守ってほしいというのを、これまたユネスコだけじゃなくて、日本国民全体が願っているものだと思うんです。
 ところが、バブルの時期の民間活力の活用ないしは導入というと、当時、高さ制限の緩和が一斉に連続して行われまして、実は、京都が京都でなくなる事態がつくられた。それがマンションやビルの乱立という形になって、そしてその結果、逆に京都のすぐれた自然と景観が、だれが見ても破壊されるという事態になり、それは景観が破壊されただけじゃなくて、町と住民の追い出しという結果になったということも否めない事実なんですね。
 それだけならよかったんですが、さらに九九年以後、またこの事態が再燃しています。住民の方はまちづくり憲章やその他で対抗しているんですが、結果として、今京都のど真ん中に、四十メートルを超え、十二階建ての高層マンションが〇〇年から〇三年までに十九棟以上も建てられて、当時のバブル時期以上の事態が出ています。そこでは金もうけの論理が優先をして、住民の暮らしの視点が欠けているということが私は特徴だと思うんです。そういう事態をまず見てほしいというのが一つなんです。
 それともう一つ、今大臣が、NPOを初めとした民間の活力というお話がありましたので、私もそれは当然だと思っております。特に、そういう町が壊されている実態もあるんですが、もう一方、今言いましたように、地区協定やその他のお話もしたと同時に、民間の商店主なんかが頑張って、商店街も頑張って町おこしをやっている事例もあるんですね。
 それは、私の住んでいますところで西新道商店街というのがあるんですが、そこは、商店街は住民にどんな貢献ができるか、それから、地域住民は何を商店街に期待しているのかという調査を始めて、商店街と町の活性化の議論をやりました。
 きょうも局長はスピード、スピードというふうに必ず言うんですけれども、今まで何年もかかったそういう事業計画をつくるに当たって、六カ月それから二カ月、こういうふうに早めてきているわけですけれども、やはり住民のサイドからいうまちづくりというのは結構時間がかかるんですね。
 それで、西新道商店街では、商店主がよく苦労をされて、地域との共生、地域との協働、こういったものを柱に住民の暮らしに丸ごとかかわろうじゃないかということで、地域住民、消費者の安心の提供、さらには、地域住民の、消費者の目線に立った地域コミュニティー事業をベースにした活性化を推進し、先ほども同僚の議員からありましたように、空き店舗を、そういう形でみんなが憩う、集うところにしたり、それからファクスネット事業をやったり、高齢者の給食サービス事業をやったり、さらにはお年寄りの生活支援ネットの構築をしたりして、結果としては、中小企業庁などの商店街活性化のモデルとなったぐらいやっています。
 個々の商店主はまさに民間です。先ほど述べた大資本とは違って、生活に密着し、暮らしの視点があると私は思っています。だから、先ほど大臣がおっしゃったように、そういう意味でいうと、今こそ、私は民間活力といった場合に、大資本じゃない、いわば地域のまちづくりに参加している住民参加の民間活力というものも本当に大事にする時期に来ているんじゃないか、その点は割と同意見じゃないかと思うんです。この辺を少しお聞かせ願えれば。

○石原国務大臣 ただいまの穀田委員のお話を聞かせていただいておりまして、私も、京都の町並みが、規制緩和の中で四十メートルを超える巨大なビル等々が、一時期、お寺が拝観料を取るという形で高い階のホテルをつくることに反対したということがあったと記憶しておるのでございますけれども、そういうことで地元の方々が自分たちの住む町並みを守っていこうという動きがあって、ある程度守られてきたものも、ある意味では、規制緩和によって高いものが建つということによって、古くからの町並みをなくしつつあるということは事実だと思います。
 その一方で、委員が御指摘になっているような、地域住民やNPOの方々が協力してまちづくりをやっていこう、やはり私たちの町を守っていこうという動きがその中にありますし、私はそういうものを応援していかなきゃならない。
 特に、高い建物とかあるいは目に余るような広告宣伝物というものは、別途提出させていただいております景観三法等々で対処させていただきたいと思っておりますし、委員が言われるところの民間活力というものは、都市再生がその地域に住み続けられるまちづくりをというものと相反するということではないと認識しておりますし、大企業が規制緩和によって、どういう人たちがそこにどういうものを建てたかはわかりませんけれども、企業が建てていますから、企業が規制緩和によって景観を壊す、あるいは町並みを壊すということに対しては、やはりその地域地域の特性、京都といっても広いですから、商業地域で高いビルが建っているところは私は当然いいんだと思いますけれども、神社仏閣等々のすぐ横に高いものが建つとか、そういうものを、住民運動として町並みを壊さないというような動きがあることも知っておりますし、そういうものは多としていかなければならないんだと思っております。

○穀田委員 最後の方におっしゃられた神社仏閣その他の横に建つという話については、今度、景観法その他のところでやらせていただきたいし、現実はバッファーゾーンがありませんから、それこそ平等院のところにばんと建っている、それから野宮神社の横にばんと建っているとか、こんなのはしょっちゅうありまして、そういうところが、都市再生だとかまちづくりという名前で現実は進行していることについて私は警告を発しているつもりなんです。だから、その意味で、地方の都市が、私いただきました政府の発行している資料でも、確かに疲弊しているということだとか、何とかしなくちゃならぬということについての意見があることも、それは当然なんです。
 問題は、今ありましたように、大資本の身勝手な町壊しといいますか、そういうものを規制するということも、両側面が私は必要だと考えていますので、そこはさらに次の議論の中で突っ込んでやっていきたいと思うんです。まちづくり交付金がそうした住民らのまちづくりを支援するものであるならば大いに結構なことだ、しかし、本当に住民主体のまちづくりを支援するものかどうか、そういう点では若干私は疑問を感じているということは述べておきたいと思います。
 そこで、法案について一、二の点ただしておきたいんですが、今度の法案は、第十四条第二項関係で都市再生基本方針を書いています。この都市再生基本方針というのは、特措法に基づいて、都市の再生に関する施策の重点かつ計画的な推進を図るため、都市再生の意義、目標、政府が重点的に実施すべき施策に関する基本的な方針等について、内閣総理大臣が作成し、閣議決定を経て定めるものであるとしています。つまり、まちづくり交付金というのはこの基本方針の枠内だということが根本にあると見ていいわけですね。

○竹歳政府参考人(国土交通省都市・地域整備局長) お答えいたします。
 先ほどからのお話で、まちづくりという言葉と都市再生というのは違和感があるということが基本におありになるようでございます。ただ、都市の再生の定義というのは二つございまして、都市機能の高度化と都市の居住環境の向上、こう二点あるわけです。
 先ほど御指摘がありましたように、今までの都市再生特別措置法というのは、民間活力の活用、大都市中心だということで、これからやろうとしているまちづくりというのとちょっと違うんじゃないかというお話がございました。
 そこで、今回はその点をはっきりするために、章を分けて、今までのそういう民間活力、大都市中心は第四章で「都市再生緊急整備地域における特別の措置」と書きまして、新しい仕組みは第五章で「都市再生整備計画に基づく特別の措置」こう書き分けております。
 都市再生基本方針の中で都市再生整備計画がつくられ、まちづくり交付金も交付されるわけでございますけれども、何をこの都市再生基本方針に書くかと申しますと、今までお話し申し上げておりますようなまちづくりという観点がはっきり出るように基本方針を書く。例えば、市町村の自主性の尊重でございますとか少子高齢化とか地域社会のいろいろな地域の特性に適応したものにする、それから、地域資源を活用し創意工夫を最大限発揮する、民間との協働、地域の積極的参加を進める、既存ストックを活用する、得られる成果の重視というようなことで、今回のまちづくり交付金について、今まで御答弁申し上げましたようなことをきちっと内閣の方針として、まちづくりとして進めるんだということを基本方針に書く、このような段取りになっております。

○穀田委員 それは説明はそのとおりなんです。問題は、私は、都市再生基本といいますか、そこの何が起こっているかという総括や、それを踏まえてやる話であるということを言いたいわけです。
 例えば、バブルの崩壊後、駅前再開発だとか土地区画整理事業は、喧伝されるように、本当にこれは破綻したりとんざしたりする例が多くなっているわけですね。国土交通省は、再開発事業や土地区画整理事業がどうなっているのか、その事態を把握しているだろうか、そして、中止または行き詰まっている事業はどのくらいあるのか、原因は何と見ているのか。ここの肝心かなめのところが私は大事だと思うんです。そこはいかがですか。

○竹歳政府参考人 まず実態でございますが、組合による区画整理は全国で約千地区ございますけれども、そのうち、約一割強に当たる百三十三地区でいろいろな課題が生じております。
 再開発については、全国で二百地区が都市計画決定済みでございます。そのうち事業中が百二十二地区で、その二割弱に当たる二十三地区で保留床処分上の課題が生じております。
 休止した地区でございますが、平成十四年以降、土地区画整理事業は六地区、再開発は十七地区です。その原因は、やはり経済変動、バブルの崩壊というようなことが大きいわけでございまして、区画整理ですと、事業費の一部に充てる保留地の処分金、これが十分に売れない、再開発事業では保留床が十分に売れないというようなこと等がございまして、いろいろな必要な見直しを今やっているところでございます。

○穀田委員 今あったのは、結構、皆さんは数字的に言うと一割だとか二割だとか言っていますけれども、これは大変なものなんですね。保留地や保留床に買い手がつかない、あるいは思いどおりの処分ができないということで事業が成立しなくなっているわけですね。
 私は、ある茨城県の町の都市再生区画整理事業を調べてみたんだ。ここでも現在の計画では立ち行かなくなって、計画を大幅に変更しています。現計画では組合員が六十七、変更した計画は十八名と約四分の一。施行面積も十・七ヘクタールから六・〇。それから保留地処分金も、現計画では十一億九千万円であったものが、それが変更後は五億八千万、これも半分だ。だから、計画変更後、膨大な公的資金を出す予定になっていて、国庫補助金が一億五千七百万円、さらに町の補助金が三億一千三百万、助成金が一億一千八百万。結局のところ、計画を大規模にしたために事業そのものが成り立たなくなって、膨大な公的資金をつぎ込まざるを得なくなった、こういうふうなことが起きているわけですね。だから、私は、こういう都市再生区画整理事業こそ全面的に見直すべきだと考えているんです。
 ところが、本法案は、都市再生整備計画の目標を達成するために必要な事業として、公共公益施設整備事業、市街地再開発事業、それから防災街区整備事業、土地区画整理事業、さらには住宅施設の整備に関する事業なども挙げられていて、これでは、さきに指摘した、破綻した都市再生事業を繰り返すことになりはしないか、この疑念があるわけです。そこを簡単に。

○竹歳政府参考人 簡単に申し上げますと、いろいろな問題が生じている区画整理、再開発は、やはり日本経済の全体の一部として、バブルが破裂して、まちづくりだけじゃなくていろいろなところで問題が起きたわけでございまして、その問題とまちづくり交付金事業とは全く別の話でございます。

○穀田委員 なぜこんなことを言っているかというと、地方自治体が、破綻した事業を焼き直して都市再生計画を作成してもまちづくり交付金を受け取ることがあり得るということなんですね。そこを私は言いたいわけですよ。だから、そこを見ていただかないとだめじゃないかなと私は思います。
 もう一つは、地方自治体の計画に、先ほど言いました大手といいますか大資本が参加したり、事業の一部を受け持ったりする場合の件です。
 私は、法改正による地方都市再生の候補地の一つである鎌倉市の深沢地区を調査してみました。これは深沢地域国鉄跡地周辺整備計画と言われるもので、八七年、国鉄分割・民営化に伴い、旧国鉄跡地を中心としたまちづくり構想が持ち上がりました。本当に大規模なものでして、地図もあるんですけれども、こういうものを当初出していたわけです。そして、藤沢市、鎌倉市にまたがるもので、藤沢市は貨物駅跡地に新駅をつくり、深沢地域も大規模な再開発を行うというもので、規模は、鎌倉百六十二ヘクタール、藤沢七十九ヘクタールにも及ぶと言われています。
 この計画は、もともと鎌倉市など地元でまちづくり協議会をつくり進められていた。ここに国土交通省都市・地域整備局所管の財団法人都市みらい推進機構が事務局を務めるインテリジェント・シティ整備推進協議会が参画を考えていて、この深沢地域を対象とした情報化社会でのまちづくりのあり方というものを研究テーマに、鎌倉市に提言を行っています。
 だから、こうした地方自治体、いろいろな計画がありますよね。そういう計画に大資本や大手の企業が参画した場合でもまちづくり交付金の採択を受けることができるのかという点はどうですか。

○竹歳政府参考人 それは鎌倉市と藤沢市、御地元が決められることで、もちろん、だれがやるかということよりも、どういう計画かということがまちづくり交付金の重要な判断基準になると思います。

○穀田委員 そうなんです。どういう計画かとつくるときに、それが従来のまちづくり協議会がやられていたものと、それと、インテリジェント・シティ構想だとかという形で進めている大手資本のやり方とが違うときに起こる内容上の問題を私は言っているんですよ。
 それで、実はそれを見ますと、その集いのインテリジェント・シティ名簿なんかで見ますと、この推進協議会の鎌倉市深沢地域IT化まちづくり研究会、この名簿を見ますと、主査は東京瓦斯、委員には、東日本電信電話株式会社、NEC、三菱電機、飛島建設、清水建設、沖電気工業、日立製作所、これ全部名前を連ねているんですね。だから、結局のところ、こういうことが、今お話あったように、どういう計画かというところまで参画しているわけです。鎌倉市はオブザーバーとして研究会に参加しているにすぎなくて、したがって、これでは住民が望むまちづくりとは異質なものとならざるを得ない、こういうことを私は指摘したいと思うんです。
 この議論を通じて私は何が言いたかったかというと、結局、住民のまちづくりという問題について、主体が、どこにこれをやるのか、また、計画の内容をどこに置くのかというものをしっかり見据えなくちゃならぬ。
 そういうものだったらいいんだが、残念ながら、今までの民間活力という流れ、規制緩和という流れ、そして、それが地方都市に行かないからといって、実際は、公共事業的な、公益的なものをしながら呼び起こしていくということが本当に活性化だとかまちづくりになるかということを私は言いたいわけなんですね。しかも、実はそういうところまで大手の資本が加わってくるということが、私は異質なものと必ずなるだろうということを指摘しておきたいと思うんです。
 最後に、私はなぜこの問題を言っているかというと、都市再生整備計画というのは都市再生基本方針に基づくとされています。何度もこれは皆さんがお話ししていますように、先ほど大臣もお話があったように、やはり国際競争力を高める、それから、土地流動化を通じて不良債権の問題の解消に寄与するとされているわけなんです。結局、やはりここが柱にあるんですよ。
 ですから、あちこちで破綻している再開発や区画整理事業の解決を図ったり、シャッター通りとなった問題を住民主体で本当は解決すべきだという点がなかなか縁遠いものになるだろうということだけ指摘して、質問を終わります。

○赤羽委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

○赤羽委員長 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、これを許します。穀田恵二君。

○穀田委員 私は、日本共産党を代表し、反対討論を行います。
 第一の反対理由は、バブル崩壊でとんざ、破綻した駅前再開発や土地区画整理事業を見直すことなく、都市再生という新たな名で開発事業を継続することになるからです。
 バブル時に計画された再開発事業や土地区画整理事業の中で、地価の下落やキーテナントの撤退等により、行き詰まっている事業がふえています。国庫補助金や市町村の補助金、助成金など、公的資金の投入によって事業を存続、継続せざるを得ない事態もふえており、今日的な見直しと解決こそ求められています。
 しかし、本法案によって、実質上破綻した事業が市町村の都市再生整備計画に位置づけられ、まちづくり交付金が投入され、住民生活の向上に役立たない開発事業が継続されることになります。
 反対理由の第二は、市町村が作成する都市再生整備計画は、民間活力の導入などを目指した都市再生基本方針に基づくことを前提としています。大企業やゼネコンのためのまちづくりとなる可能性があるからであります。
 都市再生基本方針は、国際競争力を高め、土地の流動化を通じて不良債権の解消に寄与することを意義とし、京都などで進行している町壊しを促進した民間活力の導入を一つの中心に置いています。これでは、大企業の利益になることはあっても、住民が望む、住民を主体にしたまちづくりを困難にしてしまいます。
 最後に、まちづくり交付金が、住民を主体としたまちづくりにこそ使われるよう求めて、私の反対討論を終わります。

○赤羽委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

○赤羽委員長 これより採決に入ります。
 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う国土利用計画法及び都市再生特別措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

○赤羽委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

○赤羽委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、衛藤征士郎君外三名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党の三会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。若井康彦君。

○若井委員 民主党の若井康彦です。
 ただいま議題となりました国の補助金等の整理及び合理化等に伴う国土利用計画法及び都市再生特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、民主党・無所属クラブ及び公明党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、既に質疑の過程において委員各位におかれましては十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。
    国の補助金等の整理及び合理化等に伴う国土利用計画法及び都市再生特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。
 一 国土利用計画法に基づく土地利用基本計画作成費等交付金の廃止に当たっては、都道府県等による国土利用計画法に係る事務の施行に支障が生じることのないよう、適切な財源措置を講じること。
 二 都市再生特別措置法に基づく都市再生整備計画については、まちづくりに関する多様な住民のニーズに対応したわかりやすい指標により目標等が示されるよう配慮すること。
 三 まちづくり交付金については、国の関与を極力少なくするとともに、市町村の創意と工夫による都市再生の推進が可能となるよう、その運用に万全を期すこと。また、まちづくり交付金の採択に関する透明性を確保するとともに、まちづくり交付金を充てた事業等に係る評価を適切に行うための仕組みを構築し、評価結果を公表すること。
 四 市町村による自主的な都市再生を推進するため、都市計画の決定等に係る権限及び道路整備に係る権限で市町村が希望するものについては、可能な限り移譲されるよう特段の配慮をすること。
 五 全国の都市再生を推進するため、住民主体のまちづくりを支援する専門家、まちづくりNPO等の育成や外部からの人材活用に努めること。また、地方の中小都市における都市再生に資するため、独立行政法人都市再生機構は、市町村による都市再生整備計画の作成に積極的に協力するとともに、まちづくりに関するノウハウの提供等に努めること。
 六 国民生活の質の向上と地域経済社会の活性化を図るため、全国の都市再生の取組に対する支援を積極的に行うこと。その際、地域の実情にあわせ、都市基盤の整備、中心市街地における居住の推進や商業の振興、歴史的な街並みの保存、医療・福祉施設の整備、地域産業の振興等が総合的に推進できるよう特段の配慮をすること。
 七 社会資本整備やまちづくりについては、地方の自主性を高める観点から、国庫補助金の交付金化、統合補助金化等を引き続き推進するとともに、市町村への更なる権限移譲を検討すること。
以上であります。
 委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。

○赤羽委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

○赤羽委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。


【「しんぶん赤旗」2004年3月24日】

都市再生法「改正」案が衆院通過
住民の街づくり困難
国交委で穀田議員批判

画像  「都市再生」の名で、バブル崩壊で頓挫した駅前再開発や土地区画整理事業などを継続する都市再生法「改正」案が二十三日の衆院本会議で、自民、民主、公明、社民各党の賛成多数で可決、衆院を通過しました。日本共産党は反対しました。
 同法案は、大都市部の大規模開発を民間活力導入によってすすめる「都市再生法」に、新たに地方の「都市再生」を追加。開発事業のために中央省庁が配分権限を握る「まちづくり交付金」を創設します。
 本会議に先立つ国土交通委員会で反対討論に立った日本共産党の穀田恵二議員は、市町村の作成する「都市再生整備計画」が、民間活力導入などをめざした政府の「都市再生基本方針」を前提としていることをあげ、「大企業やゼネコンのためのまちづくりとなる可能性が高い」「これでは、大企業などの利益になることはあっても、住民がのぞむ、住民を主体にしたまちづくりを困難にしてしまう」と批判しました。

写真=穀田恵二議員=23日、衆院国土交通委