こくた恵二
こくたが駆く

恒例「京都木工芸展」を鑑賞

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 私が常々京都の伝統工芸にかかわる人々を応援したいと考えていることは皆さんご承知の通り。本日は「京指物」として、伝統工芸品として通産大臣指定される「京の木工芸」品を鑑賞。
 (毎年この時期に開催。明日21日も開催。無料です)
 「京の木工芸」とは、板と板、板と棒などを物差しを使って組み合わせ・差し合わせをする「指物」、鑿(のみ)や刀で造形する「彫物」、ろくろを回して木を削り、円状・丸状の物をつくる「挽物」、熱湯に浸して柔軟にした木を円形に曲げる「曲物」などを総称したもの。
 是非とも本物を手にとって見てほしいのだが、どの作品もそれはもう半端じゃなく精巧で、引き出しのついたものであれば、引っ張ったときに「スー」っと開いて、閉じるときに「スー」っと閉じる。微妙な歪みが摩擦となって引っかかったり、逆に「スカ!」っと手応えも無く開いてしまったりという「大量生産っぽい安っぽさ」とは全く無縁の品物ばかりである。
 ハッキリ行ってこれはスゴイ事だと思う。なんせ「木」は「生き物」なのだ。歪んだり堅さが変化するのが当たり前の素材なのだ。
 そして「天然の意匠」ともいうべき、木目の模様がまた見事!

 写真は「綾部之」さんから茶杓など作品の説明をうけている私と連れ合い。木の話をしたら止まらない。ほんまに木が根っから好きなんや。
 この「綾部之」さんは万年時計復元・複製プロジェクトにも参加しておられるとのこと。160年前の作品を寸分違わずに復元するということは、160年たっても寸分違わずに歪みやひずみのでない作品に仕上げることが最低限のハードルである。「木」という素材でそれをやってのけることの凄さに素直に驚く。
 

(Update : 2006/05/20)