こくた恵二
こくたが駆く

解放運動戦士の碑・合祀追悼祭で追悼の言葉

photo昨日の続き

 午前中は京都腎臓病患者協議会(会長・辰巳博氏)の第36回定期総会に出席、来賓あいさつを行った。
 総会の冒頭に挨拶にたった辰巳博会長は、腎臓病で透析治療を余儀なくされている会員の生活実態が、長期の不況もあいまって大変厳しくなっているもとで、政府・与党による医療制度改革により自己負担増が追い打ちをかけている現状を訴え「本日おこしいただいた国会議員の先生方に是非ともご尽力いただき、これ以上自己負担が増えないようお願いしたい」と訴えていた。
 私は、人工透析を保険適用させる運動の中で掲げられたスローガンが「命の沙汰も金次第でいいのか」だったことに触れ、「今の医療制度改革で再び『命の沙汰も金次第』の状態(=命と健康にも格差が導入されようとしている)に逆戻りしようとしている。国の負担、大企業の負担をあらため、税金の使い方を変えれば、負担増を止めさせることは可能」と透析患者の願い実現へ決意をのべた。

photo 京腎協の総会で挨拶をした後は、東山・知恩院内にある京都解放運動戦士の碑・合祀追悼祭で追悼の辞をおこなう。
 碑は、進歩と革新の運動に尽力し、逝去された京都の有名・無名の人びとを追悼し、その偉業を顕彰するために1958年に建立されたもので、今年度新たに55名が合祀され、合祀者はあわせて2215名となった。

 私がおこなった「追悼の言葉」を以下に全文掲載しておく。



追悼の言葉
 志なかばにして亡くなられた皆さん、ご参列のご遺族の皆さん。
 第五十一回京都解放運動戦士の碑合祀追悼祭にあたり、日本共産党を代表して謹んで哀悼の言葉を捧げます。
 今年新たに合祀される五五人の皆さんを含む二千二百十五名の皆さんは、各々の地域、あるいは労働組合、諸団体で、「国民が主人公」となる社会をめざし、平和、民主主義、暮らしを守り住民要求実現の活動に力を尽くされました。
皆さんの生前の活動には、喜びとともに多くの苦労をともなったことと思います。皆さんは、国民の切実な要求実現と政治革新のためにかけがえのない役割を果たし、歴史の流れを進歩の方向に前進させることに貢献されました。皆さんの献身的な活動ともあいまって、京都の民主運動も様々な困難を打ち破り、発展を遂げています。

ご遺族の皆さんにおかれましては、故人とともに社会進歩をめざす運動の中で力を合わせ苦楽をともにしてこられたことと思います。
わたくし事で恐縮ですが、私の父も共産党員としての生涯を、昨年閉じました。故人との永遠の別れをされたみなさんの心中を心からお察し申し上げます。どうか、健康に留意され、故人との思い出や生前のご活躍を胸に、志を同じくする仲間、友人の皆さんとともに歩んでいかれることを、心から希望するものです。

皆さん
 私たちは現在、歴史的な闘いの時期の中で今年の合祀追悼祭を迎えています。
 自民党・公明党の政治のもとで、過去の侵略戦争の正当化、アメリカいいなり、極端な大企業中心主義が、世界に例を見ない日本政治の異常な特質としてますます際立ち、外交面では世界とアジアからのかつてない孤立を招いています。
また格差社会と貧困の広がりによって、多くの国民が、現在と将来の暮らしに展望がもてず、不安と閉塞感を感じています。
風雲急を告げているのが憲法改悪の策動です。
自民党は、昨年十一月の党大会で、「新憲法草案」を正式に決定しました。
憲法九条二項「戦力の不保持」「交戦権の否認」を削除して、「自衛軍の保持」を書き込むことにより、海外での武力行使、集団的自衛権を狙っています。
国会において、自民、公明、民主が「国民投票法案」の具体化のための動きを活発にしています。
日本国憲法とともに「車の両輪」として、日本の民主主義を支え発展させてきた「教育基本法」を改悪し、憲法改悪と一体に「戦争する国」に忠誠をつくす国民をつくろうとする動きも進んでいます。
憲法改悪と一体になった「アメリカとともに戦争に参加する国づくり」として、全国各地で米軍基地の強化と、その費用三兆円の負担が国民に押しつけられようとしています。
しかし、沖縄市や岩国市をはじめ、市長選挙での勝利など、自治体ぐるみで基地強化に反対する大きなうねりが広がっています。
一昨年結成された「九条の会」は全国で五千近く結成され、憲法改悪反対の住民過半数をめざして「草の根」のとりくみが強められています。
雇用と働くルールの確立、共謀罪許すな、医療改悪反対、教育基本法の改悪反対、農業、中小企業、地方自治を守る運動なども大きく発展しています。このようなエネルギーの成長・発展を、何者も押しとどめることは出来ないでしょう。
 また、この京都で日本共産党は、福知山市の市会議員増員選挙で、定数2の3つの選挙区すべてで勝利をしたのをはじめ、一連の中間地方選挙において着実な前進をとげており、来年の一斉地方選挙、参議院選挙に向けて、必ず前進を実現するために、全力をあげているところです。
 
 ご遺族の皆さん。
私たちは故人の生の声をふたたび聞く事は出来ません。しかし、故人が生前すすめてこられた進歩と革新への足跡は、いつまでも私たちの心と歴史の中に生き続けていくことでしょう。
合祀される皆さんの遺志をうけつぎ、前進する決意を表明して追悼の言葉といたします。どうか安らかにお眠りください。

 二〇〇六年五月十四日        
日本共産党衆議院議員 こくた恵二

(Update : 2006/05/15)