こくた恵二
こくたが駆く

建築基準法改正案審議にあたって日本共産党の提案(下)

 耐震強度偽装事件の再発防止にいま何が必要か 
    ――建築基準法等改正案の審議にあたっての提案―――
  日本共産党国会議員団 耐震強度偽装問題プロジェクトチーム
                                           


3、建築士の独立性を確保し、安全・安心設計や適切な工事監理ができるよう建築士制度を抜本的に改善する。
建築士の違法行為に対する罰則強化は当然であるが、同時に、建築士が、建築物の安全性を確保するための設計・監理など、本来の社会的責務を果たせるような条件をつくる必要がある。
 売主や建設会社などからの安全軽視など不当な圧力に屈しないなど、建築士が専門家として独立した立場から安全・安心な設計・監理をできることが重要である。そのために、建設業者などとの従属的関係の是正、専門分野別の建築士制度の導入、工事監理業務の適正化など、建築士制度を抜本的に改善する。建築士が報酬の安さによって競争することを禁止しているアメリカなどにならい、報酬を適切なものにする。

4、消費者の立場に立った情報開示の徹底と瑕疵(欠陥)補償制度の拡充など住宅購入者保護を充実する。
(1)消費者に対する徹底した情報開示
 今回の事件では、消費者(ユーザー)に建物の安全性などの重要な事項が情報開示されないことが、欠陥建物を購入・賃貸した消費者に大きな被害を与えた。そのため、住宅性能表示制度の充実・強化、宅地建物取引業者に対する説明義務の拡充など、消費者への情報開示を徹底する。
@建築物の安全性確保のための情報開示・・・物件の耐震性、構造計算を行った設計者、確認検査機関(審査担当者など)、工事監理者、中間検査・完了検査の状況など、
A供給サイドの信頼性確保のための情報開示(瑕疵担保責任の履行が可能かどうかなど)・・・売主や施工・設計会社の実績、財務状況、品質管理体制、施工管理方法など。
Bライフサイクルコスト(LCC)の考え方にもとづく情報開示・・・・販売価格については、初期の取得費用だけでなく、耐久年数、維持管理コストなどトータルコストの試算も開示するようにする。
(2)住宅の購入者の保護を図るため、瑕疵補償制度の拡充をはかる
 今回の事件では、マンションの構造部分の欠陥(瑕疵)が明確であるのに、売主に賠償能力がないため、「瑕疵担保責任」(売り主が賠償責任を負う)が履行されないなど、深刻な事態が起きている。偽装物件にかかわった設計会社や施工した建設会社は、賠償責任もあいまいにして、責任からのがれようとしている。
 こうした実態を改善するため、売主や設計、施工会社などに瑕疵担保責任保険への加入を義務付ける。また、欠陥か否かの立証は企業側の責任とし、消費者が負担なく賠償を求められるように瑕疵補償制度の改善・拡充をはかる。
(3)偽装マンション被害者の救済のため、国が責任をもって解決にあたる
 二重ローン問題など被害者住民が個人で銀行と交渉することは困難である。そこで、@被害住民にかわって、国が責任をもって、住民の既往ローン債務を軽減するため、銀行等と交渉する。A国が責任をもって、瑕疵担保責任者(売主)と事件関与者(建築士事務所、民間検査機関など)と交渉し、損害賠償責任をはたさせる。B銀行や不動産関係業界などから基金等を募り、債務の返済に充てるなど、国が責任をもって解決にあたる。
5、「住まいは人権」、市場競争まかせの住宅政策を是正する
(1)安全・安心に居住する権利を保障し、民間市場まかせの住宅政策に反対する
 国民だれもが安全・安心な居住生活をおくる権利をもち、行政には、それを保障する責任がある。今国会に提出されている「住生活基本法案」は、住宅供給を市場まかせにするものである。また、住宅分野の規制緩和として政府が推しすすめた「住宅建設コスト低減のための緊急重点計画」(96年)は、市場に安全をないがしろにする“安上がり競争”を助長してきた。
 こうした、市場競争まかせの住宅政策を是正するためにも、国民の居住の権利を明確にし、安全もふくめた、めざすべき居住・住環境の水準の法定化などの指針を明確にした「基本法」をめざす。
(2)建設業界の重層的下請け構造を是正する
建設会社・設計会社などの下請業者への“丸投げ”の禁止を徹底することをはじめ、建設業法による下請け保護、独占禁止法の順守によって、不当な買いたたき、低価格発注をやめさせる。      
                           以上

(Update : 2006/04/13)