こくた恵二
こくたが駆く

公団自治協勉強会であいさつ

photo 全国公団住宅自治会協議会が「『住生活基本法』勉強会」を国会内で開催しました。
 各政党がこの「勉強会」で、「住生活基本法」をめぐって、また自治協のとりくみについて、あいさつを行いました。
 私は、日本共産党を代表して以下の通り激励と連帯の挨拶を行いました。


1、この法案の根本問題は何か。
 この法案は、「住生活の安定の確保及び向上」を基本目的にしながら、肝心の居住者、国民の権利が明記されていない不十分なものです。この法案は、これまで5年ごとの公営・公庫・公団住宅の建設戸数目標を定め、公的住宅の供給を図ってきた「住宅建設計画法」を廃止し、今後は、住宅供給も住宅取得のための金融もいっそう「市場まかせ」「民間まかせ」にすることを住宅政策の中心にしようというものと考えます。

2、では、住宅政策の民間まかせ・市場化が何をもたらすか。
 耐震強度偽装事件の発覚で、現在の建築行政の下で、国民の命・安全が脅かされていることが、明らかになっています。      98年に建築基準法が大改悪され、建築確認制度の民間開放が行なわれた。私どもは「建築士の独立性が確保されていない」「安かろう、悪かろう、手抜き検査が横行する」と警句を発して反対しました。残念ながらその指摘は的中しました。
 安全確認まで国が責任を放棄し競争原理に任せ、安全を無視したコストダウンを幅をきかせた。つくる側では最低限の基準すれすれ・ぎりぎりの設計が横行し、場合によっては基準を下回る設計も生まれる。確認検査をする自治体や検査機関には確実に検査する能力もプログラムもない。これが建築行政の実態です。

3、いま公営住宅はどうあるべきか。
 安価で住みよい公共住宅を求める国民の願いは切実だ。この声に応えるべきです。
 「特殊法人改革」で公団住宅から再編された都市再生機構住宅も、既存住宅の改善はおろそかにされ、新規住宅から撤退しました。三年ごとに家賃が値上げされており、「民間」への売却さえ検討されている。高齢化している入居者からは「住み続けられる家賃を」という声が大きくなっているのは当然ではないでしょうか。
 安価で良質な公共住宅が一定のシェアを占めれば、それは民間の住宅にも影響をあたえ結果として国民全体の住生活の改善・向上へとつながります。
 法案のように、公共住宅の供給を「セーフティネット」対策に矮小化すれば、まったくの救貧対策になり、国民の居住権を保障することにはなりません。
 格差社会と貧困の広がりの中で公共住宅の役割は大きくなっています。私どもは、既存の公共住宅の改善、安価で良質な公共住宅の供給に取り組む決意です。

4、さいごに、私どもがめざす基本法とは何か
 先日私どもの見解を明らかにしました。
 @国民の住まいに対する権利の明確化
 Aめざすべき居住・住環境の水準の法定化
 B適切な住居費負担の設定
 C公的住宅の質量ともの改善方向を明らかにする
 D国・自治体、住宅関連事業者・金融機関の責任をはっきりさせる――などが必要だと考えます。

(Update : 2006/03/28)