こくた恵二
こくたが駆く

母は、亡き父の供養に岩手・北上川に

 我が家は、浪花の優れた女性漫才トリオに”かしまし娘”が贔屓(ひいき)だった。
 それでと言うわけでもあるまいが、認知症の母を支え、叔母、妹、連れ合いの三人が連れもって、父の供養に岩手に出かけた。
 やんちゃでガキ大将だった父は、北上川を愛してよく遊んだ。幼い頃の写真はそれぐらいしか記憶にない。
 その北上川に、「来ましたよ」と声を掛けているのかもしれない。
 曾祖母、祖母をはじめわが一族は、花巻の志戸平温泉を湯治に出かけた。そこにも思い出が一杯詰まっており、宿泊している。
 私が見舞いに行っても直ぐ忘れる母だが、古い話だけは思い出し夜長に、「かしまし娘」達と語らっているはずだ。

(Update : 2006/03/09)