こくた恵二
こくたが駆く

予算委員会分科会質問=「産科医不足の解決は『命』にかかわる問題」

 本日、予算委員会分科会質問、私は第2分科会において、竹中総務大臣を相手に、地方で深刻な問題になっている産科医の不足の問題について質問した。

 まずはじめに、滋賀県の高島市で高島市民病院の産科が分娩受付を休止している問題について「高島市から大津市の大津日赤(総合周産期母子医療センター)に搬送するとなると、移動距離が40km.にもなる。妊婦さんにとっては利便性の問題だけでなく、急変時の搬送時間が長くなる―母子の命にかかわる問題だ」と指摘。
 また、京都北部の京丹後市でも同じく「市立」の弥栄病院で分娩受付け休止がおこり、となりの豊岡市や舞鶴市に行かなければならなくなっている実態をあげて、さらにその舞鶴では、京都北部地域の「地域周産期母子医療センター」となっている「舞鶴医療センター(旧舞鶴国立病院)」で分娩受付を休止していることをとりあげ「周産期ネットワークの整備などと言って、病院の産科を『集約化・重点化』を進めているが、そのネットワークの『要』になる施設ですら、舞鶴では破綻している」と、国の進めている産科や小児科の医師確保対策が不十分であるうえに方向性が間違っていることを批判した。

 続いて、1996年当時と現在とで、産婦人科のある病院の数・そのうち、国立・都道府県立・市町村立のそれぞれの数を質問。産婦人科全体では1996ヵ所あったのが1469ヵ所に、26.4%も減っていることや、国立では160から107と、33.2%も減らしていることが明らかになった。

 また、全国の自治体病院が統廃合や赤字の診療科を廃止している背景にある、総務省が進めている「地方公営企業の経営総点検」などの『自治体リストラ』の問題ついてとりあげ「一方で、産科や小児科などは政策医療として守っていくといいながら、もう一方で、赤字で苦しむ自治体病院を統廃合を進めている。京都府などは、各市町村に対してチェックシートを示して『(公設の病院が)投資に見合った収益を上げているか』『統廃合や経営委譲の検討』などと点検をしている。
 こんなことを進めれば、今の制度ではどうしても赤字になっている小児科や産科などがますます維持できなくなる」と指摘。総務省の担当者は「(自治体病院の)適切な配置を維持することは必要」と認めながら「経営の合理化を進めることは当然必要」という認識を示した。
 これでは、周産期医療の充実と言いながら、一方でその体制を掘り崩していることになると厳しく批判した。

 また、今日の医師不足の背景にある97年の大学医学部定員抑制の方針を打ち出した閣議決定について「見直すべきではないか」と質したのにたいしては、竹中総務大臣は「将来の医師数の見通しについては厚生労働省が現在検討を進めていると聞いている。また、大学の定員については文部省の管轄となっているので、回答は差し控えたい」と、回答を避けた。

(Update : 2006/03/01)