こくた恵二
こくたが駆く

JR西日本「安全性向上計画」に関連して質疑

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 『国土交通大臣あいさつ』に対する一般質疑を行った。
 私は、尼崎脱線事故の問題で、JR西日本が作成した「安全性向上計画」の監視・監督等について質問した。
 まず始めに、「10月4日に遺族(4・25ネットワーク)の方々と大臣は面会しているが、遺族の方々の要請にどのように応えるつもりか。」と質した。これに対し北側一雄国交大臣は、「遺族の方々の要望をJR西日本に伝えると申し上げ、JR西日本には誠意ある対応をするよう指導してまいりたい」と答弁した。
 そのうえで、5月31日にJR西日本が提出した「安全性向上計画」について、「この作成に深く関与した国交省として、徹底・改善がどのようにすすんでいるか、把握しているか。」と質問。梅田鉄道局長は「幹部先頭に緊急安全ミーティングを約240カ所で行い、のべ1万7000人が参加、約1万件の意見が出されている」と答えた。
 しかし、現状はどうか?私がいただいた資料=国労西日本の「安全性向上計画監視委員会」のアンケートによれば、「第1に周知徹底、まだ3分の1が説明がないと答え、説明があったとしても読み上げただけ。第2に緊急ミーティングについても『内容が理解できない、形式的で熱意が伝わらない』というのが参加者の過半数の声だ。第3に、しかも計画策定後、職場は実際に変わったか、との質問には、実に7割以上が『まったく変わらない』と答えている。安全性向上計画を遂行させるためには、こういう現場の労働者の意見を聞くなど、フォローアップすべきではないか。」と述べた。
 そこで私は、安全情報の収集・分析の強化について、「重大事故や重大インシデントに至らない、ヒヤリハットなどの情報を収集し、分析することが、事故再発防止に極めて有効であることは各方面からで実証されている。JR西日本は、『事故の芽』等の報告対応是正の項目を設けて、これまでの減点主義を改めるなど改善策を示している。これを確実に実施させるためには、企業任せにせず、政府の責任として義務付け、制度化を後押しする必要がある。」「事故調査委員会の調査では、技術的な要因は一定程度解明できても、調査範囲、権限の問題、体制上の問題も含め限界がある。しかし、『日勤教育』などに見られる命令と服従のJR西日本の体質まで踏み込んだ原因の解明、余裕時分のない運行ダイヤの危険性、さらには、その背景にある安全をないがしろにした儲け第一のリストラ経営の問題など組織要因まで踏み込んで、事故原因を究明すべきだ。」と追及した。

(Update : 2005/10/18)