こくた恵二
こくたが駆く

“戦中派からの遺言”をうけて

 昨日、“戦中派から遺言”をうけた。
 『戦中派からの遺言』---これは、去る4月5日85歳で亡くなられた、元横浜国立大学名誉教授の大崎平八郎氏の最後の著作だ。
 長砂實関西大学名誉教授と大崎滋生桐朋学園大学教授らご遺族がこの本を全国会議員に寄贈しようと、議員事務所を訪問されていた。
 お話によれば、大崎氏は『戦中派からの遺言』第一版が刊行されたのが1992年6月。戦後60年を迎える今、その時点よりいっそう後退しているという危機感があった。「敗戦で学んだはずの事柄の根幹が揺らいでいる」「戦後の平和や憲法原則は自分たちの世代があれほどの犠牲となってようやく勝ち取られたはずだのに、その世代がこの世から消えるのを待っていたかのように、ここ数年、平和原則に逆行するような動きが目立っている」(「『戦中派からの遺言の普及をはかる会」・代表 大崎京子氏)、こういう思いから本書を著されたそうだ。
 しかし、その新版の刊行準備を始めた矢先、末期の膵臓ガンが見つかり、2週間あまりで急逝されたとのこと。
 戦後60年、“戦中派からの遺言”をしっかり受け継いでいかなければ!(写真は大崎滋生教授とお嬢さん)

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(Update : 2005/08/03)