こくた恵二
こくたが駆く

衆院本会議で代表質問を行う・・・代表質問@

photo「スマトラ沖大地震及びインド洋津波被害に対する義援金目録贈呈式」に出席
 昨日から、衆院本会議で小泉首相の施政方針演説に対する各党の代表質問が始まった。私は、日本共産党を代表して、本日質問に立った。
 本会議の前に、1時から衆院議長室で行われた「スマトラ沖大地震及びインド洋津波被害に対する義援金目録贈呈式」に出席した。(18日の議運で、議員一人あたり1万円拠出し、義援金を国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に送ることを全会一致で決定していた。)国連難民高等弁務官事務所からピルコ・コウルラ駐日地域代表が国会を訪れた。



【代表質問−@】
 (私の質問時間は20分。全文は少し長いので、3回に分けて掲載させていただく。
 今日のその第一弾=・昨年夏以来の相次いだ災害の対策について・国民に対する
大負担増計画について。)


 
私は、日本共産党を代表し、小泉総理の施政方針演説に対して質問いたします。
 質問に先立って、昨年夏以来あいついだ、国内外の災害で、被災された方々、亡くなられた方々に、心からのお見舞いと哀悼の意を表明するものであります。

 第一に、焦眉の緊急課題、災害対策について質問します。
 昨年の災害で被災した多くの方々が生活と営業の再建をめざし、また地域の復興をめざして困難を抱えながらがんばっています。
 中越大震災の被災地では、2メートル、3メートルの積雪によって、地震で損壊したわが家がいつ押しつぶされるかと、言うにいえない不安を抱えながら仮設住宅で暮らしています。
 また、阪神・淡路大震災から10年たちましたが、被災者はいまだ元の生活を取り戻せていません。家賃負担に耐え切れずに災害復興公営住宅から追い立てられ、災害援護資金の返済のめどが立たずに取り立てを強制され、また中小事業者は、事業再建がままならない中で災害復旧資金の返済猶予が打ち切られようとしています。
 被災者・被災地の実態をかえりみない、機械的な支援打ち切りは、ただちにやめることを強く要求します。
 この10年の重要な教訓は、「住宅再建なくして生活再建なし」ということです。そのためには、国の制度として住宅本体への公的支援に踏み出すことが、どうしても必要だということです。住宅は個人の財産であると同時に地域社会を支える社会的存在です。何よりも国民一人ひとりの毎日の生活を支える土台そのものです。だからこそ旧国土庁の「被災者の住宅再建の在り方に関する検討委員会」は、個人住宅の再建は、地域社会の復興と深く結びついており、「地域にとってはある種の公共性を有している」との報告をとりまとめたのではありませんか。
 鳥取県がはじめた住宅再建支援は、いま多くの自治体に広がり、「世論調査」でも、80%が「国の支援が必要」と答えています。
 総理は、昨年8月のわが党の志位委員長の質問にたいして、住宅本体への公的支援の検討を約束しました。この間の災害の教訓をふまえ、いまこそ住宅本体の再建にたいする公的支援――「個人補償」に踏み込むべきではありませんか、明確な答弁を求めます。

 第二に、国民にたいする大負担増計画の問題です。
 小泉総理は、就任以来「痛みに耐えれば明日がある」といい、サラリーマン本人の医療費3割負担、年金保険料の値上げなど、国民に耐え難い負担を押し付けてきました。そのうえ、いま重大なことは、これまでとは質の違う、巨額の庶民負担増・大増税へのレールを国民に押し付けようとしていることです。
 総理は、施政方針演説で「定率減税の半減」の方針を明らかにしました。すでに与党税制調査会は、定率減税を2005年度に半減し、06年度に廃止する方針を決定しています。定率減税を廃止すれば、総額で3.3兆円もの負担増が国民に押し付けられることになります。これだけではありません。政府・与党が、05年と06年の2年間に計画している負担増は、国民生活のあらゆる分野に及んでいます。
 配偶者特別控除の廃止、公的年金控除や老年者控除の縮小・廃止、消費税の免税点の引き下げなど、増税が目白押しです。さらに、年金保険料の値上げ、介護保険の利用料や保険料の値上げ、雇用保険料の値上げなど、社会保障のあらゆる分野で負担増の計画が進められています。
 定率減税の縮小・廃止による3.3兆円の庶民増税に、これらの負担増をあわせると、庶民の家計が05年と06年の2年間でこうむる負担増は、合計7兆円にも及びます。
 このような巨額の負担増を国民に押し付けることに、はたして道理があるでしょうか。私は、3つの点からその問題点をただしたい。
 第一は、景気に及ぼす影響です。
 1997年、橋本内閣は、「財政危機打開」を理由に、消費税の3%から5%への引き上げなど、9兆円の国民負担増を実行しました。これが、大不況の引き金になったこと、そのことによって税収が数兆円規模で減り、深刻な財政悪化をもたらす結果に終わったことは、国民の記憶に新しいところです。
 当時は、年間数兆円規模で家計の所得が伸びているときでした。それでも9兆円の負担増が所得の伸びを上回り、景気を奈落の底につき落としたのです。ところがこの数年間をみると、家計の所得は年間数兆円規模で減っています。この所得の減少に追い打ちをかける巨額の負担増を負わせたら、日本経済はどうなるか。橋本内閣の大失政の二の舞になることは明らかではありませんか。
 第二は、巨大開発の浪費をいっこうに改めていないことです。
 総理は、「公共事業の予算を減らした」といいますが、来年度予算をみても、関西空港二期工事や巨大コンテナ港湾など、巨大開発への予算は減らすどころか、大幅に増額しています。
 総理は、これらの巨大開発に採算と需要の見通しがあると考えているのですか。
 財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会も、関西空港の需要が大幅に下回っている現状を受け、「慎重にあるべき」との提言を出していることを、どうとらえているのですか。採算も需要も見通しのない巨大空港や巨大港湾へのムダ使いを拡大しながら、そのつけは庶民にまわす、このようなやり方は、国民がとうてい納得できるものではありません。
 第三に、「定率減税」は、6年前(1999年)、「景気回復」のためとして、大企業の法人税減税や高額所得者減税などとセットで実施されたものでした。ところが、定率減税は縮小・廃止しながら、同時に実施した大企業への減税2兆7千億円、高額所得者への減税5千億円はそのまま続けるというのです。
 史上空前の儲けをあげている大企業への減税をつづけ、所得が毎年落ち込んでいる庶民には大増税、こんな理不尽なやり方がどこにありますか。これもまったく道理がたたないではありませんか。
 以上の三点について、総理の責任ある答弁を求めます。

 さらに重大なことは、7兆円負担増に続いて、消費税の大増税が計画されていることです。総理は、「私の任期中に消費税引き上げはしない」といってきました。
 しかし、実際には、日本経団連が、2007年度の消費税の二桁増税を打ち出し、政府の税制調査会は「消費税の税率を引き上げていくことが必要である」と答申しています。谷垣財務大臣は、「07年度から消費税をお願いする形で議論していかなければならない」と答弁しています。
 総理は、施政方針演説で、定率減税の半減にふれたあと、「税制の抜本的改革の具体化に向けた取組を進めてまいります」とのべましたが、ここでいう「抜本的改革」とは、消費税増税のことではありませんか。しかとお答え願いたい。
 7兆円の負担増につづく消費税増税という二段階の大増税路線は、国民の暮らしを破壊するだけでなく、日本経済の舵取りを根本的に誤るものです。その見直しと中止を強く要求するものであります。
(そのAに続く)
 

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(Update : 2005/01/25)