こくた恵二
こくたが駆く

小泉首相の訪朝報告に対して本会議で質問

photo 25日、衆議院本会議でおこなった、小泉純一郎首相の訪朝報告に対する代表質問(大要)は次のとおりです。

 日本共産党は、北朝鮮問題の解決にあたって三つの角度を提起してきました。
 一つは、朝鮮半島の軍事的な衝突の危機は絶対に避けなければならないこと。あくまでも平和的、外交的手段によって解決するということです。
 二つに、拉致問題は、日本国民の人権と安全を脅かした国際的な犯罪行為として許すことのできないものであり、この問題の全面的究明と被害者家族の帰国の実現をつよくもとめてきました。
 三つに、日本と北朝鮮の国交の確立。戦前の植民地支配の歴史を清算することは、戦後の日本が負った重大な歴史的責任に属する問題であること。
 こうした角度から、交渉を包括的にすすめることが大事であり、2002年9月に締結された「日朝平壌宣言」を重要な前進として評価してきました。
 今回の日朝首脳会談で、小泉総理と金正日国防委員長が、「日朝平壌宣言」を日朝関係の基礎として再確認し、拉致問題や核・ミサイル問題、人道援助問題などで一定の合意をしたこと、そして国交正常化交渉への前進の方向を確認したことを、評価するものです。

 拉致問題について、今回、地村さん夫妻、蓮池さん夫妻のご家族の帰国が実現したことを率直に喜びたいと思います。
 また曽我さんのご家族の問題では、総理は、ジェンキンス氏に、身柄引き渡しの懸念に対して「私が保証する」とのべました。米国防総省が特別扱いはしないと声明しているもとで、どのような見通しをもっているのか、はっきりとお答えください。
 安否不明の方々にかかわり、北朝鮮が約束した「白紙からの調査」について、総理は「日本側も参加して徹底的な調査をすすめる」「北朝鮮側も協力」し「早期に結果が出るよう互いに努力する」とのべましたが、どういう段取りで再調査をすすめるのか、答弁をもとめます。
 この問題は、拉致被害者の家族の方々の切実な願いであり、多くの国民が心を痛めています。日本側も納得のできる答えに達することをめざして、政府自身の努力をつよくもとめるものであります。

 朝鮮半島における核問題の解決は、日本にとっても切実な問題であり、北東アジアの平和にとっても重要な問題です。この点で、本年2月の「6者会合」でも「朝鮮半島の非核化」「平和的解決」という議長声明に各国が「同意」したことは、重要な意義をもつものです。
 総理は、今回の会談で、金正日委員長に、「核を完全に廃棄することによって得られるものと、核を持つことによって得られるものは天と地ほどもちがうこと」をよく考えるべきだと強く迫った。「かなりの部分で理解を得られた」と記者会見でのべましたが、ここは大事なポイントです。総理の説明を金委員長はどう受けとったのか、のべていただきたい。
 総理は、「今後、6者会合の場を通じて、核問題の平和的解決に向けて、一層の努力を傾けることで意見の一致をみた」と報告しましたが、日朝両国の指導者間での一致として重要であり、6者会合を成功させるいっそうの責任を負うことになりますが、総理は、一方の当事者として、どのような役割を果たすのか、答弁をもとめます。

 北朝鮮問題の中心は、力ずくではなく、諸懸案を一つひとつ解決しながら、また6カ国の協議を通じての核問題の解決を達成しながら、「日朝平壌宣言」を基礎に、両国間の国交正常化を実現することです。
 これは、日本の今後の平和と安全のうえでも、日本のもっとも身近な生活環境である北東アジアの平和と安定を実現するうえでも、重要な一歩となると考えます。こうした方向は、東南アジア友好協力条約などがめざしているものですが、北東アジアでも一致ができれば、それはアジア全体の平和の大きな流れとなるものです。
 日本共産党は、日朝間の諸問題を、平和的な交渉によって、道理ある形で解決することを一貫してめざし、そのために努力してきた政党として、今後とも力をつくすことを表明し、質問を終わります。

 小泉首相の答弁

 【ジェンキンス氏の問題】首脳会談と、その後のジェンキンス氏とのやりとりをふまえ、曽我さん一家が一日も早く、再び生活をともにできるよう最大限努力したく、米国とも鋭意話し合っていく考えだ。

 【安否不明者の調査】真相究明は一刻も早く行う必要があるが、わが国のみでできることには限界があり、北朝鮮側の協力がぜひとも必要だ。今回北朝鮮側が、本件は解決済みだとの従来の姿勢をあらため、白紙に戻り、早期に本格的かつ徹底的な調査を行うとしたことはきわめて重要だ。早急に先方の再調査の結果を求める一方、わが国独自の調査結果ともつき合わせて、真相の解明を図っていく。

 【核問題のやりとり】私は金委員長に、国際的な検証のもとにおける完全な核廃棄やNPT(核不拡散条約)への復帰を強く求めた。またそうすることが北朝鮮の利益にもなると強調した。金委員長から、朝鮮半島の非核化が最終目標である。6カ国協議を活用して、平和的解決に努力したいとの発言があった。

 【6カ国協議における日本の役割】北朝鮮の核開発は、わが国の安全保障にとって重大な脅威であり、6カ国協議を通じて平和的に解決するというのがわが国の基本的考えだ。米国、韓国をはじめとする関係国と緊密に連携しつつ、完全、検証可能かつ後戻りできない核廃棄という目標に向け、今後も努力をつづけていく。

(Update : 2004/05/25)