こくた恵二
こくた恵二のこだわりエッセー

”織額”に織り込んだ思い(しんぶん「赤旗」11月16日付)

 京都・宝が池公園一帯で13日、来春の京都府知事選挙勝利をめざす「京フェスタ」が開催された。「憲法を響かせる知事を京都から」をテーマに二万人を超える参加者で盛り上がった。
 参加者の一員として多くの知人と交流できたことは嬉しい限りだった。
 特に、西陣に働く人々から、新しい産品“織額”を寄贈したいただき感謝に堪えない。上京民主商工会に参加する人々が、苦労の末創り出した新しい織物の作品なのだ。私にプレゼントしてくれたのは、この作品群の生みの親・広岡さん作製の「黄檗山萬福寺の開版」を描いた巨大な“織額”である。
 実は、京都市の伝統産業の日のイベントで優秀賞に選ばれた作品。萬福寺に行った方は誰でも知っているが斎堂前にある魚版木魚の原型といわれ、時を報ずるものとして今も使われている。
そのユーモラスな存在感溢れる姿を描いた作品は、意表をつき、心を和ませる造形美である。
 西陣に関係する北区・上京区の京都府・市会議員が“織額”を頂戴した。思いは同じ、このすばらしい世界に誇る伝統産業・西陣織の活性化のためにうんと努力しよう!伝統産業で食べていける京都、いな、ものづくりを大切にする日本をつくろうという願いが込められているのだ。
 京都府の伝統産業への予算は2億円程度、一方企業誘致には一社に10倍の金をつぎ込む逆立ちぶり。この府政を変えたいの思いが託されたのである。大きな額の重さだけではない、私たちの胸にズシリと響いた。
 私は、政治を変える新たな「時を報じる」決意を固めたのである。



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(Update : 2005/11/17)