こくた恵二
こくた恵二のこだわりエッセー

総理、わかってへんなー

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 「総理!あなたは(ほんまに)わかってへんなー」
 イラクに自衛隊を派兵する問題で、小泉総理との質疑の最後に思わず出た言葉でした。
 日本は重大な岐路に立っています。「戦争をしない、軍隊を持たない、国際紛争の解決のために軍事力を使わない」と決めた日本国憲法。小泉内閣はこれを真っ向から踏みにじって日本の進路を危険な方向に導こうとしています。自衛隊派兵を審議した15日の閉会中審査、総理の答弁はひどすぎました。
 米軍司令官が「イラク全土が戦争状態だ」という戦地に、無反動砲などで銃武装した自衛隊を派兵しながら、「武力行使はしないんです」と強弁する。自衛隊が「米軍の行う罪のない市民を殺傷する掃討作戦の支援を行う」ことを認めながらも、「戦争に行くのではありません。人道復興支援を行うのです」と居直ります。総理と会見したイラク指導者が「自衛隊を送れば、人道援助という目的によっても、占領軍の一員の本質は変わらない」と指摘しています。軍隊と人道復興支援は両立しません。
 質問にはまともに答えず、ワン・フレーズを繰り返す、これが小泉総理です。憲法の精神も、国際社会の動向も、イラクの現状やイラク国民の占領軍に対する抵抗も、さらに肝心の法律の中身さえ理解していない人物だな、この怒りが「わかってへんなー」の言葉になりました。
 「米英軍主導の占領をやめ、国連中心の枠組みによる人道時復興支援に切り替えること」という根本的解決の方向を示し、いよいよ派兵反対、憲法守れの世論をまきおこす時です。

(「しんぶん赤旗」2003年12月19日付、新しい政治めざして)

(Update : 2003/12/19)